積分因子が x に依存する関数です

[問題 DE-09] 積分因子が x に依存する関数です

(1) 次のような形の微分方程式
 
\[\mu (x,y)P(x,y)dx+\mu (x,y)Q(x,y)dy=0\]
が与えられたとき、方程式が $d\varPhi=0$ すなわち完全微分型になるための必要十分条件は
 
\[\frac{\partial (\mu P)}{\partial y}=\frac{\partial (\mu Q)}{\partial x}\]
であることが知られています。積分因子 $\mu$ が $x$ のみに依存する関数であるとき、
 
\[\mu (x)=\exp\left[\int\frac{1}{Q}\left(\frac{\partial P}{\partial y}-\frac{\partial Q}{\partial x}\right)dx\right]\]
で与えられることを示してください。

(2) 微分方程式 $(x+ky)dx+xdy=0$ を解いてください ($k$ は定数)。

問題 DE-09 のヒント

 完全微分型方程式についてはこちらの記事 を参照してください。

≫ [Amazon 数学書籍] 新微分方程式対話(日評数学選書)
[内容:行列の指数関数/解の一意性定理と存在定理/解と固有値/行列の射影分解/一般固有値問題/解曲線と平衡点の安定性/非線型微分方程式の線形化近似/係数行列の対角化/一般固有空間への分解/リアプノフ関数]

解答 DE-09

(1) 積分因子 $\mu$ が $x$ の関数 $\mu (x)$ であるとき、
 完全微分型になるための必要十分条件
 
\[\frac{\partial (\mu P)}{\partial y}=\frac{\partial (\mu Q)}{\partial x}\]
を書きなおすと
 
\[\mu\frac{\partial P}{\partial y}=Q\frac{d\mu}{dx}+\mu\frac{\partial Q}{\partial x}\]
となります。これを整理すると
 
\[\frac{1}{Q}\left(\frac{\partial P}{\partial y}-\frac{\partial Q}{\partial x}\right)=\frac{1}{\mu}\frac{d\mu}{dx}\]
となります。右辺が $x$ だけの関数ですから、もちろん左辺も $x$ の関数です。よって、この式を積分して
 
\[\mu (x)=\exp\left[\int\frac{1}{Q}\left(\frac{\partial P}{\partial y}-\frac{\partial Q}{\partial x}\right)dx\right]\]
となります。

(2) 与えられた微分方程式
 
\[(x+ky)dx+xdy=0\]
において
 
\[\frac{1}{Q}\left(\frac{\partial P}{\partial y}-\frac{\partial Q}{\partial x}\right)\]
を計算すると
 
\[\frac{1}{Q}\left(\frac{\partial P}{\partial y}-\frac{\partial Q}{\partial x}\right)=\frac{k-1}{x}\]
となります。右辺は $x$ だけの関数なので、
 
\[\mu (x)=\exp\int\left(\frac{k-1}{x}\right)dx=|x|^{k-1}\]
となります($k=1$ のとき、すなわち $\mu$ が定数のときもこの形で表せます)。したがって $\mu (x)=x^{k-1}$ を
 
\[(x+ky)dx+xdy=0\]
の両辺にかけると
 
\[x^kdx+kx^{k-1}ydx+x^kdy=0\]
 この式の左辺は微分型になっているはずです。変形していくと
 
\[\begin{align*}&d\left(\frac{x^{k+11}}{k+1}\right)+kyd\left(\frac{x^k}{k}\right)+k^kdy=0\\[6pt]
&d\left(\frac{x^{k+1}}{k+1}\right)+d(x^ky)=0\end{align*}\]
 これを積分して整理すると
 
\[x^{k+1}+(k+1)x^ky=A\]
という解を得ます。 ≫ [問題10] 完全微分方程式③ ≫ 微分方程式演習

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