2 つの円軌道を重ね合わせます
次のような関数を考えてみます。
x(t) = cost + a cos(t2), y(t) = sint + b sin(t2)
a = b のときは、下図のように円周上にあるベクトルを起点として、もう 1 つの円を描く軌跡となります(a ≠ b なら楕円)。
ただし、1 つめの円の位相角 t に対して 2 つめの円が位相角 t2 となるように関連づけられています。
a = b = 0.1
a = b = 0.1 としたグラフを描いてみます。
ほぼ予想通りといってよいかもしれませんね。全体的に大きな円を描きながら、小さな円の軌跡も見られます。t が小さいところでは、 t2 のほうがより小さくなるので、描き始めのところ (t ≒ 0) では、小さな円の効果は cos 0 = 1 が x 軸正方向に効くように働きます。なので第 1 象限においては半径 1 より少し(≒ + 0.1)大きな楕円とみなすことができます。
a = b = 0.5
a = b = 0.5 としてみると ……
大きな円と小さな円の半径の比率が 2:1 です。
小さな円の軌跡がはっきりと表れていますね。
大きく周りながら、小さくも周っているのです。
a = 0.4, b = 0.1
a と b の値を異なるものにしてみます。
半径 1 の円を描きながら、長径 a = 0.4, 短径 b = 0.1 という小さな楕円を描いています。 2 つの軌跡を合わせてみると、何だか妙なグラフになりますね。
a = b = 2.0
円の大きさを逆転させます。
半径 1 の円に加えて半径 2 の円軌道を重ねています。全体としてほぼ半径 3 の円の内側に、たくさんの円(のような)軌道を描きだしていますね。
円と他の運動を重ね合わせます
方程式をもう少し一般化して、
x(t) = cost + f(t), y(t) = sint + g(t)
としてみます。これは全体として円を描きながらも、何か他の動きもしているという方程式です。前回は円と円、円と楕円の組合せを見ましたが、今回は f(t), g(t) にもっと色々な関数を試してみます。
楕円のような曲線を描きます
f(t), g(t) を次のように定めます。
f(t) = 0.1 sint, g(t) = 0.1 t cost
0 ≦ t ≦ 8π としてグラフを描いてみると
青い矢印は動点の動く方向です。少しずつ細くなりながら傾いてゆく楕円のような曲線を描いていますね。
遠くから巻きつきます
1 / t という因子を組み込んでみます。
f(t) = sint / t, g(t) = cost / t
x(t), y(t) のグラフを描くと
遠くから動点がやってきて、巻きつくように円に近い軌道を描きます。
t → 0 で x(t), y(t) → ∞ ですから、軌跡の端点は無限の彼方にあります。
また、t → ∞ で f(t), g(t) → 0 なので、最終的には真円に収束します。
円が重なり合っていきます
今度は対数関数を組み込んで
f(t) = 0.2 logt, g(t) = 0.2 logt
としてみます。
f(t) = g(t) ですから、仮に x = f(t), y = g(t) というグラフを描くと、それは直線になるわけです。それを円軌道と組み合わせると、少しずつ右上にずれる円として表現されます。ただし logt ですから、そのずれかたは少しずつ小さくなっていきます。媒介変数の範囲を 0 ≦ t ≦ 16π まで拡大してみると ……
t の増加に伴って、ずれが小さくなって円が次々と重なり合っていく様子がわかりますね。ただし logt は収束関数ではないので、この円の位置も収束はしません。非常にゆっくりとではありますが、t → ∞ で右上の彼方へ去って行きます。
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