正規分布関数からデルタ関数へ

 正規分布曲線の定義式
 
\[\frac{1}{\sqrt{2\pi }\sigma }\exp \left \{ -\frac{(x-\mu )^2}{2\sigma ^2} \right \}\]
において、平均値 μ = 0 を中心とする正規分布
 
\[f(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi }\sigma }\exp \left \{ -\frac{x^2}{2\sigma ^2} \right \}\]
を考えます。標準偏差 σ は x のばらつき具合の指標となり、値が小さいほど曲線の幅が狭まっていきます。正規分布を計算する

NORMDIST(x,平均,標準偏差,関数形式)

というエクセル関数を使ってグラフを描いてみます。

 エクセル正規分布とデルタ関数

 上図には σ = 0.5 と σ = 1 の曲線を重ねています。
 この σ の値をどんどん小さくしていきます。

 正規分布とデルタ関数でσの値を小さくする

 σ = 0.1, 0.01, 0.001 と小さくなってゆくにつれて、グラフの幅はどんどん狭くなり、x のとりうる値は中心に集約していく様子がわかります(というよりほとんど線になってしまっています)。正規分布曲線は確率密度関数ですから、曲線と x 軸で囲まれた面積は必ず 1 となっています。つまり幅が狭くなればなるほど、x = 0 付近における f(x) の値はどんどん増していくことになります。こうして標準偏差 σ を極限まで小さくした、

\[\delta(x)=\lim_{\sigma \rightarrow 0}\frac{1}{\sqrt{2\pi }\sigma }\exp \left \{ -\frac{x^2}{2\sigma ^2} \right \}\]
という関数をデルタ関数とよびます。こうなるともう現実としての確率分布とはかけ離れた関数ですが、主に量子力学などで使用される特殊関数です。デルタ関数は x = 0 以外で値をとりません。つまり
 
\[\delta(x)=0 \quad(x \neq 0)\]
です。また全区間にわたる積分は 1 になるという正規分布の性質はそのまま維持されます。
 
\[\int_{-\varepsilon}^{\varepsilon} \delta(x)dx=1\]
 このようにデルタ関数は極めて特殊な関数なので、グラフで正確に表現することはできません。上の図はあくまで近似的な表現であり、 σ の値をより小さくとれば、グラフはもっと鋭く細いものになりますが、あまり小さな値をとるとエクセルの計算能力を超えてしまってエラーが生じます。どのあたりに限界があるかはよくわかりませんが、下の図は正規分布曲線で σ = 10-10 としたものです。

 正規分布とデルタ関数σ=10^(-10)

 ピーク値が途方もない値になっていますね。

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