逆三角関数の微分公式

 逆三角関数の定義と基本的な性質についてはこちらを参照してください。
 

逆三角関数の微分公式
 Derivative of invers trigonometric function

 逆三角関数の微分公式 をまとめておきます。

\[\begin{align*}
(\mathrm{Arcsin}x)'=&\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}\qquad (x\neq \pm1) \tag{1}\\[8pt]
(\mathrm{Arccos}x)'=&\frac{-1}{\sqrt{1-x^2}}\qquad (x\neq \pm1) \tag{2}\\[8pt]
(\mathrm{Arctan}x)'=&\frac{1}{1+x^2} \tag{3}\\[8pt]
(\mathrm{Arccsc}x)'=&\frac{-1}{x\sqrt{1-x^2}}\qquad (x\neq \pm1) \tag{4}\\[8pt]
(\mathrm{Arcsec}x)'=&\frac{1}{x\sqrt{1-x^2}}\qquad (x\neq \pm1) \tag{5}\\[8pt]
(\mathrm{Arccot}x)'=&\frac{-1}{1+x^2} \tag{6}\end{align*}\]

証明

(1) y = Arcsinx とおくと x = siny なので

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&\cos y\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&\frac{1}{\cos y}=\frac{1}{\sqrt{1-\sin^2y}}=\frac{1}{\sqrt{1-x^2}}
\end{align*}\] Arcsinx の主値が-π/2 ≦ y ≦ π/2 なので、cosy > 0 としています。

(2) y = Arccosx とおくと x = cosy なので

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&-\sin y\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&\frac{-1}{\cos y}=\frac{-1}{\sqrt{1-\cos^2y}}=\frac{-1}{\sqrt{1-x^2}}
\end{align*}\]

(3) y = Arctanx とおくと x = tany なので

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&\sec^2 y\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&\cos^2y=\frac{1}{1+\tan^2y}=\frac{1}{1+x^2}
\end{align*}\]

(4) y = Arccscx とおくと x = cscy なので

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&-\cot y\sin y\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&-\frac{\tan y}{\sin y}=-\frac{\tan y}{x}
\end{align*}\] ここで

\[\begin{align*}
&\tan^2y=\frac{\sin^2y}{\cos^2y}=\frac{\sin^2y}{1-\sin^2y}\\[8pt]
&\tan y=\frac{\sin y}{\sqrt{1-\sin^2y}}=\frac{1}{\sqrt{\csc^2y-1}}=\frac{1}{\sqrt{x^2-1}}
\end{align*}\]となるので、

\[\frac{dy}{dx}=-\frac{1}{x\sqrt{x^2-1}}\]が得られます。

(5) y = Arcsecx とおくと x = secy なので

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&-\sec y\tan y\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&\frac{1}{\sec y\tan y}=\frac{1}{x\tan y}
\end{align*}\] ここで \(\tan^2y=\sec^2y-1=x^2-1\) を用いると

\[\frac{dy}{dx}=\frac{1}{x\sqrt{x^2-1}}\]となります。

(6) y = Arccotx とおくと x = coty ですから

\[\begin{align*}\frac{dx}{dy}=&-\cot^2y-1=-x^2-1\\[8pt]
\frac{dy}{dx}=&\frac{-1}{x\sqrt{1+x^2}}\end{align*}\]となります。
 

積分形式

 公式 (1) ~ (6) は積分計算で用いることのほうが多いかもしれません。
 しかしその積分形式は、
 
\[\begin{align*}
&\int \frac{dx}{\sqrt{1-x^2}}=\mathrm{Arcsin}x+C \tag{7}\\[8pt]
&\int \frac{dx}{1+x^2}=\mathrm{Arctan}x+C \tag{8}\\[8pt]
&\int \frac{dx}{x\sqrt{x^2-1}}=\mathrm{Arcsec}x+C=\mathrm{Arccos}\left ( \frac{1}{x} \right )+C \tag{9}\end{align*}\]
の3つに集約されることになります。その理由はたとえば公式 (1) と (2) から
 
\[\begin{align*}\int \frac{dx}{\sqrt{1-x^2}}=&\mathrm{Arcsin}x+C\\[8pt]
\int \frac{dx}{\sqrt{1-x^2}}=&-\mathrm{Arccos}x+D\end{align*}\]
を得ることができますが、 Arcsinx + Arccosx = π/2 という関係から、π/2 は積分定数の中に吸収されて同じ積分公式を表すことになるからです。
 (7) ~ (9) で x ⇒ x/a の変換を行うと、定数 a を含んだより一般的な積分公式を得ることができます。
 
\[\begin{align*}&\int \frac{dx}{\sqrt{a^2-x^2}}=\frac{1}{a}\: \mathrm{Arcsin}\: \frac{x}{a}+C \tag{10}\\[8pt]
&\int \frac{dx}{a^2+x^2}=\frac{1}{a}\: \mathrm{Arctan}\: \frac{x}{a}+C \tag{11}\\[8pt]
&\int \frac{dx}{x\sqrt{x^2-a^2}}=\frac{1}{a}\: \mathrm{Arcsec}\: \frac{x}{a}+C=\frac{1}{a}\: \mathrm{Arccos}\left ( \frac{a}{x} \right )+C \tag{12}\end{align*}\]

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