日本数学オリンピック(JMO) /国際数学オリンピック(IMO)

 
 「数学の大好き!」、「数学の成績はクラスで一番だよ!」、「数学の難問に挑戦するのが何よりの生きがい」という高校生の皆さん、国際数学オリンピック (International Mathematical Olympiad:IMO) を目指してみませんか? 国際数学オリンピックは、まさに世界中から数学の天才少年少女たちが集う大会です。その最高峰の舞台で腕試しできるなんて、想像しただけでわくわくしますね。とはいえ出たい人全員を大会に連れていくわけにはいきませんから、まずは日本代表に選ばれないといけないのです。そのための選考会が 日本数学オリンピック (Japan Mathematical Olympiad) です。
 

日本数学オリンピック Japan Mathematical Olympiad:JMO

 日本数学オリンピック(正式名称:日本数学オリンピック川井杯)は、国際数学オリンピックに参加する代表選手たちを選考するために、国内で開催される数学コンテストです。JMO には腕に覚えのある若者たちがたくさん参加しています (2017 年の第 27 回 JMO には 3804 名)。

応募資格と代表資格、受験料

 応募資格は予選が行なわれる 1 月(成人の日)の時点で「大学教育を受けていない 20 歳未満の人」です。ただし IMO 代表に選ばれる資格があるのは「日本国籍を有し、かつ高校 2 年生以下の人」です。このように応募資格と代表資格が微妙に異なっているので注意してください。受験料は 4000 円です。受験者のうち女子は、ヨーロッパ女子数学オリンピック (European Girls' math Olympiad:EGMO) の選抜も兼ねます。

試験範囲

 前提知識は幾何、整数、関数など、概ね高校 2 年生以下のカリキュラムに相当する範囲となっています。しかし整数問題では「フェルマーの小定理」や「オイラー関数」など、高校では全く扱わない数論の知識を暗黙の前提とするような問題も出題されます。整数問題については初歩的な数論の書籍を読んで、ひと通りの知識を身につけておいたほうがいいでしょう。確率、微分積分、行列などは完全に範囲外です。

予選

 日本数学オリンピック本選に進むためには、まず予選を通過しなくてはなりません。予選は 1 月の成人の日に各都道府県の試験会場で実施されます。試験では制限時間 3 時間で 12 問を解答します。解答欄には答えのみを記述します。1 問 1 点で満点は 12 点となります。

 試験結果をもとに約 200 名を A ランク(予選合格)とし、上位 50 % 以内の人を B ランク、それ以下の人を C ランクとします。A ランクおよび B ランクの人には特別選抜入学試験制度等への特典が付与されます。予選通過点数はその年によって 5 ~ 8 点と変動しますが、概ね 7 点以上が予選通過の目安となります。

本選

 2 月 11 日(建国記念日)に、予選通過者 (A ランク者) を対象に主要都市の試験会場で本選が行われます。試験は記述式で、制限時間 4 時間以内に 5 問を解答します。各問 8 点で満点は 40 点です。試験結果をもとに、合格者が 20 名前後になるように合格点が定められ、それ以上の得点をとった人には AA ランクが与えられます。優勝した人には川井杯と金賞が授けられ、以下、成績順に銀・銅メダルが授与されます。試験では 2 問完答すれば本選通過は確実と言われています。特に難問が揃った 2017 年は 40 点中 10 点で本選通過となりました。

代表選考合宿(春合宿)

 約 20 名の合格者は IMO日本代表選手候補として 3 月下旬の代表選考合宿(春合宿)に参加することになります(国立オリンピック記念青少年総合センターで実施されます)。
 1 日 4 時間 30 分で 3 問ずつ解くという、国際数学オリンピック本番に即した形で最後の選考試験が行われ、上位 6 名が晴れて国際数学オリンピックの代表選手に確定します。
 

国際数学オリンピック
 International Mathematical Olympiad:IMO

 国内生え抜きの代表選手たちは、いよいよ 7 月の国際数学オリンピックに出場することになります。開会式前日に現地入りして、開会式翌日から 2 日間のコンテストに臨みます。試験時間は朝 9 時から午後 1 時 30 分までの 4 時間 30 分。1 日に 3 問ずつ、2 日で合計 6 問を解きます。各問題は 7 点満点、満点は 42 点です。

 コンテストが終われば、選手たちは現地で観光したり、各国の選手たちと国際交流したり、3 日間ほどのんびり旅行気分を楽しめます。これまで数学漬けだった頭を少しリラックスできますね。

 大会最終日には閉会式が行われ、成績優秀者にメダルが授与されます。上位 1/12 人には金メダル、次の 2/12 人に銀メダル、次の 3/12 人に銅メダルです。そして夜にはお別れパーティをして翌日に帰国することになります。
 

数学オリンピックの試験対策(参考書の紹介)

 数学オリンピックの問題は A, C, G, N で分類されています。

 A:Algebra(代数)
 C:Combination(組み合わせ)
 G:Geometry(幾何)
 N:Number theory(整数問題)

 おおよそ日本の高校 2 年生以下のカリキュラムでカバーできるとはいえ、学校では習わないような知識が必要になることもあります。ですから、やはり数学オリンピック用の特別な対策が必要となります。特に整数問題では「フェルマーの小定理」や「オイラー関数」など、普通に勉強しているだけでは見たことも聞いたこともないような知識を要求されることもしばしばあります。そこで初等整数論について学べる書籍を紹介しておきます。

『数論入門』

 まずはブルーバックスから出版されている『数論入門』です。

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 「ユークリッドの互除法」や「整数の合同」に始まって、「原始根」、「連分数」、「原始根」「平方剰余」、「フェルマー・ペルの方程式」、「ディリクレの定理」、「ガウスの定理」など、初等整数論の基礎をひと通り学べます。はっきり言って数学オリンピックで要求される知識を大きく超えてしまいますが、数論という体系全体を頭に入れておくと、整数についての理解を深めることができます。数学オリンピックを目指そうという皆さんであれば、普通に読みこなせる内容だと思うので、ぜひ一読しておいてください。

『マスター・オブ・整数』

 でも「さすがに時間がなくて無理!」という人には、大学受験対策でも有名な『マスター・オブ・整数』をおすすめします(この本を知らない人はいないと思うけど念のためです)。

マスター・オブ・整数―大学への数学

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 不定方程式、オイラー関数、ピタゴラス数など、こちらは数学オリンピックで必要となる知識を過不足なく学べると思います。大学入試対策にもなるので一石二鳥です。

数学オリンピックの演習書

 もちろん過去問や数学オリンピック用の演習を欠かすことはできません。以下に主な演習書&解説集をピックアップして載せておきます。

 数学オリンピック (2011-2015)
 完全攻略 数学オリンピック
 三角形と円の幾何学(数学オリンピック幾何問題完全攻略)
 三角法の精選103問(数学オリンピックへの道)
 数論の精選104問(数学オリンピックへの道)
 組合せ論の精選102問(数学オリンピックへの道)
 数学オリンピック問題にみる現代数学(難問の奥にある本物の香り)

日本ジュニア数学オリンピック
 Japan Junior Mathematical Olympiad

 日本ジュニア数学オリンピック(Japan Junior Mathematical Olympiad:JJMO) は予選・本選ともに JMO と同日(成人の日・建国記念日)にコンテストが実施されます。応募資格はその年の 1 月の時点で中学 3 年生以下の人です(小学生も参加できます)。出題範囲は概ね中学校のカリキュラムに一致します(図形、整数、式の計算、組み合わせ等)が、学校では習わない種類の問題が出題されることも稀にあるので、後述する過去問集などで対策しておく必要があります。

 成人の日に実施される JJMO 予選では成績上位約 100 名を a ランクとし予選の合格者とします。a ランクの人を含めて上位 50% までを b ランク、それ以下の人に c ランクを付与します。

 建国記念日 (2 月 11 日) に a ランク(予選通過者)を対象に JJMO 本選が実施されます。成績上位者約 10 名が aa ランクと認定され、金・銀・銅のメダルが授けられます。aaランク者のうち上位 5 名が IMO 日本代表候補として春の合宿に参加して、JMO の AA ランクの人たちとともに選抜試験を受けて、その結果をもとに IMO 日本代表選手 6 名が選ばれることになります。

 ジュニア数学オリンピック2012-2016
 中学生からの数学オリンピック
 広中杯 ハイレベル中学数学に挑戦(中学数学の最高峰)

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