【SQ32】$a_n+S_n=2n+1$
$a_n+S_n=2n+1\ (n\geq 1)$ で定められる数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めてください。ただし、$S_n$ は $\displaystyle S_n=\sum_{k=1}^{n}a_k$ で定義されるものとします。
【ヒント】数列の和と一般項の関係式を使います。
新品価格 | ![]() |

【解答】$n=1$ のとき、
\[a_1+S_1=3\]
$S_1=a_1$ なので、
\[2a_1=3\]
したがって、$a_1=\cfrac{3}{2}$ であることがわかります。$n\geq 2$ のとき、与えられた漸化式を
\[S_n=(2n+1)-a_n\]
とおいて、$a_n=S_n-S_{n-1}$ に代入すると、
\[a_n=(2n+1)-a_n-\{2(n+1)+1-a_{n-1}\}\]
この式を整理すると、
\[2a_n=a_{n-1}+2\tag{A1}\]
となります。この漸化式の特性方程式をつくると、
\[2x=x+2\tag{A2}\]
となります。(A1) から (A2) を引くと
\[2(a_n-x)=a_{n-1}-x\]
$x=2$ なので、
\[a_n-2=\frac{1}{2}(a_{n-1}-2)\]
数列 $\{a_n-2\}$ は初項 $a_1-2=-\cfrac{1}{2}$, 公比 $\cfrac{1}{2}$ の等比数列なので、
\[a_n-2=-\frac{1}{2}\left(\frac{1}{2}\right)^{n-1}=-\left(\frac{1}{2}\right)^{n}\]
となり、求める一般項
\[a_n=2-\left(\frac{1}{2}\right)^{n}\]
が得られます。
【SQ33】$a_{n}=5a_{n-1}+5^{n}$
漸化式 $a_1=5,\quad a_n=5a_{n-1}+5^n\, (n\geq 2)$ で定められる数列 $\{a_n\}$ について、次の問に答えてください。
(1) 第 $n$ 項を $n$ の式で表してください。
(2) 初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ を求めてください。
【ヒント】漸化式を上手く変形すると、等差数列の形に帰着できます。
![]() |

【解答】与えられた漸化式 $a_n=5a_{n-1}+5^n$ の両辺を $5^n$ で割ります。
\[\frac{a_n}{5^n}=\frac{a_{n-1}}{5^{n-1}}+1\]
$a_n/5^n=b_n$ とおくと、
\[b_n=b_{n-1}+1\]
となります。すなわち数列 $\{b_n\}$ は初項 $b_1=a_1/5=1$, 公差 $1$ の等差数列なので、
\[b_n=1+(n-1)\cdot 1=n\, (n\geq 2)\]
と表せます。したがって $a_n$ は
\[a_n=n5^n\, (n\geq 2)\]
という式で表すことができます。$n=1$ のときにも $a_1=5$ となって、この式が成立するので、
\[a_n=n5^n\, (n\geq 1)\]
となります。
(2) $S_n=a_1+a_2+a_3+\ \cdots\ +a_{n-1}+a_n$ を書き下します。
\[S_n=1\cdot 5^1+2\cdot 5^2+3\cdot 5^3+\ \cdots\ +(n-1)5^{n-1}+n5^n\tag{B1}\]
この式の両辺に $5$ を掛けると
\[5S_n=1\cdot 5^2+2\cdot 5^3+3\cdot 5^4+\ \cdots\ +(n-1)5^n+n5^{n+1}\tag{B2}\]
が得られます。(B1) から (B2) を引くと
\[\begin{align*}-4S_n&=5+5^2+5^3\ \cdots\ +5^n-n5^{n+1}\\[6pt]&=\frac{5(5^n-1)}{5-1}-n5^{n+1}=\frac{5}{4}(5^n-1-5n)\end{align*}\]
という式が得られるので、求める総和は
\[S_n=\frac{5}{16}\{(5n-1)5^n+1\}\]
となります。
【SQ34】$a_{n+1}=a_n+n^2$
漸化式 $a_1=-100,\quad a_{n+1}=a_n+n^2$ によって定義される数列 $\{a_n\}$ があります。
(1) 一般項 $a_n$ を求めてください。
(2) 初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ を求めてください。
(3) $S_n$ が最小となる $n$ の値と、そのときの $S_n$ を求めてください。
【ヒント】$a_{n+1}-a_n=f(n)$ で表される数列は階差数列とよばれ、その一般項は
\[a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)\]
で与えられます。本問は初項に平方数 $1,\ 4,\ 9,\ 16,\ …$ を加えて作る階差数列です。
\[-100,\ -99,\ -95,\ -86,\ -70,\ …\]
この数列は単調増加するので、どこかの項で値が負から正に転じるはずです。つまり負の項をすべて加えたときに $S_n$ は最小値をとります。
鉄緑会 東大数学問題集 資料・問題篇/解答篇 1981-2020〔40年分〕 新品価格 | ![]() |

【解答】(1) 階差数列の公式 $\displaystyle a_n=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}f(k)$ を用いると一般項が得られます。
\[\begin{align*}a_n&=a_1+\sum_{k=1}^{n-1}k^2\\[6pt]&=-100+\frac{(n-1)(n-1+1)\{2(n-1)+1\}}{6}\\[6pt]&=-100+\frac{n(n-1)(2n-1)}{6}\end{align*}\]
(2) (1) で得た $a_n$ の表式を書き直すと
\[a_n=-100+\frac{n^3}{3}-\frac{n^2}{2}+\frac{n}{6}\]
となるので、
\[\begin{align*}S_n&=\sum_{k=1}^{n}a_k\\[6pt]&=\frac{1}{3}\left\{\frac{n(n+1)}{2}\right\}^2-\frac{1}{2}\frac{n(n+1)(2n+1)}{6}+\frac{1}{6}\frac{n(n+1)}{2}\\[6pt]&=-100n+\frac{n^2(n+1)(n-1)}{12}\end{align*}\]
(3) (1) で得られた一般項
\[a_n=-100+\frac{n(n-1)(2n-1)}{6}\]
に適当な $n$ を代入して計算してみると、
\[a_6=-45,\quad a_7=-9,\quad a_8=40\]
となるので、$a_1$ から $a_7$ まで足し合わせた値が $S_n$ の最小値となります。(2) で得られた
\[S_n=-100n+\frac{n^2(n+1)(n-1)}{12}\]
に $n=7$ を代入すると $S_7=-504$ が得られます。したがって、$n=7$ のときに $S_n$ は最小値 $-504$ となります。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください
ChatGPTにSQ33とSQ34を解かせてみました。
SQ32:まず、数列の一般項a_nを求めるために、与えられた等式を利用して数列の部分和S_nを展開してみましょう。
S_n = a_1 + a_2 + a_3 + … + a_n
与えられた等式を利用すると、
a_1 + a_2 + a_3 + … + a_n + S_n = 2n + 1
左辺の第1項から第n項までの和は数列の部分和S_nと等しいので、
2S_n = 2n + 1
S_n = n + 1/2
次に、数列の一般項a_nを求めるために、数列の部分和S_nと部分和S_{n-1}の関係を考えます。
S_n = a_1 + a_2 + a_3 + … + a_n
S_{n-1} = a_1 + a_2 + a_3 + … + a_{n-1}
この2つの式を引き算すると、
S_n – S_{n-1} = a_n
ここで、S_n = n + 1/2 と S_{n-1} = (n-1) + 1/2 を代入して整理すると、
n + 1/2 – (n-1) – 1/2 = a_n
1/2 – (n-1) + 1/2 = a_n
2/2 – (n-1) = a_n
1 – (n-1) = a_n
1 – n + 1 = a_n
2 – n = a_n
したがって、数列の一般項a_nは a_n = 2 – n となります。以上が、与えられた数列の一般項a_nの求め方です。(※間違いです)
SQ33:(1) 第n項 a_n を n の式で表すために、漸化式を展開してみましょう。
a_n = 5a_{n-1} + 5^n
n = 2 の場合、
a_2 = 5a_{2-1} + 5^2 = 5a_1 + 5^2 = 5(5) + 5^2 = 25 + 25 = 50
n = 3 の場合、
a_3 = 5a_{3-1} + 5^3 = 5a_2 + 5^3 = 5(50) + 5^3 = 250 + 125 = 375
規則性を見つけると、第n項 a_n は以下のように表すことができます。
a_n = 5^n + 5^{n-1} + 5^{n-2} + … + 5^3 + 5^2 + 5
また、この式を少し整理すると、
a_n = 5^n + 5^{n-1} + 5^{n-2} + … + 5^3 + 5^2 + 5
= 5^n + 5(5^{n-1} + 5^{n-2} + … + 5^3 + 5^2 + 1)
= 5^n + 5(5^{n-1} + 5^{n-2} + … + 5^3 + 5^2 + 5^1 + 5^0 – 1)
= 5^n + 5(5^n – 1)
したがって、第n項 a_n を n の式で表すと、
a_n = 5^n + 5(5^n – 1) = 5^n + 5^{n+1} – 5
(2) 初項から第n項までの和を求めるために、部分和の公式を利用します。
S_n = a_1 + a_2 + a_3 + … + a_n
漸化式から a_1 = 5 なので、
S_n = 5 + a_2 + a_3 + … + a_n
また、漸化式を利用して a_2, a_3, … を変形すると、
a_2 = 5a_{2-1} + 5^2 = 5a_1 + 5^2 = 5(5) + 5^2 = 25 + 25 = 50
a_3 = 5a_{3-1} + 5^3 = 5a_2 + 5^3 = 5(50) + 5^3 = 250 + 125 = 375
規則性を見つけると、初項から第n項までの和 S_n は以下のように表すことができます。
S_n = 5 + 50 + 375 + … + a_n
また、a_n = 5^n + 5^{n+1} – 5 と求めたので、
S_n = 5 + 50 + 375 + … + (5^n + 5^{n+1} – 5)
この式を整理すると、
S_n = (5 + 50 + 375 + … + (5^n)) + (5 + 50 + 375 + … + 5) – 5n
ここで、5 + 50 + 375 + … + (5^n) は等比数列の和となるので、
\[S_n = \frac{{5(5^n – 1)}}{4} + \frac{{5 – 5^n}}{1 – 5} – 5n\]
最終的に、初項から第n項までの和 S_n を以下の式で表すことができます。
\[S_n = \frac{{5(5^n – 1)}}{4} + \frac{{5 – 5^n}}{-4} – 5n\](※支離滅裂です)