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周期数列

【SQ16】周期数列

初項 $1$、公比 $2$ の等比数列 $\{a_n\}$ の各項を $5$ で割った余りを並べて数列 $\{b_n\}$ をつくります。
(1) 数列 $\{b_n\}$ が周期数列であることを証明してください。
(2) 数列 $\{b_n\}$ の初項から第 $903$ 項までの和を求めてください。

【ヒント】$f(n)=f(n+T)$ を満たすような $T$ をもつ数列を周期数列とよび、$T$ を数列 $f(n)$ の周期とよびます。(1) は数列 $\{b_n\}$ を具体的に書き並べてみると単調な周期数列であることはすぐに予測できますが、それが任意の $n$ について成り立つことをきちんと証明してください。(2) は数列の周期性を利用して計算します。

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【解答】$\{a_n\}$ を具体的に並べてみると、
 \[1,\:2,\:4,\:8,\:16,\:32,\:64,\:128,\:\cdots\]
各項を $5$ で割って $\{b_n\}$ をつくります:
 \[1,\:2,\:4,\:3,\:1,\:2,\:4,\:3,\:\cdots\]
$(1,\:2,\:4,\:3)$ が繰り返される周期 4 の数列だと予測されます。
これが無限に続くことを以下で証明します。
数列 $\{a_n\}$ のある項 $2^{k-1}$ が $5$ で割り切れると仮定します。
すなわち $t=0,\:1,\:2,\:\cdots$ として
 \[2^{k-1}=5t+1\]
の形になっているとします。$a_n$ は公比 $2$ の等比数列ですから、この項を $2$ 倍すると次の項が得られます。
 \[2^k=10t+2=5(2t)+2\]
これは $5$ で割ると $2$ 余る数です。さらに $2$ 倍すると
 \[2^{k+1}=10(2t)+4=5(4t)+4\]
これは $5$ で割ると $4$ 余る数です。さらに $2$ 倍すると
 \[2^{k+2}=10(4t)+8=5(8t+1)+3\]
これは $5$ で割ると $3$ 余る数です。さらに $2$ 倍すると
 \[2^{k+3}=10(8t)+6=5(16t+1)+1\]
これは $5$ で割ると $1$ 余る数です。ここから、また倍々にしていくと同じことが繰り返されます。実際、$a_1$ が $5$ で割って $1$ 余る数なので、$a_n$ を $5$ で割った数を初項から並べると、$(1,\:2,\:4,\:3)$ が繰り返される周期 $4$ の数列となります(証明終)。

(2) $(1,\:2,\:4,\:3)$ の一束の和が $10$ なので、数列 $\{b_n\}$ を初項から第 $900$ 項まで加えると、
 \[\frac{900}{4}\times 10=2250\]
となります。これに $1,\:2,\:4$ を加えて、求める答えは
 \[2250+1+2+4=2257\]
となります。

【SQ17】整数公比数列の足し合わせ

$2$ 以上の整数公比をもつ $3$ つの等比数列の各項同士を足し合わせて数列 $\{d_n\}$ をつくりました。$\{d_n\}$ の各項を並べると
\[3,\:14,\:78,\:476,\:3042,\:……\]となります。$3$ つの等比数列の初項はいずれも $1$ であり、公比はすべて異なるものとします。数列 $\{d_n\}$ の一般項を求めてください。

【ヒント】
公比が整数であることに着目します。下の解答には
① 連立方程式を真正面から解く方法
② 整数問題としてアプローチする方法
の2通りの解法を載せます。

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【解答(1)】最初に解と係数の関係を用いる方法で解いてみます。$3$ つの等比数列の公比を小さいほうから $a,\:b,\:c$ とすると、それぞれの数列は
 \[\begin{align*}&1,\:a,\:a^2,\:a^3,\:……\\[6pt]&1,\:b,\:b^2,\:b^3,\:……\\[6pt]&1,\:c,\:c^2,\:c^3,\:……\end{align*}\]
と書けます。これらの数列の各項を足して
 \[3,\:14,\:78,\:476,\:3042,\:\cdots\]
となるので、連立方程式
 \[\begin{align*}&a+b+c=14\tag{B1}\\[6pt]&a^2+b^2+c^2=78\tag{B2}\\[6pt]&a^3+b^3+c^3=476\tag{B3}\end{align*}\]
を解けば公比 $a,\:b,\:c$ が求められます。$(a+b+c)^2$ の展開式
 \[(a+b+c)^2=a^2+b^2+c^2+2(ab+bc+ca)\]
に (B1) と (B2) を代入すると
 \[14^2=78+2(ab+bc+ca)\]
となるので、これを解いて
 \[ab+bc+ca=59\]
を得ます。$abc=k$ とおくと解と係数の間に
 \[\begin{align*}&a+b+c=14\tag{B1}\\[6pt]&ab+bc+ca=59\tag{B4}\\[6pt]&abc=k\tag{B5}\end{align*}\]
が成り立つので、3 次方程式の解と係数の関係式により、$a,\:b,\:c$ は $t$ の $3$ 次方程式
 \[t^3-14t^2+59t-k=0\tag{B6}\]
の解となっています。$t$ に $a,\:b,\:c$ を代入すると
 \[\begin{align*}&a^3-14a^2+59a-k=0\\[6pt]&b^3-14b^2+59b-k=0\\[6pt]&c^3-14c^2+59c-k=0\end{align*}\]
これをすべて足し合わせると
 \[a^3+b^3+c^2-14(a^2+b^2+c^2)+59(a+b+c)-3k=0\]
この式に (B1), (B2), (B3) を代入すると $k=70$ が得られます。したがって、方程式 (B6) は
 \[t^3-14t^2+59t-70=0\tag{B7}\]
となります。$t=2$ を代入してみると、この方程式の解となっていることがわかるので、左辺を $t-2$ で割ると、
 \[(t-2)(t^2-12t+35)=0\]
さらに因数分解して
 \[(t-2)(t-5)(t-7)=0\]
となります。したがって公比は
 \[a=2,\:b=5,\:c=7\]
であることがわかります。したがって、$\{d_n\}$ の一般項は
 \[d_n=2^{n-1}+5^{n-1}+7^{n-1}\]
となります。

【解答(2)】整数問題としてアプローチする解法も載せておきます。$3$ つの等比数列の公比を小さい順に $a,\:b,\:c$ とすると、それぞれの数列は
 \[\begin{align*}&1,\:a,\:a^2,\:a^3,\:……\\[6pt]&1,\:b,\:b^2,\:b^3,\:……\\[6pt]&1,\:c,\:c^2,\:c^3,\:……\end{align*}\]
と書けます。問題の条件より、これらの数列の各項を足すと
 \[3,\:14,\:78,\:476,\:3042,\:\cdots\]
となるので、
 \[\begin{align*}&a+b+c=14\tag{B1}\\[6pt]&a^2+b^2+c^2=78\tag{B2}\\[6pt]&a^3+b^3+c^3=476\tag{B3}\end{align*}\]
が成り立ちます。$a\leq b\leq c$ なので、
 \[3a\leq a+b+c\]
という不等式が成立します。すなわち
 \[3a\leq 14\]
であり、公比は $2$ 以上の整数なので $a$ は
 \[2\leq a\leq 4\]
の範囲にしぼられます。$a=2$ のとき、$b+c=12$ より
 \[2b\leq b+c\]
すなわち $b\leq 6$ が成り立ちます。$b\gt a$ なので、$b$ の範囲は
 \[3\leq b\leq 6\]
となります。同様にして、$a=3$ のときは
 \[4\leq b\leq 5\]
となり、$a=4$ のときは $b=5$ です。$c\gt b$ であることに注意して解の候補 $(a,\:b,\:c)$ を並べると
 \[(2,\:3,\:9),\:(2,\:4,\:8),\:(2,\:5,\:7),\:(3,\:4,\:7),\:(3,\:5,\:6)\]
となります。この中で $a^2+b^2+c^2=78$ を満たす組は
 \[(a,\:b,\:c)=(2,\:5,\:7)\]
だけです。またこれは (3) も満たしています。したがって、$\{d_n\}$ の一般項は
 \[d_n=2^{n-1}+5^{n-1}+7^{n-1}\]
となります。

【SQ18】1+2x+3x^2+・・・+nx^(n-1)

次の級数の和を求めてください。
(1) $1+2x+3x^2+4x^3+\:\cdots+\:nx^{n-1}$
(2) $1+2\cdot 5+3\cdot 5^2+4\cdot 5^3+\:\cdots+\:n5^{n-1}$
(3) $1-2+3-4+5-6+\:\cdots+n(-1)^{n-1}$

【ヒント】どの教科書にも必ず載っている有名な級数計算ですが、類似問題が大学入試に頻出するので基本をしっかり押さえておきたいところです。


【解答】(1) 与えられた級数を
 \[S_n=1+2x+3x^2+4x^3+\:\cdots+\:nx^{n-1}\tag{C1}\]
とおいて、これに $x$ を掛けた $xS_n$ という級数をつくります。
 \[xS_n=x+2x^2+3x^3+4x^4+\:\cdots\:+(n-1)x^{n-1}+nx^n\tag{C2}\]
(C1) から (C2) を引きます。
 \[(1-x)S_n=1+x+x^2+x^3+\:\cdots\:+x^{n-1}-nx^n\]
右辺の最後の項を除いた部分は初項 $1$、公比 $x$ の等比級数なので、$x\neq 1$ のときは
 \[(1-x)S_n=\frac{x^n-1}{x-1}-nx^n\tag{C4}\]
となります。$x=1$ のときは (C1) に戻って
 \[S_n=1+2+3+4+\:\cdots\:+n\]
となります。これは等差級数なので
 \[S_n=\frac{n(n+1)}{2}\]
となります。まとめると、
 \[S_n=\begin{cases}\displaystyle\frac{1-x^n}{(x-1)^2}+\frac{nx^n}{x-1} & (x\neq 1)\\[6pt]
\displaystyle\frac{n(n+1)}{2} & (x=1)\end{cases}\]
(2) (1) の解答過程で用いた式
 \[(1-x)S_n=\frac{x^n-1}{x-1}-nx^n\tag{C4}\]
に $x=5$ を代入すると
 \[-4S_n=\frac{5^n-1}{4}-5^nn\]
となります。式を整理すると
 \[S_n=\frac{1}{16}\{5^n(4n-1)+1\}\]
が得られます。

(3) (1) の解答過程で用いた式
 \[(1-x)S_n=\frac{x^n-1}{x-1}-nx^n\tag{C4}\]
に $x=-1$ を代入すると
 \[-2S_n=\frac{1-(-1)^n}{2}-(-1)^nn\]
となるので、
 \[S_n=\frac{1}{4}\{(2n+1)(-1)^n-1\}\]
が得られます。

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