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(-1)×(-1)=1の証明

負の数同士を掛け算すると正の数になる理由

中学校の数学の授業で、負の数同士を掛けると正の数となると説明されて、納得できない人も多かったのではないでしょうか。こうした混乱の原因は、はたしてこの演算が「数学の前提として認めてもらうルール(公理)」なのか、あるいは「公理から導かれる性質(定理)」であるのか、はっきりと説明されていないことに原因があるのではないかと思います。結論から言うと、$(-1)\times(-1)=1$ は定理に相当します。他の前提(足し算や 0 の演算規則など)からきちんと導かれます。それでは、さっそく証明してみましょう。

(-1)×(-1)=1の証明

次のような $0$ を使った式から始めます。
 \[(-1)\times 0=0\]
$0=1+(-1)$ という形にわざわざ書き直して
 \[(-1)\times [1+(-1)]=0\]
とします。左辺を展開すると
 \[(-1)\times 1+(-1)\times (-1)=0\]
となるので
 \[-1+(-1)\times (-1)=0\]
最後に両辺に $1$ を加えて
 \[(-1)\times (-1)=1\]
となります。(証明終)

証明に用いているのは足し算や $0$ の演算規則などです。ちなみに $a\times 0=0$ などは $0$ という数の性質を定める定義ですから、どこからか導かれる類のものではありません(公理です)。

【少し難しい証明】もっと数学的に厳密な証明も載せておきます。出発点は代数学の「環の公理」です。なんだか難しそうな用語ですが、要するに以下の演算規則に従う系が「環」であると定義されます。

【環の公理】
[R1] $a + b = b + a$
[R2] $a + (b + c) = (a + b) + c$
[R3] $a + z = z + a = a$ を満たす数 (零元) $z$ が存在する。($z=0$ と表す)
[R4] $a + a’ = a’ + a = 0$ となるような $a$ の反数 $a’$ が存在する。($a’=-a$ と表す)
[R5] $(a\cdot b)\cdot c=a\cdot (b\cdot c)$
[R6] $a\cdot u=u\cdot a=a$ を満たす $u$ が存在する。($u=1$ と表す)
[R7] $a\cdot (b+c)=a\cdot b+a\cdot c,\quad (b+c)\cdot a=b\cdot a+c\cdot a$ (分配規則)

公理 [R4] より、$1$ の反数 $1’=-1$ が存在します。つまり、
 \[1+(-1)=0\]
なので、
 \[(-1)\times (-1+1)=(-1)\times 0\tag{A}\]
という式が成り立ちますが、この式は分配規則 [R7] を使って
 \[(-1)\times (-1+1)=(-1)\times (-1)+(-1)\tag{B}\]
と表すこともできます。式 (A) と (B) の右辺は等しいはずなので、
 \[(-1)\times (-1)+(-1)=0\]
が成り立ちます。両辺に $1$ を加えると
 \[(-1)\times (-1)+(-1)+1=1\]
反数の性質より、$(-1)+1=0$ なので、
 \[(-1)\times (-1)=1\]
が成立します。(証明終)

エクセルや数学に関するコメントをお寄せください

  1. 匿名 より:

    (-1)×(-1)=1は、私は定義だと思っています。
    定理だとおっしゃるのなら、では(-1)×(-1)の定義は何だとお考えですか?

    • Blog Cat より:

      コメントありがとうございます。
      以下の環の公理を認めることから出発したいと思います。
       
      [R1] a + b = b + a
      [R2] a + (b + c) = (a + b) + c
      [R3] a + 0 = 0 + a = a を満たす数 0 が存在する
      [R4] a + (-a) = (-a) + a = 0 となる反数 a が存在する
      [R5] ab = ba
      [R6] (ab)c = a(bc)
      [R7] a・1 = 1・a = a
      [R8] a(b + c) = ab + ac, (b + c)a = ba + ca
       
      公理 [R4] により -1 は 1 の反数です。あえて、ここではその反数を a とおいてみます(公理によって存在するとされています)。つまり a は
        a + 1 = 0
      をみたす数です。(-1)×(-1) は
        a × a
      と書き直せます。これが (-1)×(-1) の定義、つまり「1 の反数同士の積」であると考えています。公理によって
        a × (a + 1) = a × 0 = 0
        a × (a + 1) = a × a + a
      の2通りの形で表すことができます。よって
        a × a + a = 0
      両辺に a の反数 1 を加えると
        a × a + a + 1 = 1
      a + 1 = 0 ですから、
        a × a = 1
      が導かれます … たぶんこれでいいと思いますけど、あまり自信はないです。まだどこかに穴があるかもしれません。不備を見つけたら、またどんどん指摘してくださいね。何はともあれ(スパム以外で)初めてのコメントなので嬉しいです。またよろしくです♪

  2. あとりえこばと より:

    ChatGPTに(-1)×(-1)=1を証明してもらいました。
     
    [ChatGPT] (-1) × (-1) = -1 × (-1) × 1 ですが、-1 × (-1) = 1 という前提条件があるので、これを代入すると、(-1) × (-1) = 1 × 1 = 1 となります。したがって、(-1) × (-1) = 1 が成り立ちます。このように、二つの負の数を掛け合わせた場合、正の数になることを「負の掛け算の法則」と呼び、数学的に証明されています。

    [K] …意味不明。でも諦めずに食い下がりました。
     
    [Q] 一歩一歩着実に証明してください。
     
    [ChatGPT] はい、ではもう少し詳しく証明していきます。まず、(-1) × (-1) が何に等しいかを見ていきます。ここで、掛け算の定義に従って考えると、
    (-1) × (-1) = -(1) × -(1)
    となります。ここで、両辺にマイナス1をかけると、
    -1 × (-1) × 1 = -(1) × -(1) × -1
    左辺については、マイナスとマイナスを掛けると正になるので、-1 × (-1) × 1 = 1 となります。一方、右辺は、マイナスとマイナスを掛けるとプラスになるため、-(1) × -(1) × -1 = 1 × 1 × -1 = -1 となります。

    ここで、左辺と右辺が等しいとする前提条件「-1 × (-1) = 1」を使って、次のように書き換えます。
    1 = -1 × (-1) × 1
    -1 × (-1) × 1 = 1
    したがって、(-1) × (-1) = 1 が成り立ちます。このように、負の数同士を掛け合わせた場合、正の数になることが「負の掛け算の法則」として数学的に証明されています。
     
    [K] … どこにツッコミを入れていいかわからないぐらい無茶苦茶ですよ。