度数(degree)をラジアン(radian)に変換します

 今回のシリーズから三角関数のグラフに挑戦です。とはいっても基本的な操作は 2 次関数のときと同じなので、復習も兼ねて丁寧にコツコツと作っていきましょう。
 

弧度法の復習です

 三角関数を学んだことのある方は、弧度法によるラジアン(radian) という角度の単位を学んだことを覚えておられると思います。半径 1 の円弧の長さを角度とする測り方です。すなわち

 2π [rad] = 360° ⇔ π [rad] = 180° ⇔ 1 [rad] = 180/π = 57.296°

 という関係があります。数学では [rad] は省略されて書く機会はほとんどありませんが、 Excel を使う時は扱っているデータの種類を素早く見分けるために、きちんと書いておくことをお勧めします。
 

Excel の三角関数はラジアンを変数とします

 Excel には

SIN, COS, TAN, CSC, SEC, COT

などの数学関数が用意されていますが、どれも変数にラジアン単位で数値を指定する必要があります。sin 90° すなわち sin(π/2) の値が欲しければ、セルに

=sin(pi()/2)

と入力します。ここに pi() は Excel における円周率 π = 3.14159 ...... の精度の高い近似値です(円周率は無理数なので数値で真の値を得ることはできません)。三角関数のための連続変数 θ を作ろうと思うと、

pi()/36, 2*pi()/36, 3*pi()/36, ......

のようにπを小さく分割した値に整数を乗じた値を入力する必要があります。オートフィル機能を使うのでさほど面倒ではないかもしれませんが、やはり少し扱いにくいような気がしますね。
 

2 種類の変数を用意します

 そこでもう少し見通しをよくするために、まず「°」の単位でデータを作り、それを「ラジアン」単位に変換することを考えます。そのために使用するのが

RADIANS

という数学関数です。この関数の引数に「°」の単位の数値を入れると、「ラジアン」単位に変換した値を返してくれます。たとえば、

=RADIANS(180)

と入力すれば、3.141592654(円周率の近似値です)を返してくれます。RADIANS 関数を入れ子にして

=sin(radians(a2))

というように記述するもできますが、後々になって定義域を変更する可能性などを考えると

θ1 [°」  θ2 = radians(θ1) [rad]   sin(θ2)

のような関係にある 3 列のデータを作っておくことをお勧めします。こうすることで θ1 のデータを変えたとき、それに対応して θ2 と sin(θ2) が自動的に変化します。範囲や刻み幅を自在に変えるには、0 - 360 というようなデータを使ったほうが便利なのです。

 次回から実際に Excel を用いて三角関数のグラフを描いてみます。
 

補足説明 sin(pi()) = 0 ではありません

 Excel に限らずコンピューターを用いて数値計算を行うさいには注意しなくてはならないことがいくつかあります。その 1 つが円周率など無理数の取り扱いです。先程も少し触れましたが、Excel には引数なしで用いる pi() という関数が用意されていて、

3.14159265358979

という 15 桁の精度の高い近似値を返します。しかしやはり近似値ですから、数学では sinπ = 0 であるはずのところを、

=sin(pi())

と入力すると

1.22514845490862E-16

という非常に小さな、しかし 0 ではない値を返してきます。このような点を見逃していると、今後たとえば

f(x) = x/sinx

という sinx で割るような関数を扱ったときに、本来定義されないはずの f(π) を計算して出力し、あたかもその点が存在するかのようなグラフを描いてしまいます。こういう間違いが生じやすいので無理数の扱いには細心の注意が必要なのです。

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