電磁気学 おすすめ教科書・問題集・洋書(英語版)

 

電磁気学の学びかた

 物理学科の学生さんであっても電磁気学を苦手とする人は多いようです。かくいう私自身も学生時代、かなり苦手意識をもっていました。電磁気学を難しく感じる要因のひとつとして「経験に助けられない」ということがあるかもしれません。ニュートン力学は日常的に目にするボールの落下や放物運動、身体に感じる重力など、生まれた時から積み重ねてきた経験を定式化する学問なので、初めて学ぶときも具体的なイメージをもちやすいのだと思います。しかし私たちは日常において、電気の流れや電磁波を感覚で捉えることはできないし、身の周りに溢れる家電やスマホなどの電子製品も仕組みもよくわからないままブラックボックスとして使っているだけです。感電したら命に関わるので、身体に電流を通すことを経験したいと思う人はいないでしょう。 普段辛うじて体験していることといえば、陽射し(これも電磁波の一種)を浴びて漠然と「温かい」とか「眩しい」と感じることぐらいですかね(もちろんこれも大切な物理現象です)。

 電磁気学的現象の経験を積むには、たくさん実験を繰り返すしかないのですが、現代の物理科の学生さんには他にやることが山ほどあるので、なかなかそんな時間をとれません。しかし電磁気学はこれまで大勢の研究者たちが「ああでもない、こうでもない」と四苦八苦してまとめあげた理論体系です。それをたった数年で理解しろと言われても、そりゃ難しく感じて当然なのかもしれません。まあ時代が経つにつれ、学生さんに要求される知識はどんどん増えていくのは科学の宿命ですから、恨むなら現代に生まれたことを恨みましょう。しかし今から百年後に生まれたら、もっと大変なはずですから(もしかすると大学受験に「量子力学」という科目があるかもしれませんよ)、「現代に生まれて良かった!」とポジティブに考えることもできます。
 冗談はさておき、結局のところ、電磁気学を理解するには、本を一生懸命読んで現象を仮想体験するしかないと思うのです。たくさん読んで、たくさん演習問題を解きながら、電気のもつ性質や傾向というものに感覚を慣らしていくということですね。
「そんな当たり前の結論に至るなら、だらだらと無駄話をするな!」
と叱られるかもしれませんが、何はともあれ電磁気学の名著を並べておきます。
 

電磁気学 おすすめ教科書・問題集・洋書(英語版)

よくわかる電磁気学

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 最初に手に取るなら、この本をおすすめします。クーロンの法則から始まる正統派スタイルで記述された本です。電磁気学に必須であるベクトル解析もページを割いて解説してくれているので、高校数学さえきちんと学び終えていれば最後まで読み通すことができます。本書は計算式の背景にある物理的内容を見失わないように配慮して記述されています。「この現象を説明するのに、どうしてこの数式を使うようになったのか」ということを理解しながら読み進めていくことによって、計算技術と具体的なイメージを結びつけて電磁気学の基礎を習得することができるはずです。また分からないところがあれば、著者のサポートページで質問できるのもおすすめポイントのひとつです。
 

マクスウェル方程式から始める電磁気学

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 歴史的には様々な電磁気現象を仔細に調べながら小さな事実を積み重ねて、最終的に諸現象を包括する「マクスウェル方程式」を完成させたのですが、それを追体験していては全体像が掴みにくいということで、本書では逆に「マクスウェル方程式」から諸現象を導き出そうというスタイルで書かれています。はっきり言って反則技です。ニュートンが力学で仮定した運動方程式 F = ma と異なり、マクスウェル方程式は遥かに複雑な形をしているので「この方程式が成り立つと仮定しよう」と考えて電磁気学を発展させた文明はこの宇宙のどこにも存在しないはずです(地球人よりずっと知能指数が高い異星人であれば、もしかすると可能かもしれませんが ... )。とはいえ確かにこの方針で学ぶと各論から入るよりずっと見通しが良くなるので「ずるくたっていいもん!」と開き直って本書を読んでしまいましょう。何しろ反則なので、数ある電磁気学の本の中でも抜群に読みやすい一冊となっています。なお本文で「ずるい、ずるい」を連呼しましたが、これはもちろん冗談です。
 

理論電磁気学

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 こちらも上で紹介した書籍と同じく、マクスウェル方程式から諸現象を導出するスタイルで書かれた本です。私も学生時代はこの本で電磁気学を学びました。「おまえもズルしてんじゃん!」と思われるかもしれませんが、私はまず初級用の普通のスタイルで書かれた本を読んでから、2冊目としてこの本を手にとったので反則ではありません(何度も言うけど反則云々は冗談ですよ?)。本書はおそらく国内で出版されている電磁気学の中でも指折りといえるほど美しく完成度の高い本です。世間ではこの本が難解だという噂が流れていますが、理論構成がスマートだし、計算式も省かすに丁寧に書かれているので、言われるほど難しい本ではありません。難易度は中級ぐらいなので、電磁気学の2冊目としてはちょうど良い本だと思います。後半の特殊相対論が絡んでくる部分は確かに難しいですが、そこは別に慌てて読まなくてもいいし、気になるなら特殊相対論を学んでから読めば、普通に理解できると思います。
 

電磁気学演習 (基礎物理学選書21)

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 かの有名な小出昭一郎氏による電磁気学の演習書です。一時は絶版になっていましたが最近になって復刊したようです。扱う範囲は「静電場」「定常電流」「電流と磁場」「電磁誘導と交流」「マクスウェル方程式と電磁波」「相対論と電磁気学」です。各章ごとにかなりの分量の問題が収められています。難易度は標準ぐらいです。大学の定期試験はもちろん、大学院入試対策としても本書一冊あれば十分だと思います。
 

電磁気学の洋書(英語版)

Electromagnetics

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ELECTROMAGNETIC FIELD THEORY AND TRANSMISSION LINES

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Electromagnetic Fields & Waves

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