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全微分(二変数関数の微小変化)

二変数関数の微小変化

$z=f(x,y)=x^2+y^2$ において、変数 $(x,\:y)$ を点 $(1,\:1)$ から $(1.1,\:1.1)$ まで変化させたときに、$z$ がどの程度変化するのか計算してみます。
 \[\begin{align*}f(1.1,\:1.1)-f(1,\:1)&=(1+0.1)^2+(1+0.1)^2-2\\[6pt]&=1+0.2+(0.1)^2+1+0.2+(0.1)^2-2\end{align*}\]
ここで $(0.1)^2=0.01$ はとても小さな数なので無視すると
 \[f(1.1,\:1.1)-f(1,\:1)=2.2-2=0.2\]
と計算できます。もう少し一般化して曲面上の任意の点 $(x,\:y,\:z)$ から $x$ と $y$ を少しだけ動かしたときに $z$ がどのように変化するのか調べてみます。
 \[\begin{align*}\Delta z&=(x+\Delta x)^2+(y+\Delta y)^2-x^2-y^2\\[6pt]&=x^2+2x\Delta x+(\Delta x)^2+y^2+2y\Delta y+(\Delta y)^2-x^2-y^2\\[6pt]&=2x\Delta x+2y\Delta y+(\Delta x)^2+(\Delta y)^2\end{align*}\]
ここで $(\Delta x)^2,\:(\Delta y)^2$ は小さな数なので無視することにします。また
 \[2x=\frac{\partial f}{\partial x},\quad 2y=\frac{\partial f}{\partial y}\]
であることを使うと
 \[\Delta z=\frac{\partial f}{\partial x}\Delta x+\frac{\partial f}{\partial y}\Delta y\]
と表すことができます。$\Delta x,\:\Delta y,\:\Delta z$ を極限まで小さくして $dx,\:dx\:dz$ で表すと
 \[dz=\frac{\partial f}{\partial x}dx+\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
となります。これを $z$ の全微分とよびます。一般的な関数についての全微分については以下で解説します。

全微分

ある関数 $f(x)$ のテイラー展開において、$x-a$ の 2 次以上の項を $o(x-a)$ と書くと ($o$ はランダウの記号)、
 \[f(x)=f(a)+f'(a)(x-a)+o(x-a)\]
と書くことができます。$x$ を $x+\Delta x$, $a$ を $x$ に置き換えると
 \[f(x+\Delta x)=f(x)+f'(x)\Delta x+o(\Delta x)\]
となります。これを踏まえて ($x,\:y$ で偏微分可能な) 2 変数関数について、曲面上の任意の点 $(x,\:y,\:z)$ から $x$ と $y$ を $x+dx,\:y+dy$ だけ変化させたときの $z$ の変化を計算してみます。
 \[\begin{align*}\Delta z&=f(x+\Delta x,y+\Delta y)-f(x,y)\\[6pt]&=f(x+\Delta x,y+\Delta y)-f(x,y+\Delta y)+f(x,y+\Delta y-f(x,y)\\[6pt]&=f_x(x,y+\Delta y)\Delta x+o(\Delta x)+f_y(x,y)\Delta y+o(\Delta y)\end{align*}\]
となります。ここで $f_x$ が連続であるとき
 \[f_x(x,y+\Delta y)=f_x(x,y)+\varepsilon\]
と書くことができます。ただし $y\rightarrow 0$ のとき $\varepsilon \rightarrow 0$ です。すると
 \[\Delta z=\frac{\partial f}{\partial x}\Delta x+\frac{\partial f}{\partial y}\Delta y+\varepsilon\Delta x+o(\Delta )+o(\Delta y)\]
と書けます。$\Delta x,\:\Delta y\rightarrow 0$ にしたときに二次以上の微小量 ($\varepsilon\Delta x$ も含みます)を無視すると
 \[dz=\frac{\partial f}{\partial x}dx+\frac{\partial f}{\partial y}dy\]
と書くことができます。$dz$ を点 $(x,\:y)$ における全微分とよびます。

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