増加率が 1/√x に反比例する長周期関数
√x を変数にもつ三角関数を扱います。定義域は 0 ≦ x です。
まずは cos(√x) と sin(√x) のグラフを描いてみましょう。
ゆったりとした長周期関数です。
x ≒ 40 あたりでようやく 1 周していますね。しかも x が増していくとその周期はさらに大きくなっていきます。その理由は √x は x が大きくなるほど x の増分に対する変化率が小さくなるからです。 √x を微分すると
(√x)' = 1/[2√x]
ですから、増加率は 1/√x に比例して小さくなっていく ことがわかります。
f(x) = sinx + cos(√x)
cos(√x) に sinx を加えてみます。
波が入れ子になっていますね。
sinx による短周期の波を cos(√x) の長周期の波が振動させています。
束の中に入る波の数
cos(√x) に sinx を掛けてみます。
一定区間ごとに波が束ねられています。 cos(√x) の周期長期化の影響によって、x が大きいほど1束の中に入る波の数は増えていきます。
f(x) = sin2x cos(√x)
cos(√x) に sin2x を掛けてます。
sin2x は常に正ですから、関数の正負を決定するのは長周期関数 cos(√x) ということになります。つまり符号が入れ替わるまでの区間が少しずつ伸びていくということです。
1 + cosx の平方根
三角関数の平方根をとってみます。
\[f(x)=\sqrt{1 + cosx}\]
cosx に 1 を加えることで √ の中身は常に 0 以上となり、連続関数として定義することができます。
青い点線は y = cosx のグラフです。 y = f(x) が y = cosx と同じ点で極値をとることは明らかですが、念のために確認してみましょう。
\[\left ( \sqrt{f(x)} \right )’=\frac{f'(x)}{2\sqrt{f(x)}}\]
を使って微分すると
\[f'(x)=-\frac{sinx}{2\sqrt{1+cosx}}\]
となりますから、f'(x) = 0 とおくと
sinx = 0
の解が極値をとる点です。しかし
x = nπ (n = ±1, ±2, ...)
とするわけにはいきません。 f'(x) は x = (2k + 1)π では定義できない点なので、その点を省いて
x = 2nπ (n = 0, ±1, ±2, ...)
が解となり、極大値 f(0) = √2 をとることになります。
グラフでも x = (2k + 1)π において f(x) が滑らかではないこと、すなわち微分不可能な点であることがわかりますね。しかし滑らかでなくても
x = (2k + 1)π (k = 0, ±1, ±2, ...)
において極小値であることは明らかです。結局のところ、 y = f(x) は y = cosx と同じ点で極値をとります。このように、ある点で微分が定義できなくても極値が存在する例もあるのです。
無理関数に沿って波打つ関数
今度は次のような関数を定義します:
\[f(x)=\sqrt{1+\left | x \right |+cosx}\]
グラフを描いてみましょう。
青い点線で描かれた y = sqrt(x + 1) に沿って波打つ関数ですが、やはり原点で滑らかではありません(連続ではあります)。しかし原点でこの関数が最小値をとることは明らかです。 ≫ Excel 数学グラフ
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