約数和と約数の 2 乗和、完全平方数に関する定理

約数和と約数の 2 乗和、完全平方数に関する定理

 約数関数 $\displaystyle\sigma_k(n)=\sum_{d|n}d^k$ において $k=2$ とおくと
 
\[\sigma_2(n)=\sum_{d|n}d^k=d_1^2+d_2^2+\cdots\]
となり、これは 約数の 2 乗和(平方和) を表す式となります。ある自然数が素数 $p$ を用いて $n=p^a$ の形で表されるとき、その約数を並べると
 
\[\{\:1,\;p,\;p^2,\;\cdots,\;p^{a}\:\}\]
の $a+1$ 個であり、それぞれを 2 乗すると
 
\[\{\:1,\;p^2,\;p^4,\;\cdots,\;p^{2a}\:\}\]
となるので、等比級数の公式を使って足し合わせると、
 
\[\sigma_2(p^a)=1+p^2+p^4+\cdots+p^{2a}=\frac{p^{2(a+1)}-1}{p^2-1}\]
となります。したがって $n$ が $p_1^{a_1}\,p_2^{a_2}\,\cdots$ のように素因数分解されるとき、その約数の総和は
 
\[\sigma_1(n)=\frac{p_1^{\,2a_1+2}-1}{p_1^2-1}\,\frac{p_2^{\,2a_2+2}-1}{p_2^2-1}\cdots\]
で与えられます。約数和と約数の 2 乗和、および完全平方数の間には次のような定理が成り立ちます。

[定理 D5] ある自然数 $n$ が完全平方数であるとき、
\[\sigma_1(n)\:|\:\sigma_2(n)\]が成り立ちます。

[定理 D5 の証明]
 $n$ は平方数なので素数 $p$ を用いて $n=p^{2a}$ と書けます。
 等比級数の公式を用いて $\sigma_1(n),\;\sigma_2(n)$ を計算すると
 
\[\begin{align*}\sigma_1(n)&=\frac{p^{\,2(a+1)}-1}{p^2-1}\\[6pt]
\sigma_2(n)&=\frac{p^{\,2(2a+1)}-1}{p^2-1}=\frac{(p^{\,2a+1}+1)(p^{\,2a+1}-1)}{(p+1)(p-1)}\end{align*}\]
となるので、
 
\[\frac{\sigma_2(n)}{\sigma_1(n)}=\frac{p^{\,2(a+1)}+1}{p+1}\]
 $p^{\,2(a+1)}+1$ は $p=-1$ を因子にもつので $p+1$ で割り切れます。したがって $\sigma_2(n)/\sigma_1(n)$ は整数であり、$\sigma_2(n)$ は $\sigma_1(n)$ で割り切れます。(証明終)

 簡単な例で定理を試してみます。$n=9$ とすると
 
\[\sigma_1(9)=1+3+9=13,\quad\sigma_2(9)=1^2+3^2+9^2=91\]
なので、$\sigma_2(9)/\sigma_1(9)=7$ となって確かに割り切れます。

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