ビーティ数列とレイリーの定理

ビーティ数列

 黄金比を表す無理数 $\phi=(1+\sqrt{5})/2$ を使って
 
\[\left \lfloor \phi \right \rfloor,\:\left \lfloor 2\phi \right \rfloor,\:\left \lfloor 3\phi \right \rfloor,\:\cdots\]
という数列を定義してみます。$\left \lfloor x \right \rfloor$ は $x$ を超えない最大の整数を意味するガウス記号です。数列 $\{a_n\}=\{n\phi\}$ を具体的に並べてみると

1, 3, 4, 6, 8, 9, 11, 14, 16, ...

のようになります。$\phi$ は無理数なので、数字の現れ方は不規則なものとなっています。無理数をもとに、このようにして作られる数列のことを $\phi$ に対する ビーティ数列(Beatty sequence) とよびます。
 

レイリーの定理

 もう1つ、今度は $\{b_n\}=\left \lfloor n\phi/(\phi-1) \right \rfloor$ という数列を作って並べてみると

2, 5, 7, 10, 13, 15, 18, 20, 23, ...

となります。$\{a_n\}$ と $\{b_n\}$をじっと見比べてみると ...... 互いに重なる数字は1つもありませんね! 2つの数列を混ぜあわせて小さい順に並べると、

1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, ...

という自然数の集合になっています! このように「ある 1 より大きな無理数 $x$ に対して、$x$ と $x/(x-1)$ をもとに作られるビーティ数列は互いに共通項がなく、また2つの数列を合わせると、全ての正整数が 1 回ずつ現れる」ことが知られていて、これを レイリーの定理 とよびます。2つの無理数を $\alpha,\:\beta$ で表すと、
 
\[\frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\beta}=1\]
と書くこともできます。
 

ビーティ数列をグラフにプロットしてみます

 数列 $\{a_n\}=\left \lfloor n\phi \right \rfloor$ と $\{b_n\}=\left \lfloor n\phi/(\phi-1) \right \rfloor$ を Excel のグラフで描いてみました。

 Excelでビーティ数列をグラフに描く

 少しジグザグしながら、ほぼ直線的に値を増加させています。
 たとえば 40 という値を示す横線を引くと、$\{a_n\}$ は $n=25$ でこの値をもつことがわかりますが、$\{b_n\}$ には 40 という項が存在しないことがわかります。$n=15$ で 39, $n=16$ で 41 というように、ごく近い値をもつ項はあります。このようにギリギリのところで互いをかわしながら数列が続いているのです。本当に不思議ですね。

 ≫ Excel 数学グラフ

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