極値の周期
根号の中に三角関数と指数関数を入れた
\[y=\sqrt{\cos ^2 x+\exp \left( -\frac{x}{\pi} \right)}\]
という関数のグラフを描いてみます。
x が大きくなると指数関数の寄与は消えて振動周期は一定値に落ち着きます。 x が小さい範囲で極値をとる点はどのように決まるのか調べてみましょう。 y を 2 乗すると
\[y^2=\cos ^2 x+\exp \left( -\frac{x}{\pi} \right)\]
両辺を x で微分すると
\[2yy'=2\cos x(-\sin x)-\frac{\exp \left( -\cfrac{x}{\pi} \right)}{\pi}\]
となります。ここで左辺に y が現れていますが、これは常に正の値をとるので( 0 にならないので)特に気にすることもなく、 $2yy'=0$ とおいて少し整理すると
\[\pi \sin 2x+\exp \left( -\frac{x}{\pi} \right)\]
という極値を決定する方程式が得られます。これは簡単な方程式ではありません(手計算で解くことはできません)が、
\[f(x)=\pi \sin2x,\quad g(x)=-\exp \left( -\frac{x}{\pi} \right)\]
と2つの関数に分けてグラフを描くことで、極値をとる x の周期 を把握することはできます。
図を眺めると x が小さいときは極値をとる点同士の間隔が大きくなったり小さくなったりと一定していないことがわかります。 x が大きくなると指数関数のほうは y = 0 に近づいていきますから、極値は一定周期で現れる ようになります。