線形代数学 おすすめ参考書・入門書
線形代数のおすすめ参考書 をまとめてあります。
世界標準 MIT 教科書 ストラング:線形代数イントロダクション
![]() |
世界標準MIT教科書 ストラング:線形代数イントロダクション 新品価格 |
私の一番のおすすめは『ストラング:線形代数イントロダクション』です。
本書は MIT (マサチューセッツ工科大学) で教鞭をとるギルバート・ストラング教授の名講義 "18.06 Linear Algebra" で長年にわたって使用されてきたテキストです。単調な計算練習をさせるのではなく、読者が 線形代数の本質 をしっかりと理解できるように考え抜かれた構成となっています。「ベクトル」を入口に、スモールステップ方式で少しずつ着実に「行列」「部分空間」へ誘導し、最終的には核心概念ともいえる「4つの基本部分空間」へと達することができます。本書には膨大な量の演習問題が収められているので、院試対策もこの一冊で十分です。ストラング教授の講義は Youtube で無料公開されているので、本書と合わせて視聴すると理解が一層深まります。
ゼロから学ぶ線形代数 [小島寛之/講談社]
新品価格 |
![]() |
線形代数学は大学進学後に躓きやすい科目です。私自身も本質を掴むまで四苦八苦しました。従来の形式で書かれた本は非常に抽象的で初学者にとってはとても読み難いです。定理の証明の繰り返しでへとへとになった挙句に、終わってみれば行列・ベクトルに関する基本演算と固有値の求め方だけ身について、全体を通して何が言いたいのかさっぱりわからなかった、という結末が待ち受けていたりします。やはり、どの分野でも最初に読む本は証明の厳密さにこだわらず、計算が易しくて、全体像が掴めるものが良いですね。線形代数なら「ゼロから学ぶ線形代数」が入門書としてピッタリです。
「ゼロから学ぶ線形代数」は初めて線形代数学を学ぶ理工系の大学1年生を対象にしていますが、数学の得意な高校3年生なら、ちょっと頑張れば読める内容になっています。理数系難関大学を目指すならば、高校生のうちに読んでおくことをお勧めしたいぐらいです。
本書の特徴をまとめると:
[1] 行列が現れる前に、行列式の定義が登場している。
[2] 各種概念を図形的イメージとしっかり結びつけて説明している。
[3] 一般化された「 m × n 行列」を用いた定理の証明・計算が一切ない。
[1] は本書のもっともユニークな点です。この本の序文でも書かれているのですが、一般の本と理論の構成順を逆にしたことで、本来ならば後半に登場するはずの定理や概念がいきなり最初の2章で登場します。また、線形代数学の理論全体をとても見通しやすくしています。
[3] も入門書として押さえておきたいポイントです。
「 m × n 行列」を用いた計算は、やたらと幅の大きな行列を何行も書くという単純労働が待ち受けています。紙面もたくさん使います。「…」を書くのもうんざりしてきます。努力して何か良いものが身につくならいいのですけど、身につくのは「根性」ぐらいですかね。まあ、確かにそれも学問では大事な要素かもしれませんが ......
「ゼロから学ぶ線形代数」では「いらないもの」を徹底的に省いて、線形代数学の本質に迫ることに焦点を絞っています。そして何より「面白い」のです。読み進めていくうちに「なるほど、こういう仕組みになっているのか~!」という感じで胸にすとんと落ちていきます。気づけば読み終わっていたという印象ですね。大学一年生なら線形代数はこの1冊で十分です。ただし3回ぐらいは読んで内容をしっかり掴んでください。
プログラミングのための線形代数 Linear Algebra for Computer Science
![]() |
中古価格 |
現代ではコンピュータの普及とともに、計算機技術に携わるエンジニアの需要が日に日に高まっています。そしてコンピュータサイエンスの基礎となるのが数学であり、中でも線形代数学は CG や機械学習などの幅広い分野で応用されています。線形代数学 の習得の有無はコンピュータに対する理解の度合いを大きく左右すると言っても過言ではありません。本書はプログラマーの視点に立って、線形代数学から必要となる項目を選び出し、また実際的な応用例をたくさん載せています。
まずはこの一冊から 意味がわかる線形代数 (BERET SCIENCE)
![]() |
まずはこの一冊から 意味がわかる線形代数 (BERET SCIENCE) 中古価格 |
「数式がちょっと苦手だな」という文系の人向けに書かれた線形代数学の本です。線形空間や線形写像、固有値などのとっつきにくい抽象概念を、なるべく数式は使わずに言葉と図表で説明しています。計算は端折らず丁寧に書かれているので、自分で紙とペンを用意しなくても、目で追って理解することができ、概念の理解に集中できます。社会科学などの分野で線形代数学を学びたいなと思う人に最適な入門書です。
やさしく学べる線形代数
![]() |
中古価格 |
「計算すること」を主体に書かれた 線形代数学の入門書 です。実際に手を動かしながら、行列式の値を求めたり連立1次方程式を解いたりすることで、実用的な計算技術が身につきます。ベクトルの基本から解説してあるので特に予備知識は必要ありません。高校生でちょっと背伸びしてみたいなという人にもおすすめの本です(数学が得意な高校生にとっては簡単な内容だと思います)。
高校数学でわかる線形代数 行列の基礎から固有値まで
![]() |
高校数学でわかる線形代数―行列の基礎から固有値まで (ブルーバックス) 中古価格 |
タイトルにあるように高校生、あるいは大学1年生向けに書かれた 線形代数学の入門書 です。解説が丁寧という意味では確かに入門書なのですが、エルミート行列やユニタリ行列、量子力学への応用が記述されているので、内容自体はかなり本格的です。固有値などは純粋数学の範囲ではなかなかイメージが掴みにくいですけど、量子力学でどのように応用されているかを知ることができれば、頭に定着しやすいと思います。
マンガ 線形代数入門
![]() |
中古価格 |
高校の新カリキュラムでは行列が姿を消してしまいました。つまりこれからの学生さんは大学に進んで初めて「行列」と対面することになります。そんな若い人たちが大学で行列に出会っても戸惑わないように、マンガでやさしく線形代数を解説してくれます。主人公のゆきえちゃんやなみお君と一緒に宇宙を旅をしながら、行列を楽しく勉強しましょう。
線形代数とベクトル解析 (技術者のための高等数学)
![]() |
新品価格 |
「工科の数学」は世界各国の大学で用いられているシリーズです。
本シリーズは Erwin Kreyszig 教授の講義経験をもとに著され、理工学部の学生さんがしっかりとした計算技術を身につけられるように、例題や練習問題も豊富に取り揃えられています(E.Kreyszig著/培風館)。
1冊でマスター 大学の線形代数
![]() |
新品価格 |
スタンダードな線形代数の本です。とはいえ現代の本ですから、ひと昔前に巷に溢れていたようなわかりにくい線形代数の教科書とは異なり、説明はとても丁寧です。行列や掃き出し法といった、基礎の部分から計算過程を省かずに記述されています。一般には入門書では扱わないような、単因子やジョルダン標準形なども取り上げられているので、タイトルにある通り、数学科以外の学生さんであれば、この1冊があれば十分といえる内容です。別冊の演習問題と合わせて丁寧に活用すれば、確実に知識を定着させてゆくことができる良書です。
手を動かしてまなぶ 線形代数
![]() |
新品価格 |
タイトルにあるように、しっかり手を動かして問題を解きながら線型代数を学ぶ教科書兼ワークブックです。演習問題は基本的なものから大学院入試レベルのものまで幅広く取り揃えられていて(確認・基本・チャレンジの3段階)、その全てについて丁寧な解説をホームページ(裳華房 Web サイト)で閲覧することができます(良い時代になったものですね。昔は解答のついていない演習書などという、とんでもないものが売られたりしていました)。各節の冒頭には「この節ではこれを学びますよ」というポイントが書かれているので、読者も重要事項を整理しながら、目的を見失わずに読み進めることができるようになっています。初学者が意外とつまづきやすい、ギリシャ文字の書き方と読み方も説明されているのも、Blog Cat のおすすめポイントの1つです。
その他のおすすめ線形代数学の本
![]() |
中古価格 |