約数和と完全数、友愛数

約数の和

 約数関数 $\displaystyle\sigma_k(n)=\sum_{d|n}d^{\,k}$ において $k=1$ とすると
 
\[\sigma_1(n)=\sum_{d|n}d=d_1+d_2+\cdots\]
となり、これは 約数の和 を表す式です。たとえば $n=10$ の約数を並べると
 
\[\{\:1,\;2,\;5,\;10\:\}\]
なので、その総和は
 
\[\sigma_1(n)=1+2+5+10=18\]
となります。もっと大きな数になると約数を全部並べるのは大変なので、素因数分解を利用して総和を求めます。仮に $n$ がある1つの素数 $p$ のべき乗 $n=p^a\;(a\in\mathbb{Z})$ で表されるとき、その約数は
 
\[\{\:1,\;p,\;p^2,\;\cdots,\;p^a\:\}\]
の $a+1$ 個となるので、その総和は等比級数の公式を用いて
 
\[\sigma_1(p^a)=1+p+p^2+\cdots+p^a=\frac{p^{\,a+1}-1}{p-1}\]
というように求められます。

[定理 D4] 自然数 $n$ が $p_1^{\,a_1}\,p_2^{\,a_2}\,\cdots$ のように素因数分解されるとき、その約数の総和は
\[\sigma_1(n)=\frac{p_1^{\,a_1+1}-1}{p_1-1}\,\frac{p_2^{\,a_2+1}-1}{p_2-1}\cdots\]で与えられます。

[定理 D4 の証明] 約数関数は 乗法的関数 なので、
 
\[\sigma_1(ab)=\sigma_1(a)\sigma_1(b)\]
が成り立ちます。よって
\[\sigma_1(n)=\sigma_1(p_1^{\,a_1})\,\sigma_1(p_2^{\,a_2})\,\cdots=\frac{p_1^{\,a_1+1}-1}{p_1-1}\,\frac{p_2^{\,a_2+1}-1}{p_2-1}\cdots\]
となります。(証明終)
 

完全数と友愛数

 上の公式を $28$ という数字に適用してみます。$28=2^2\,7^1$ なので、$28$ の約数の総和は
 
\[\sigma_1(28)=\frac{2^3-1}{2-1}\,\frac{7^2-1}{7-1}=56\]
となります。この値から自身の数 $28$ を引くと $28$ となって、ちょうど自身に等しい値となります。一般に「自身を除いた約数の和が自身に等しくなるような数」のことを 完全数 とよびます。その定義を約数関数を用いて表すと
 
\[n=\sigma_1(n)-n\quad\Longleftrightarrow\quad \sigma_1(n)=2n\]
となります。また「自身を除いた約数の和が互いに等しくなる数」、すなわち
 
\[\begin{cases}&\sigma_1(a)-a=b\\[6pt]
&\sigma_1(b)-b=a\end{cases}\]
が成り立つような 2 数のことを 友愛数(親和数) とよびます。上の定義から $\sigma_1(a)=\sigma_1(b)$ が成り立つので、友愛数とは $\sigma_1(n)$ が互いに等しくなるような $n$ と言い換えることもできます。その具体例については 演習問題 のほうに載っているので興味のある方は解いてみてください。

 ≫ 約数の 2 乗和 ≫ 初等整数論入門講座

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