文字で表された数字の足し算と引き算



≫『大学への数学』最新号
≫ 挑戦問題 PS-19 が入りました。

 「学び直しの算数・数学講座」では、もうしばらくは掛け算などを主体とした算数の範囲を扱うのですが、ある種の掛け算の規則を説明するためにどうしても必要となるので、しばらくは文字式の扱い方を学んでおきます。「文字式ぐらい中学で習ったよ。この記事は飛ばしちゃおう」と思う方もおられるかもしれませんが、中学校で習う説明より少し詳しい解説をするので、できれば読んでおいてください。
 

同じ数は同じ文字で表します

 10 の倍数同士の足し算は

50 + 20 = (5 + 2) × 10 = 70

と 10 を単位として計算できるように、a の倍数同士の足し算も

5 a + 2 a = 7 a

とまとめて書くことができます。この a は整数でも、小数や分数であっても構いません。あるいはずっと先で習う無理数や複素数といった数でも同じ規則で表すことができます。 a の前にかかる数のことを a の係数と呼びます。引き算も普通の数同士の引き算と同じように、

9 a - 3 a = 6a

のように書くことができます。次のように同じ文字が 1 つの式に含まれる場合は

3 a + 7 a + 9 a = (3 + 7 + 9) a = 19 a

とまとめることができます。練習問題を解いて慣れておきましょう。

問題① 次の式を簡単にしてください。

(1) a / 2 + a / 3
(2) 2 a - 0.8 a + 2 a / 5

問題①の解答

(1) a / 2 + a / 3 = 3 a / 6 + 2 a / 6 = 5 a / 6
(2) 2 a - 0.8 a + 2 a / 5 = 1.2 a + 2 a / 5 = 6 a / 5 + 2 a / 5 = 8 a / 5
 

互いの関係が不明な数は別々の文字で表します

 a, b ともに自由に値がとれるような足し算は

a + b

と表すしかなく、これ以上はどうすることもできません。このまま止めておきます。「んん? 要するに違う数同士の足し算でしょー? 何で "互いの関係が不明な数" なんてムズカシイ言い回しをするのー?」と疑問に思われるかもしれませんが、必ずしも違う数同士とは限りません。別に a と b が同じ数でも構わないので、こういう妙な言い回しで説明するしかないのです。ちょっと難しいのですが、たとえば a, b ともに整数という条件を付けて

a + b = 2

という方程式を考えてみます。「足して 2 になる数は何ですか?」という問題です。「そんなの簡単! a も b も 1 でしょー!」と早とちりしないように。

3 +(-1)= 2, 5 + (-3) = 2

が成り立ちますから、a = 3, b = -1 あるいは a = 5, b = -3 という答えも存在するのです。こういう答えがたくさんある方程式のことを「不定方程式」といって、大学入試などで出されると「ひゃああ! 出たあ!」と叫びたくなるような難解な分野の1つです。
 

同じ文字同士はまとめてすっきりさせます

 たとえば計算過程で

2 a + 3 a + b + 5 b + 1

というような式があったとします。このままで間違いというわけではないのですが、放置しておくとこの答案を見た人に「ちょー片付けの下手な人」だと思われてしまいます。同じ文字同士はまとめて整理整頓しておきましょう。

2 a + 3 a + b + 5 b + 1 = 5 a + 6 b + 1

 こういうふうに整えておけば、「わあ。この人、収納達人だねー」と感心されます。というわけで最後に練習問題。

問題② 次の式を簡単にしてください。

(1) 4 m + n + m / 3 + n / 2
(2) 7 x + 4 y + z + 2 x + 0.2 z

問題②の解答

(1) 4 m + n + m / 3 + n / 2 = 13 m / 3 + 3 n / 2
(2) 7 x + 4 y + z + 2 x + 0.2 z = 9 x + 4 y + 1.2 z

スポンサーリンク
スポンサーリンク
末尾広告
末尾広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください