実係数2次方程式の複素数解

2次方程式の複素数解

 係数が実数である2次方程式
\[ax^2+bx+c=0 \tag{1}\]の1つの解が \(p+qi \quad (q \neq 0)\) であるとき、その共役な複素数 \(p-qi\) も解となる。

定理の証明

 解の1つを \(x=p+qi\) とおいて方程式 (1) に代入して整理すると
 
\[a\:(p^2-q^2)+bp+c+i\:(2apq+bq)=0\]
となりますが、この等式が成立するには
 
\[\begin{align*}
&a\:(p^2-q^2)+bp+c=0 \tag{2}\\[6pt]
&2apq+bq=0 \tag{3}\end{align*}\]
という関係を満たす必要があります。
 ここで \(x\) と共役な複素数 \(\bar{x}=p-qi\) を方程式 (1) に代入してみると
 
\[a\:(p^2-q^2)+bp+c-i\:(2apq+bq)=0\]
となるので、(2) と (3) より (左辺) = 0 となって \(\bar{x}=p-qi\) もまた解となっていることがわかります。
 

係数が実数の場合のみ成り立ちます!

 この定理は一見すると解の公式
 
\[x=\frac{-b\pm\sqrt{D}}{2a}\]
と同じことではないかと勘違いしそうになります。確かに \(D\) が負の実数であれば、 \(\sqrt{D}=ui\) という形になって、上の式は共役な2つの解を与えます。
 しかし \(D=b^2-4ac\) の \(a,\:b,\:c\) の1部が複素数である場合は、 \(D\) もまた虚数あるいは複素数となる可能性があり、その平方根もまた
 
\[\sqrt{D}=s+i\:t\]
のように複素数となることがあります。そうすると解は
 
\[x=\frac{(-b\pm s)+i\:t}{2a}\]
というように \(\sqrt{D}\) の実数部分が \(-b\) に吸収されることになって、共役関係は失われてしまいます。ですから上の定理は「係数が全て実数である場合に成り立つ」ということを忘れないようにしてください。複素数係数の2次方程式の実例はこちらの演習問題にあります

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