大人のための学び直し算数と数学

整数の四則演算
① 面積で数の大きさをイメージします
③ 掛け算と割り算
④ 式の展開を練習します ⑤ 2 倍計算と 5 倍計算
⑥ 10 位が等しく 1 位の合計が 10 となる数同士を掛け算します
⑦ (a + 1)2, (a – 1)2 型掛け算 ⑧ 1 の位が 1 の数同士の掛け算
分数と小数の計算
整数の性質
① 約数と倍数 ② 素数と合成数
④ 最小公倍数 ⑤ 最大公約数
因数分解
大人のための学び直し数学講座です
社会に出てから、あるいは学業の途中で躓いてから、「苦手だった数学を基礎から学び直したい」と願う人は多いと思います。人によって「分数の計算で手間取っちゃう」、「算数は問題ないよ。中学の数学あたりから怪しいんだ」、「高 1 ぐらいまでは OK。微積分になるともうお手上げ」という感じで、分からなさ具合も色々だと思いますが、少しでも「壁にぶつかったよ」と感じているのなら、私としては小学校の算数からきちんとやり直すことをお勧めしています。
点検作業です
「小学生の問題ぐらい解けるよ! 馬鹿にするな!」とお怒りの方もおられるかもしれませんが、「問題を解ける、計算ができる」ということと、「概念として正確に把握している」ということは別問題です。
算数の段階から丁寧に点検していくことで、「そうか! ここが分かってなかったのか!」と思わぬ発見があるものです。そこに気づいてしまえば、小学生の算数を理解することは難しくありませんから、そこを補完して次へ進めばいいのです。穴を見つけていく点検作業ですから、別に何年もかけて学び直す必要はありません。お仕事や学業の合間の隙間時間を使いながら 2 ヶ月程度を目安にすればよいでしょう。
このような目的を支援するべく、「学び直しの算数と数学」では、小学校の「九九」から少しずつステップアップして、中学・高校の数学まで順次追跡してゆきます。
大人的思考法を最大限に生かします
しかし、ただ小学生の頃に戻ったような感覚で学び直すのも芸がありません。せっかくですから、ここは大人であることのメリットを最大限に生かしましょう。「大人である」ことのメリットは「広い視点で物事の本質を理解する」ということです。子供はこういう感覚で算数を学ぶことはできません(天才なら別かもしれませんが)。皆さんの子供時代を思い出してほしいのですが、掛け算や割り算、分数など、次々と登場する新しい計算法を消化するだけで精一杯だったはずです。とにかくドリルなどでたくさんの計算をこなして体で覚える時期だからです。
子供は脅威的な集中力で物事を次々と記憶していく能力に優れていますが、どんなに算数のできる優秀な子供でも大人社会に入って管理職の仕事をこなすことは不可能です。「全体を見渡して物事の構成を把握する」という能力がまだまだ未発達だからです。
しかし大人の視点で丁寧に算数を見直してみると、子供の頃には見えなかったものが見えてくるようになります。最初のシリーズで扱いますが、「九九」の数表には数学における大切な要素がたくさんつまっています。「ここで学んでいることは数学全体でこういう意味をもつ」ということを理解しながら、さらに小学校では習わなかったことをプラスしながら、脳内の数学体系を再構成してみるつもりで、記事を読んでください。連載が終わる頃には、高校の微積分まで無理なく消化することができていると思います。
小学生のお子さんをもつ親御さんへ
このシリーズでは「中学・高校まである程度学んでいる人」を対象としているので、小学校の算数の段階でも「 2 乗」したり「方程式」を使ったり、ちょこっとだけ「ずる」をしてしまいますから、小学生のお子さんが読んでも混乱してしまうところがあると思います。それでも親御さんが記事の内容を消化して、もう少し噛み砕いた形で伝えていただき、お子さんの学習に役立ててもらえると著者としても幸いです。