不定方程式と1次関数(解が1つに定まらない方程式)



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不定方程式

 次のような方程式を考えてみます。

x - y = 1   [1]

 x, y という2つの未知数をもつ方程式です。少し考えると、この方程式を満たす解は無数にあることがわかります。要するに「引き算して 1 になる数」なのですから、

(x, y) = (1, 0), (2, 1), (3, 2)

といったような数は全て [1] の解です。他にも

(x, y) = (3/2, 1/2), (7/3, 4/3), (100.5, 99.5)

というような数もやはり解となっています。つまり [1] の解は無数にあります。このように未知数が複数あって解が1つに定まらない方程式のことを 不定方程式 とよびます。 [1] の解は x = t ( t は任意の数)とおいて

x = t, y = t - 1

のように書きます。
 

1次関数

 先ほどの方程式

x - y = 1   [1]

は x を先に決めれば自動的に y が決まり、逆に y を先に決めれば自動的に x が決まります。このような関係にあるとき、

y は x の関数である、 x は y の関数である

と表現します。とくに [1] のように x と y の1次式で表されているときは 1次関数 とよびます。そこで [1] を少し変形して

y = x - 1  [2]

 のように左辺に y, 右辺にその他の項を分離したときは、慣例的に y を x の関数として表していると考えます。具体的な手順としては

x を先に定めて右辺を計算すると y になる

ということになります。この形に整理しておけば「えーと、引き算して 1 になる数は ...... 」などと考えなくても、 x に次々と数値を放り込んでいけば、y が自動的に決まっていくので、とても便利なのです。

 また特にこのように左辺と右辺に未知数を分離できたときは

y は x の陽関数である

ということもあります。右辺には x と定数項だけがあるという意味で

y = f(x)

と表現することもあります。関数の中にはどう頑張っても分離できないものや、分離しない形を標準形(円の方程式など)としているものもあり、そうした関数を逆に「陰関数」とよんでいます。

問題

 方程式 a x + (a - 1) y = 1 (a≠1) を y = f(x) の形に表してください。

問題の解答

 とりあえず左辺に y 、 右辺に x を含む項と定数項となるように分離します。

(a - 1) y = - a x + 1

 両辺を a - 1 で割って

y = (a x - 1) / (1 - a)

となります。

 1次関数 の一般形は

y = a x + b (a ≠ 0)   [1]

と表されます。ここで a は「係数」、b は「定数項」と呼ばれます。1次関数では x が決まれば必ず y が1つに定まります。このように x と y が 1 対 1 に対応している関数を 1 価関数といいます(多価関数については、もう少し先で扱います)。 [1] で x に - 2 から 2 までの値を入れてみると

   x = - 2  y = - 2 a + b
   x = - 1  y = - a + b
   x = 0    y = b
   x = 1    y = a + b
   x = 2    y = 2 a + b

というように順次 y が決まっていきます。 x が 1 つ増えると y が a だけ増えていますね。なので係数 a は「傾き」と呼ばれることもあります。
 

1次関数のグラフ

 1次関数をグラフに描いてみましょう。

 1次関数グラフ

 x = 0 のときの y の値 b を「 y 切片」といいます( y を切り取る点という意味です)。また、y が 0 となる点 - b / a を x 切片といいます。この点は

y = a x + b = 0

という方程式をみたす点です。一般に f(x) = 0 となる点は、数学的に重要な意味をもっているので、常に意識しておきます。

問題 次の関数のグラフを描いてください

(1) y = 3 x + 1  (2) y = - x + 1

問題の解答

(1) 1次関数は直線ですから、2 点を決めると形が定まります。慣例的に x 切片と y 切片の情報はグラフに記しておくことになっているので、

y = 3 x + 1

において、x = 0 を入れて y = 1 を得ます。また、 y = 0 から x = -1 / 3 を得て、この 2 点を結びます。グラフは次のようになります。

 1次関数グラフy=3x+1

(2) 与えられた関数

y = - x + 1

において x = 0 を入れて y = 1, y = 0 から x = 1 を得ます。2 点を結ぶと次のようなグラフが描けます。

 1次関数グラフy=-x+1
 
 次は1次関数 y = a x + b において係数 a と定数項 b を変化させて、グラフの様子がどう変わるのか見ていきます。高校数学では係数 a, b をパラメータとして変化させて他の関数(円や放物線)との交点を求めるといった問題が頻出しますので、まずここで基本的なイメージをしっかり掴んでおいてください。
 

グラフが回転します

 最初に1次関数

y = a x + 1

において係数 a を変化させてみます。

 1次関数の回転グラフ

 a = 0.5 から順に 1, 2, 4, 8 と倍々に変化させています。
 y 切片 (0, 1) は固定されているので、この点を軸にグラフ全体が回転します。
 また、y = 0 となる点、すなわち a x + 1 = 0 の解は x = -1 / a ですから、グラフが回転するにしたがって、-2, -1, -1/2, -1/4, -1/8 というように原点に近づいていく様子もわかります。
 

グラフが平行移動します

 次は係数 a を 1 に決めて、y 切片 b を変化させます。

y = x + b

 グラフを描いてみると ......

 1次関数平行移動グラフ

 b = -4 から順に -2, 0, 2, 4 と変化させています。
 グラフ全体が y 軸の正方向に持ちあがっていきますね。

問題

 関数 y = a (x + 1) において、a = 1, 2, 3 と変化させたときのグラフを描いてください。

問題の解答

 x = 0 とおくと y = a となり、 a の変化に伴ってy 切片が動くことがわかります。また y = 0 とおくと x = -1 となって、x 切片は固定され、この点を軸に直線が回転することがわかります。グラフは次のようになります。

 1次関数a(x+1)グラフ

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