互いに素である 2 数の積が平方数である場合の定理

互いに素である 2 数の積が $c^n$ である場合の定理

 たとえば平方数 36 は
 
\[2\times 18,\:3\times 12,\:4\times 9,\:6\times 6\]
のように分解できますが、この中で 4 と 9 は互いに素であり、ともに平方数となっています。この事実を一般化したのが次の定理です。

[定理 B6] 互いに素である正整数 $a,\:b$ , 自然数 $n$ について、$ab=c^n$ であるならば、$a,\:b$ はともにある整数の $n$ 乗となります。

[定理 B6 の証明] $c$ を素因数分解して
 
\[p_1^{s_1}p_2^{s_2}\:\cdots\:p_k^{s_k}\]
のように書けたとすると、$ab=c^n$ より
 
\[ab=p_1^{ns_1}p_2^{ns_2}\:\cdots\:p_k^{ns_k}\]
となります。右辺の因数が $a,\:b$ に分配されますが、$(a,b)=1$ なので、ある素因数 $p_i$ について、$a,\:b$ どちらかの因数にしかなりません。すなわち
 
\[p_i\:|\:a,\quad p_i\mid \hspace{-.67em}/\:b\tag{1}\]
であるのか、
 
\[p_i\mid \hspace{-.67em}/\:a,\quad p_i\:|\:b\tag{2}\]
のどちらかであるということです。よって、ある一種類の因数は $a$ か $b$ のどちらか一方にまとめて入ります。それが仮に (1) のケースであるとすれば
 
\[p_i^{ns_i}\:|\:a\]
のようになるので、$a,\:b$ はともにある整数の $n$ 乗となります。(証明終)
 

互いに素である 2 数の積が平方数である場合の定理

 定理 B6 で $n=2$ のときは次のように書けます。

[定理 B6-1] 互いに素である正整数 $a,\:b$ , 自然数 $n$ について、$ab=c^2$ であるならば、$a,\:b$ はともにある整数の完全平方数となります。

 完全平方数 とは整数の平方数 1, 4, 9, 16, ... のことです。単に平方数とよぶほうが一般的です。ある平方数を素因数分解してみれば、互いに素である平方数の組をみつけられる場合もあります(もちろん存在しない場合もあります)。たとえば平方数 144 は
 
\[144=3^2\times 2^4=9\times 16\]
と分解することができて、9 と 16 はそれぞれ平方数であり互いに素です。しかし平方数の積で表せるからといって、必ずしも互いに素であるとは限りません(定理の逆は成り立ちません)。たとえば平方数 64 は
 
\[64=2^6=4\times 16\]
のように 2 つの平方数の積で表せますが、4 と 16 は互いに素ではありません。
 

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互いに素である 2 数の積が立方数である場合の定理

 ついでに $n=3$ の場合も定理として載せておきます。

[定理 B6-2] 互いに素である正整数 $a,\:b$ , 自然数 $n$ について、$ab=c^3$ であるならば、$a,\:b$ はともにある整数の完全立方数となります。

 完全立方数 とは整数の 3 乗数 1, 8, 27, 64, ... のことです。こちらも普段は単に立方数とよびます。たとえば立方数 216 は
 
\[216=2^3\times3^3=8\times 27\]
と分解できて、8 と 27 はそれぞれ立方数であり、互いに素の関係にあります。

 ≫ 素因数分解を用いて GCD と LCM を計算します ≫ 初等整数論入門講座

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