【AG07】2 本の直線と y 軸がつくる三角形の面積
2 本の直線 $f(x)=ax+1$ と $g(x)=-\cfrac{x}{a}\ (a\gt 0)$、および $y$ 軸によって囲まれる三角形の面積 $S(a)$ を求めて、$a$ と $S(a)$ の関係を図示してください。
【ヒント】数学ⅠA の範囲で考えると $S(a)$ の描き方が少し難しいと感じるかもしれませんが、いくつか具体的な値を入れて曲線で結ぶようにしてください。
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【解答】まずは $f(x) = g(x)$ とおいて交点の $x$ 座標を求めると ($y$ 座標は必要ありません)、
\[x=-\frac{a}{a^2+1}\]
が得られます。ここでグラフを描いてみると次のようになります。
$a\gt 0 $ですから、交点は必ず負となります。なので図より交点の $x$ 座標の符号を反転したものが、そのまま求める三角形の高さになります。よって三角形の面積は
\[S(a)=\frac{a}{2(a^2+1)}\]
となります。難しいのはこれをグラフに描くことで、微積分の知識があれば $S(a)$ を $a$ で微分して増減表を書けばよいのですが、ここでは微積分を使わずにグラフを描いてみようと思います。まず $a$ に具体的な値を入れていくと
\[S(1/2) = 1/5,\ S(1) = 1/4,\ S(2) = 1/5,\ S(3) = 3/20, …\]
となって、$a = 1$ あたりにピーク(最大値)が1つあって、あとは減少し続ける関数であることがわかります。そこでこの最大値を正確に求めるために、まず $S(a)$ の分母と分子を $a$ で割ってみます。
\[S(a)=\frac{1}{2(a+\cfrac{1}{a})}\]
分子が最小のときに $S(a)$ は最大となります。相加相乗平均の関係式より
\[2\sqrt{a \cdot \frac{1}{a}} \leq a+\frac{1}{a} \: \: \: \therefore 2 \leq a+\frac{1}{a}\]
等号成立のとき最小値となるので、$a = \cfrac{1}{a}$ のとき、すなわち $a = 1$ のときに $S(a)$ が最大値 $\cfrac{1}{4}$ をとることがわかります。よってグラフは次のようになります。
【AG08】連立方程式の自然数解
自然数 $x,\ y,\ z$ に関する連立方程式
\[\begin{align*}&x-3y+2z=1\\&2x+y-z=1\end{align*}\]について、$x + y + z$ を最小にする解を求めてください。
【ヒント】未知数をこまめに消去していっても解けますが、面倒だと思われる場合は クラメルの公式 を使ってください。
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【解答】まずは $z$ を右側に移項しておきます。
\[\begin{align*}x-3y&=-2z+1\\2x+y&=z+1\end{align*}\]
クラメルの公式を使ってみましょう。公式の使い方は簡単で、分母は $ad-bc$、分子は下図のように係数を交差させて作ればよいだけです。
このやり方にしたがって $x,\ y$ を求めると
\[\begin{align*}x&=\frac{1-2z-(-3)(1+z)}{1-(-6)}=\frac{z+4}{7}\\y&=\frac{1+z-(1-2z)2}{1-(-6)}=\frac{5z-1}{7}\end{align*}\]
$x$ を最小の自然数にする $z$ は $3$ であり、またこのとき $y$ も最小の自然数となるので、求める答えは
\[(x,\:y,\:z)=(1,\:2,\:3)\]
となります。
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