因数分解 x2 + 2ax + a2

 前回に引き続き因数分解です。今回は
\[x^2+2ax+a^2=(x+a)^2\]という形の分解を練習します。まずは今回の記事で基本をしっかり学んで、次回の応用問題につなぎましょう。
 

a2 が整数の場合

 展開公式の復習も兼ねて、 a = 3 として右辺から左辺の計算過程を追ってみます。
 
\[\begin{align*}(x+3)^2=&x^2+2 \cdot 3x+3^2\\[6pt]
=&x^2+6x+9\end{align*}\]
 1行目から2行目の過程で
 
\[2 \times 3=6,\quad 3^2=9\]
という計算を行っています。つまり末尾の数に着目して 2 乗して 9 になる数(つまり 9 の平方根)は 3 で、その 2 倍の数である 6 が x の係数と一致していることを確認できたら、この式は因数分解できるということになります。改めて書くと
 
\[x^2+6x+9=(x+3)^2\]
となります。それでは例題を解いてみましょう。
 
\[x^2+2x+1\]
 これは迷うこともないはずです。
 1 = 12 、 1 を 2 倍すると 2 になるので a = 1 と決まって
 
\[x^2+2x+1=(x+1)^2\]
と因数分解できます。次はもう少し難しい問題です。
 
\[x^2+14x+49\]
 49 の平方根は 7 、 7 の 2 倍は 14 となっているので、この式は因数分解できることがわかって、
 
\[x^2+14x+49=(x+7)^2\]
と書くことができます。
 

a2 が分数の場合

 a2 が分数であっても、その平方根 a が有理数であれば、有理数の範囲で因数分解することができます。例として
 
\[x^2+x+\frac{1}{4}\]
という式を考えてみます。 1/4 の平方根は有理数 1/2 であり、その 2 倍は 1 となっています。よって
 
\[x^2+x+\frac{1}{4}=\left(x+\frac{1}{4} \right)^2\]
と因数分解できます。

問題① 次の式を因数分解してください

\((1)\:x^2+10x+25\)
\((2)\:x^2+12x+36\)
\((3)\:x^2+16x+64\)
\((4)\:x^2+18x+81\)
\((5)\:x^2+13x+169\)
\((6)\:x^2+\cfrac{2}{3}x+\cfrac{1}{9}\)

解答①

\((1)\:x^2+10x+25=(x+5)^2\)
\((2)\:x^2+12x+36=(x+6)^2\)
\((3)\:x^2+16x+64=(x+8)^2\)
\((4)\:x^2+18x+81=(x+9)^2\)
\((5)\:x^2+13x+169=(x+13)^2\)
\((6)\:x^2+\cfrac{2}{3}x+\cfrac{1}{9}=\left( x+\cfrac{1}{3} \right)^2\)
 

x に係数が掛かっている場合

 次のような式を因数分解することを考えてみましょう。
 
\[4x^2+4x+1\]
 x2 に係数がついてます。こういう場合は 4x2 の平方根をとって、

\[4x^2+4x+1=(2x)^2+2(2x)+1\]
というように 2x をひとまとめにします。 1 = 12 で、2x の係数は 1 の 2 倍となっていますから、

\[4x^2+4x+1=(2x)^2+2(2x)+1=(2x+1)^2\]
と因数分解できます。
 

無理数が含まれている場合

 x の係数に無理数が掛かっているような形であっても因数分解できることがあります。たとえば
 
\[x^2+2\sqrt{2}x+2\]
という式を考えると、定数項 2 の平方根は √2 、x の係数はその 2 倍となっているので、
 
\[x^2+2\sqrt{2}x+2=(x+\sqrt{2})^2\]
と因数分解することができます。
 

文字式の因数分解

 もう少し難しい問題に挑戦してみましょう。
 
\[a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ac\]
 文字の種類が 3 つもあって「本当に因数分解できるの?」と思ってしまいますけど、ここは落ち着いて \(a^2+2ab+b^2=(a+b)^2\) の公式を思い浮かべて、
 
\[a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ac=(a+b)^2+2c(a+b)+c^2\]
と整理してみます。この式を (a + b) の 2 次式とみるのです。定数項 c2 の平方根は c で、(a + b) の係数はその 2 倍の 2c となっていますから、
 
\[a^2+b^2+c^2+2ab+2bc+2ac=(a+b+c)^2\]
ときれいに因数分解することができました! これはそのまま公式として覚えておいても役に立ちます。

問題② 次の式を因数分解してください

\((1)\:9x^2+30x+25\)
\((2)\:4x^2+2x+\cfrac{1}{4}\)
\((3)\:x^2+2\sqrt{5}x+5\)
\((4)\:x^2+4\sqrt{3}x+12\)
\((5)\:2x^2+2\sqrt{2}x+1\)

解答②

\((1)\:9x^2+30x+25=(3x)^2+10(3x)+25=(3x+5)^2\)
\((2)\:4x^2+2x+\cfrac{1}{4}=(2x)^2+(2x)+\cfrac{1}{4}=\left( 2x+\cfrac{1}{4} \right)^2\)
\((3)\:x^2+2\sqrt{5}x+5=(x+\sqrt{5})^2\)
\((4)\:x^2+4\sqrt{3}x+12=(x+2\sqrt{3})^2\)
\((5)\:2x^2+2\sqrt{2}x+1=(\sqrt{2}x+1)^2\)

問題③ 次の式を因数分解してください

\(a^2+b^2-c^2-d^2+2ab-2cd\)

解答③

 2 段階で因数分解する必要があります。
 以前に学んだ \(a^2-b^2=(a+b)(a-b)\) の公式も合わせて用います。
\[\begin{align*}a^2+b^2-c^2-d^2+2ab-2cd=&a^2+2ab+b^2-(c^2+2cd+d^2)\\[6pt]
=&(a+b)^2-(c+d)^2\\[6pt]
=&(a+b+c+d)(a+b-c-d)\end{align*}\]

 ⇒ 学び直しトップページへ

スポンサーリンク
末尾広告
末尾広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。