2 変数関数における合成関数の微分公式

 

$x,\:y$ が 1 変数に依存する場合

 関数 $z=f(x,y)$ において、$x,\:y$ が別の変数 $t$ に依存している場合を考えます。$x,\:y$ をともに変化させたときの $z$ の $t$ に関する微分を求めてみます。全微分の公式
 
\[dz=\frac{\partial f}{\partial x}dx+\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
において、
 
\[dx=\frac{dx}{dt}dt,\quad dy=\frac{dy}{dt}dt,\quad dz=\frac{dz}{dt}dt\]
を代入すると

\[\frac{dz}{dt}=\frac{\partial f}{\partial x}\frac{dx}{dt}+\frac{\partial f}{\partial y}\frac{dy}{dt}\]
となります。すなわち

\[\frac{dz}{dt}=\frac{\partial f}{\partial z}\frac{dx}{dt}+\frac{\partial z}{\partial y}\frac{dy}{dt}\]

という 合成関数の導関数 を得ることができます。

上下に振動しながら円を描く曲線

 抽象的な数式ばかりいじっていても、何が何だかわからなくなってしまうかもしれないので、具体的な計算例でイメージを掴みましょう。次のような関数
 
\[z=f(x,y)=xy,\quad x=\cos t,\quad y=\sin t\]
を考えます。この関数は $x$ と $y$ が円周上に束縛されているので、$z$ は上下に変動しながら円を描く曲線となります。
 
\[z=\cos t\sin t\]
ですから、これは簡単に
 
\[\frac{dz}{dt}=\cos 2t\]
と微分できるのですが、あえて合成関数の微分公式を使って一致するかどうかを確かめてみます。
 
\[\frac{dz}{dt}=\frac{\partial z}{\partial x}\frac{dx}{dt}+\frac{\partial z}{\partial y}\frac{dy}{dt}\]
において
 
\[\begin{align*}&\frac{dx}{dt}=-\sin t,\quad \frac{dy}{dt}=\cos t\\[6pt]
&\frac{\partial z}{\partial x}=y=\sin t,\quad \frac{\partial z}{\partial y}=x=\cos t\end{align*}\]
となるので、
 
\[\frac{dz}{dt}=\cos^2t-\sin^2t=\cos 2t\]
となって確かに先ほどの値と一致しました。
 

$x,\:y$ が 2 変数に依存する場合
 Differential of composite functions with two variables Ⅱ

 関数 $z=f(x,y)$ において、$x,\:y$ が 2 つの変数 $u,\:v$ に依存している場合、すなわち
 
\[x=p(u,v),\quad y=q(u,v)\]
のような形で表されている場合を考えます。
 
\[dz=\frac{\partial f}{\partial x}dx+\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
において、
 
\[\begin{align*}dx&=\frac{\partial x}{\partial u}du+\frac{\partial x}{\partial v}dv\\[6pt]
dy&=\frac{\partial y}{\partial u}du+\frac{\partial y}{\partial v}dv\\[6pt]
dz&=\frac{\partial z}{\partial u}du+\frac{\partial z}{\partial v}dv\end{align*}\]
を代入して両辺を比較すると $z$ の $u$ と $v$ に関する偏微分

\[\begin{align*}\frac{\partial z}{\partial u}&=\frac{\partial z}{\partial x}\frac{\partial x}{\partial u}+\frac{\partial z}{\partial y}\frac{\partial y}{\partial u}\\[6pt]
\frac{\partial z}{\partial v}&=\frac{\partial z}{\partial x}\frac{\partial x}{\partial v}+\frac{\partial z}{\partial y}\frac{\partial y}{\partial v}\end{align*}\]

を得ることができます。 ≫ 数学辞典

スポンサーリンク
末尾広告
末尾広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください