整数 ab が素数 p で割り切れるならば、a, b のいずれかは p で割り切れます

整数 ab が素数 p で割り切れるならば、a, b のいずれかは p で割り切れます

 「36 = 4 × 9 は 2 で割り切れるので、4 は素数 2 で割り切れます」というような当たり前のことを述べているのが次の定理です。

[定理 B3] 素数 $p$, 整数 $a,\:b$ について
\[p\:|\:ab\quad\Longrightarrow\quad p\:|\:a\:\:\vee \:\: p\:|\:b\]が成り立ちます。

 $\vee$ は論理和の記号、すなわち「または」を表す記号です。
 $A\vee B$ は $A$ と $B$ がともに成り立つ場合も含みます。したがって、たとえば「 108 = 9 × 12 は素数 3 で割り切れて、9 も 12 も 3 で割り切れる」というようなことも含まれています。

[定理 B3 の証明] 証明には 定理 A11
 
\[(a,\:b)=1,\:a\:|\:bc\quad \Longrightarrow\quad a\:|\:c\]
を用います。素数 $p$ の約数は 1 か $p$ です。$p\:|\:a$ ならば定理は成り立っています。$a$ が $p$ で割り切れないときは
\[(p,\:a)=1,\:p\:|\:ab\]
なので $p\:|\:b$ となります。(証明終)
 

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整数 n が素数 p, q で割り切れるならば n は pq で割り切れます

 次の定理もほぼ自明としてよいぐらいの事実です。たとえば「 20 は相異なる素数 2 と 5 で割り切れるならば、20 は 2 × 5 = 10 で割り切れる」というようなことを述べています。

[定理 B4] 素数 $p,\:q\:(p\neq q)$, 整数 $n$ について
\[p\:|\:n,\quad q\:|\:n\Longrightarrow\quad pq\:|\:n\]が成り立ちます。

[定理 B4 の証明] この定理の証明にも 定理 A11
 
\[(a,\:b)=1,\:a\:|\:bc\quad \Longrightarrow\quad a\:|\:c\]
を用います。$p\:|\:n,\: q\:|\:n$ なので整数 $a,\:b$ を用いて
 
\[n=pa=qb\]
と表すことができます。$(p,\:q)=1,\:p\:|\:qb$ なので $p\:|\:b$ であり、整数 $k$ を用いて
 
\[b=pk,\quad n=pqk\]
と表せます。よって $pq\:|\:n$ となります。(証明終)

 ≫ 1 より大きな整数は有限個の素数の積で表せます
 ≫ 初等整数論入門講座

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