当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。

原点に引いた接線が互いに直交するように係数を定めます

【CL04】接線が互いに直交するような係数

2つの関数 $f(x),\;g(x)$ が次のような性質をもつものとします。
[1] $f(x),\:g(x)$ は $x=0$ において微分可能です。
[2] $f(0)=g(0)=0$
[3] $y=f(x)$ および $y=g(x)$ の原点に引いた接線は互いに直交します。
[4] 実数 $a,\:b,\:c$ を適当にとると
\[f'(0)=\lim_{x\rightarrow 0}\frac{ax+bf(x)}{cx+f(x)},\quad g'(0)=\lim_{x\rightarrow 0}\frac{ax+bg(x)}{cx+g(x)}\]が成り立ちます。このような条件を全てみたすように $a$ の値を定めてください。(東大)
 
【ヒント】微分がどのように定義されていたのかを思い出しましょう。

最高水準問題集 高校入試 数学

新品価格
¥1,210から
(2022/7/14 21:08時点)


【解答】微分の定義にしたがうと、\(x=0\) における \(f(x)\) の微分係数 \(f(0)\) は
 \[f'(0)=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(0+h)-f(0)}{h}\]
と書くことができます。ここで [2] より \(f(0)=0\) なので
 \[f'(0)=\lim_{h\rightarrow 0}\frac{f(h)}{h}\]
となります。すると性質 [4] の式は
 \[\lim_{x\rightarrow 0}\frac{a+b\,\cfrac{f(x)}{x}}{c+\cfrac{f(x)}{x}}=\frac{a+bf'(0)}{c+f'(0)}\]
と表せます。これを $f'(0)$ について解くと
 \[\{f'(0)\}^2+(c-b)f'(0)-a=0\]
となります。$g'(0)$ についても同じようにして
 \[\{g'(0)\}^2+(c-b)g'(0)-a=0\]
が得られるので $f'(0),\;g'(0)$ は二次方程式
 \[t^2+(c-b)t-a=0\]
の解ということになります。すると、解と係数の関係より
 \[f'(0)\,g'(0)=-a\]
という関係式が得られます。性質 [3] によると原点で接線が直交するので、その傾きの積は $-1$ となりますね。
 \[f'(0)\,g'(0)=-1\]
よって $a=1$ と定まります。

エクセルや数学に関するコメントをお寄せください