平方数を計算に活用します

平方数

 少し前に流行ったインド式数学の本などには、九九の数表を拡大して 19 × 19 まで覚えた方が良いと書いてありました。いえ、実のところ私も「そうなのかー!」とあっさり流行に乗っかって必死に覚えたりもしたのですが、冷静に考えると平方数を覚えたほうが有用だと思うようになりました。平方数というのは同じ数を掛け算した数字です。「九九」の数表では赤く網掛けされた数字ですね。そして「九九」図形版では ......

 九九・平方数

このように正方形となっています。「平方数」=「正方形」というイメージを頭の中に定着させてください。中学生になると

42 = 16, 92 = 81

と恰好良く書いたりしますね。この平方数をもっとたくさん、たとえば、

13 × 13 = 169, 25 × 25 = 625

などを覚えると、次のような計算で役立ちます:

13 × 14

14 = 13 + 1 ですから、上の式を書き直すと、

13 × (13 + 1) = 169 + 13 = 182

のように、 13 × 13 を覚えていれば、ちょっと足し算すると平方数に近い計算ができます。また次の例のように

15 × 17

平方数から 2 つ数がずれていても、15 × 15 = 225 を知っていれば何とかなります:

15 × 17 = 15 × (15 + 2) = 225 + 30 = 255

 下に 11 × 11 から 30 × 30 までの平方数を載せておきます。今の段階で無理に覚える必要はありませんので、この表を見ながら下の計算問題を解いてみてください。

平方数の表
11×11 = 121 21×21 = 441
12×12 = 144 22×22 = 484
13×13 = 169 23×23 = 529
14×14 = 196 24×24 = 576
15×15 = 225 25×25 = 625
16×16 = 256 26×26 = 676
17×17 = 289 27×27 = 729
18×18 = 324 28×28 = 784
19×19 = 361 29×29 = 841
20×20 = 400 30×30 = 900

【問題 01】

 (1) 11×12  (2) 14×15  (3) 17×19 (4) 25×24 (5) 25×23

 難しいと感じたら、無理に暗算しようとせずに紙に書いてゆっくり計算してくださいね。慣れていないうちは、数字が 2 つ以上ずれると暗算はけっこう難しいです。できたら下の解答と照らし合わせてみてください。

【問題 01】の解答

 (1) 11×12 = 11×(11 + 1) = 121 + 11 = 132
 (2) 14×15 = 14×(14 + 1) = 196 + 14 = 210
 (3) 17×19 = 17×(17 + 2) = 289 + 34 = 323
 (4) 25×24 = 25×(25 - 1) = 625 - 25 = 600
 (5) 25×23 = 25×(25 - 2) = 625 - 50 = 575

 (4) と (5) では (  ) の中を引き算にしています。 23×23 = 529 に比べて 25×25 = 625 という数字のほうがずっと扱いやすいからです。このように、なるべく扱いやすい式を基準に計算するのがコツです。したがって特に頭に入りやすい平方数として、次の式だけでも暗記しておくと便利です。

11×11 = 121、 15×15 = 225、 21×21 = 441、 25×25 = 625

 「 21×21 = 441 が何で扱いやすいの?」と思われるかもしれませんが、下一桁 1 の数字は、下一桁 0 の数字の次に重宝します。というのは、この下一桁に 1 から 8 まで加えるような計算で繰り上がりが生じないからです。たとえば、

21×23 = 21×(21 + 2) = 441 + 42 = 483

という計算は、どの桁でも繰り上がりがないので暗算しやすいのです。
 

平方数の不思議な性質

 平方数にはちょっと面白い秘密が隠されています。それは、

【秘密①】平方数を 3 で割った余りは 0 か 1
【秘密②】平方数を 4 で割った余りは 0 か 1

というものです。「ほんとかなー?」と疑問に思ったら、ともかく試してみましょう。先ほどの表から適当な平方数を選んで問題にします。筆算で確認してください。

【問題 02】

 (1) 17×17 = 289 を 3 で割って商と余りを求めてください。
 (2) 17×17 = 289 を 4 で割って商と余りを求めてください。

【問題 02】の解答

17×17 ÷ 3 = 289 ÷ 3 = 96 ・・・ 1
17×17 ÷ 4 = 289 ÷ 4 = 72 ・・・ 1

 ほらね。ちゃんと余りは 1 になってます。
 え? 偶然じゃないの? それならもう1つ試してみましょう。

【問題 03】

 (1) 28×28 = 784 を 3 で割って商と余りを求めてください。
 (2) 28×28 = 784 を 4 で割って商と余りを求めてください。

【問題 03】の解答

784 ÷ 3 = 261 ・・・ 1
784 ÷ 4 = 196 ・・・ 0

 どうです? 3 で割ったら余りは 1 だし、4 で割り切れてます。
 ええ!? まだ疑うんですか? そうですね。実は数学ではそういう「疑り深い心」が大切なんです(こう書くと数学やってる人が性格悪いみたいに思われてしまいますけど ......)。きちんと全ての平方数にたいして成り立つことを確認しないと本当の「証明」とはいえません。でもその証明法は今の段階ではまだ難しいので、今回のところは「疑わしいけど、まあ一応信じておいてやるか」ぐらいに思っておいてください。

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