次数 n についての特別な条件/2 重根号

 

[AG-27] 次数 n についての特別な条件が現れます

 n 次の多項式
\[f(x)=4x^n-nx^2-4n^2+n^3\]が \(x^2-1\) を因数にもつとき、n の値を求めてください。(大阪府立大)
 

AG-27 のヒント

 因数定理を使った問題です。 n について2つの式を得られますが、そこから n についての 特別な条件 が現れるので見逃さないようにしてください。
 

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AG-27 の解答

 \(x^2-1\) を因数にもつと言っているのですから、素直に f(x) に x = ±1 を代入して 0 とおいてみます。
 
\[\begin{align*}f(-1)=&\:4\:(-1)^n-n-4n^2+n^3=0 \qquad &[1]\\[6pt]
f(1)=&\:4-n-4n^2+n^3=0 \qquad &[2]\end{align*}\]
 [1] から [2] を引いて少し整理すると
 
\[(-1)^n=1\]
という式が現れます。つまり n は偶数であるということです。これが大切な条件で、一番最後に n の候補を絞り込むときに使います。 [2] より
 
\[g(n)=4-n-4n^2+n^3 \qquad [3]\]
とおくと g(1) = 0 は明らかです。ここで g(n) を n - 1 で割り算してもよいのですが、
 
\[g(n)=(n-1)(n^2+an+b)\]
とおいたほうが簡単です。右辺をじっと見ると展開したときに x2 の係数が a - 1, 定数項が - b とすぐにわかりますから、 [3] 式と係数を比較すると
 
\[a=-3,\quad b=-4\]
を直ちに得ることができます。よって
 
\[g(n)=(n-1)(n+1)(n-4)\]
と因数分解できて、 n = ±1, 4 が g(n) = 0 の解となりますが、 n は偶数であるという条件を先に得ているので答えは \(n=4\) となります。
 
 

[AG-28] 2 重根号が並んでいます

 次の式を計算してください。

\[\frac{\sqrt{10+\sqrt{1}}+\sqrt{10+\sqrt{2}}+\: \cdots \:+ \sqrt{10+\sqrt{99}}}{\sqrt{10-\sqrt{1}}+\sqrt{10-\sqrt{2}}+\: \cdots \:+ \sqrt{10-\sqrt{99}}}\]

(日本数学オリンピック予選)

 

AG-28 のヒント

 日本数学オリンピックと聞くと、思わず身構えてしまうかもしれませんが、予選は意外と基本的でやさしい問題が多いのです(本選はシャレにならないほど難しい)。 分子と分母の 2 重根号を見ていると、とりあえずやってみたいことがありますね。そのあとある部分に着目すると「あ! できた!」て感じで、びっくりするほどあっさり解けてしまいます。計算量も本当に少ないですよ。
 

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[内容:新カリキュラム「整数の性質」に沿った問題集です。ディオファントス方程式や合同式、部屋割り論法などについても解説があります。1つ1つの問題について、たくさんのページを割いて考え方と解答を載せています]

 

AG-28 の解答

 とりあえず分子を $A$ , 分母を $B$ とおいてΣ記号で書き表してみると
 
\[A=\sum_{k=1}^{99}\sqrt{10+\sqrt{k}},\quad B=\sum_{k=1}^{99}\sqrt{10-\sqrt{k}}\]
のようになります。こういうのを見たら「 $\sqrt{10+\sqrt{k}}$ と $\sqrt{10-\sqrt{k}}$ を加えて平方して式でも作ってみようかな」と考えます。数学の問題では(特に本問のようなパズル的要素の強い問題では)先が見通せないことも多いので、「とりあえず何かやってみる」ことも大切なのです。とにかく試してみると
 
\[\left(\sqrt{10+\sqrt{k}}+\sqrt{10-\sqrt{k}}\right)^2=2(10-\sqrt{100-k})\]
となるので、両辺の平方根をとると
 
\[\sqrt{10+\sqrt{k}}+\sqrt{10-\sqrt{k}}=\sqrt{2}\sqrt{10-\sqrt{100-k}}\]
 おおっと! 右辺に面白い形が現れましたね!
 両辺の和をとると左辺は $A+B$ になりますね。そして右辺は
 
\[\sqrt{2} \left( \sqrt{100-\sqrt{99}}+\sqrt{100-\sqrt{98}}+\sqrt{100-\sqrt{97}}+ \: \cdots \right)\]
となって、( ) の中は順番が逆になっているだけで分子と全く同じです。ですから
 
\[A+B=\sqrt{2}A\]
という実に簡単な式が得られます。これを変形して
 
\[\frac{A}{B}=\sqrt{2}+1\]
となります。
 
 

[AG-29] 三辺の長さの和が一定である三角形の最大面積

 三辺の長さの和が $2a$ であるような三角形のうち、面積が最大となるのはどのような三角形ですか。また、そのときの三角形の面積を $a$ を用いて表してください。
 

AG-29 のヒント(あの公式を使うのです)

 辺の長さで表された三角形の面積 といえば「あの公式」です。
 

ふたたびの高校数学


 

AG-29 の解答(ヘロンの公式を用います)

 図のような三角形 ABC を考えます。

 三辺の長さの和が一定のとき面積最大となる三角形

 辺 BC, CA, AB の長さをそれぞれ $x,\;y,\;z$ とし
 
\[2a=x+y+z\]
とおくと、面積 $S$ はヘロンの公式
 
\[S=\sqrt{a\,(a-x)\,(a-y)\,(a-z)}\tag{1}\]
によって表されます。$(a-x)\,(a-y)\,(a-z)$ について 3 数の相加相乗平均の関係を用いると
 
\[\{(a-x)\,(a-y)\,(a-z)\}^{1/3}\leq\{\frac{(a-x)+(a-y)+(a-z)}{3}\}\]
となります。右辺に $x+y+z=2a$ を代入して整理すると
 
\[\{(a-x)\,(a-y)\,(a-z)\}^{1/3}\leq\frac{a}{3}\]
 両辺を 3 乗して
 
\[(a-x)\,(a-y)\,(a-z)\leq\frac{a^3}{27}\]
 これを (1) に代入すると
 
\[S\leq\sqrt{\frac{a^4}{27}}=\frac{a^2}{3\,\sqrt{3}}=\frac{\sqrt{3}\,a^2}{9}\]
 等号成立は
 
\[a-x=a-y=a-z\]
のとき、すなわち $x=y=z$ のときなので、正三角形のときに最大面積
 
\[S=\frac{\sqrt{3}\,a^2}{9}\]
をもつことになります。 ≫ 代数学問題集

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