logx/xの第n次導関数

【CL12】logx/x の第 n 次導関数

 関数 \(\displaystyle f(x)=\frac{\log x}{x} \:(x \gt 0)\) の 第 n 次導関数 を \(f^{(n)}(x)\) とします。ただし、\(\log x\) は自然対数です。
(1) \(f^{(n)}(x)\) が定数 \(a_n, \: b_n\) を用いて
\[f^{(n)}(x)=\frac{a_n+b_n\log x}{x^{n+1}}\]と表されることを示してください。
(2) \(b_n\) を \(n\) で表してください。
(3) \(\displaystyle \frac{b_n}{a_n} \lt -\frac{1}{n}\) を証明してください。(山梨大一部改)

【ヒント】「うわあ」と叫びたくなるような難問に思えますが、微分公式と数列の基本をしっかり身につけていれば大丈夫! (1) はもちろん数列の証明問題の定番を用います。(3) は n が大きいと、 \(b_n\) は \(a_n\) に比べて無視できるほど小さいことを証明する問題です。ただ、そのままの形では証明しにくいので、逆 … ヒントはここまで!

【解答】(1) 数学的帰納法で証明します。求めるべき式は
 
\[f^{(n)}(x)=\frac{a_n+b_n \log x}{x^{n+1}} \qquad [1]\]
です。商の微分公式
 
\[\left( \frac{g}{f} \right)’ =\frac{g’f-gf’}{f^2}\]
を用いて \(f(x)\) を1回微分すると
 
\[f^{(1)}(x)=\frac{1-\log x}{x^2}\]
となるので、 \(a_1=1,\quad b_1=-1\) とすれば [1] が成り立ちます。 \(n \geq 2\) のとき、[1] が成り立つと仮定すると \(f^{(n)}(x)\) を微分して
 
\[f^{(n+1)}(x)= \left\{ f^{(n)}(x) \right\}’=\frac{-(n+1)a_n+b_n-(n+1)b_n \log x}{x^{n+2}}\]
となります。したがって
 
\[\begin{align*}a_{n+1}=-(n+1)a_n+b_n\\[6pt]b_{n+1}=-(n+1)b_n\end{align*}\]
とおくことによって、 \(n+1\) のときも [1] は成り立っています。

(2) \(b_{n+1}=-(n+1)b_n\) という関係があるので、 \(b_1\) から順に決めることができます。
 
\[b_1=-1,\quad b_2=(-2)(-1),\quad b_3=(-3)(-2)(-1),\quad \cdots \cdots\]
 n が奇数のときは負に、偶数のときは正になっているので一般の \(n\) について
 
\[b_n=(-1)^nn!\]
であることがわかります。

(3) 証明したいのは \(\displaystyle \frac{b_n}{a_n} \lt -\frac{1}{n}\) なのですが、実際に \(b_n/a_n\) という比をとってみると扱いにくいことがわかります。そこで逆数 \(\displaystyle\frac{a_n}{b_n}\) をとってみることに気づくかどうか、これがこの問題の最初のポイントになります。そうすると …
 
\[\frac{a_n}{b_n}=\frac{(-n)a_{n-1}+b_{n-1}}{(-n)b_{n-1}}=\frac{a_{n-1}}{b_{n-1}}-\frac{1}{n}\]
 かなり扱いやすい式が現れました。 \(\displaystyle \frac{a_n}{b_n}=c_n\) とおくと
 
\[c_n=c_{n-1}-\frac{1}{n}\]
 これならなんとかなりそうです。数列に慣れている人なら、
 
\[\begin{align*}&c_2=c_1-\frac{1}{2}\\[6pt]&c_3=c_2-\frac{1}{3}\\[6pt]&\cdots \cdots \cdots\\[6pt]&c_n=c_{n-1}-\frac{1}{n}\end{align*}\]
と書き下してから全部足し合わせてみたくなるでしょう。ほとんどの場合、それで上手くいくのです。
 
\[\begin{align*}&c_2+c_3+c_4+\: \cdots \:+c_n\\[6pt]&=c_1+c_2+c_3+c_4+\: \cdots \:+c_n-\frac{1}{2}-\frac{1}{3}-\: \cdots \:-\frac{1}{n}\end{align*}\]
 こうすると左辺と右辺でほとんどの項が消え去って \(c_1=-1\) を入れると
 
\[-c_n=1+\frac{1}{2}+\frac{1}{3}+\: \cdots \:+\frac{1}{n}\]
という式を得ることができます。よって
 
\[-c_n \lt 1+1+\: \cdots \:1=n\]
となるので、逆数をとって
 
\[\frac{b_n}{a_n}<-\frac{1}{n}\] が示されました。

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