当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。

逆数和Σ(1/a_n)が57であるような等比数列

【SQ11】等比数列の基本問題

初項 $3$、公比 $2$ の等比数列を $\{a_n\}$ とします。
(1) 数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求めてください。
(2) 数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $n$ 項までの和 $S_n$ を求めて、$S_{10}$ を計算してください。
(3) 数列 $\{a_n\}$ の各項から $n$ を引いてつくった数列を $\{b_n\}$ とします。この数列の初項から第 $n$ 項までの和 $T_n$ を求めてください。
 
【ヒント】(1) と (2) は等比数列の超基本問題です。(3) は一見すると難しいように思えますが、意外と簡単です。

中学入試 算数図形問題完全マスター

中古価格
¥928から
(2021/9/6 16:57時点)


【解答】
(1) 初項 $a_1$、公比 $r$ の等比数列の一般項は
 \[a_n=a_1r^{n-1}\]
で表されます。$a_1=3$、$r=2$ の等比数列の一般項は
 \[a_n=3\cdot 2^{n-1}\]
となります。

(2) 初項 $a_1$、公比 $r$ の等比数列の初項から第 $n$ 項までの和は $r\neq 1$ のときは
 \[S_n=\frac{a_1(r^n-1)}{r-1}\]
で与えられるので、
 \[S_n=\frac{3(2^n-1)}{2-1}=3(2^n-1)\]
となります。$S_{10}$ を計算すると
 \[S_{10}=3(2^{10}-1)=3(1024-1)=3069\]
となります。ちなみに $2^{10}=1024$ は工学分野などで頻出する値なので、ぜひとも覚えておきたいところです。

(3) $\{b_n\}$ は $b_n=a_n-n$ で表される数列です。すなわち
 \[\begin{align*}b_1&\,=a_1-1\\[6pt]b_2&\,=a_2-2\\[6pt]b_3&\,=a_3-3\\[6pt]&\,\cdots\cdots\cdots\\[6pt]b_n&\,=a_n-n\end{align*}\]
なので、これらの和をとると、
 \[T_n=a_1+a_2+\:\cdots\: +a_n-(1+2+\cdots +n)\]
となります。$a_1+a_2+\:\cdots\: +a_n$ は (2) で求めた $S_n$ です。$1+2+\cdots +n$ は初項 $1$、公差 $1$、項数 $n$ の等差数列ですから、
 \[1+2+\:\cdots\: +n=\frac{n(n+1)}{2}\]
となります。したがって、求める和 $T_n$ は
 \[T_n=3(2^n-1)-\frac{n(n+1)}{2}\]
で与えられます。

【SQ12】第n項までの逆数和が57となる数列

初項が $0$ ではない等比数列 $a_n$ が
\[\begin{align*}&a_1+2a_2=0\\[6pt]&a_1+a_2+a_3=\frac{9}{4}\end{align*}\]という条件を満たすとき、
\[\frac{1}{a_1}+\frac{1}{a_2}+\:+\cdots\:+\frac{1}{a_n}=57\]となるような $n$ を求めてください。(センター試験改)
 
【ヒント】各項の逆数和についての条件式をつくります。

1冊でマスター 大学の統計学

新品価格
¥2,728から
(2022/7/15 14:37時点)


【解答】$a_1+2a_2=0$ より、$a_2=\displaystyle -\frac{1}{2}a_1$ なので、この数列の項比が $\displaystyle r=-\frac{1}{2}$ であることがわかります。初項を $a_1=a$ とおくと、もうひとつの条件式より
 \[a+ar+ar^2=\frac{9}{4}\]
となります。$\displaystyle r=-\frac{1}{2}$ を代入すると
 \[a\left( 1-\frac{1}{2}+\frac{1}{4}\right)=\frac{9}{4}\]
これを解いて初項 $a=3$ が得られるので、$a_n$ の一般項は
 \[a_n=3\left(-\frac{1}{2}\right)^{n-1}\]
と表せます。各項の逆数は
 \[\frac{1}{a_n}=\frac{1}{3}(-2)^{n-1}\]
となり、これは初項 $\displaystyle\frac{1}{3}$、公比 $-2$ の等比数列を表しています。この数列の第 $n$ 項までの和 $S_n$ を計算すると
 \[S_n=\frac{1}{3}\frac{1-(-2)^n}{1-(-2)}=\frac{1-(-2)^n}{9}\]
となります。$S_n$ が $57$ となるための条件式は
 \[\frac{1-(-2)^n}{9}=57\]
となります。これを整理して
 \[(-2)^n=-512\]
これを解いて $n=9$ が得られます。

【SQ13】平方和の計算

初項 $1$、公比 $3$ の等比数列の第 $k$ 項までの和が $364$ であるとき、この数列の各項の $2$ 乗を項とする数列の第 $k$ 項までの和を求めてください。
 
【ヒント】平方和を計算します。特にひねったところもないストレートな問題ですが、それなりの計算量が求められるので、計算過程においては多少の工夫も必要です。今後は少しずつ問題が難しくなっていくので、このあたりでしっかり基礎固めをしてください。

坂田アキラの ベクトルが面白いほどわかる本

新品価格
¥1,287から
(2022/7/14 21:12時点)


【解答】初項 $1$、公比 $3$ の等比数列 $\{a_n\}$ の第 $k$ 項までの和を $S_k$ とすると
 \[S_k=\frac{3^k-1}{3-1}=\frac{3^k-1}{2}=364\]
これを整理して
 \[3^k=729\]
より、$k=6$ であることがわかります。$\{a_n\}$ の各項を $2$ 乗した数列は
 \[1^2, \:,3^2, \:3^4, \:3^6, \:\cdots, \:3^{2n-1}, \:\cdots\]
であり、これは初項 $1$、公比 $9$ の等比数列です。この数列の第 $k$ 項までの和を $T_k$ とすると、
 \[T_k=\frac{9^k-1}{9-1}=\frac{3^{2k}-1}{8}\]
この式を少し変形すると
 \[T_k=\frac{(3^k+1)(3^k-1)}{8}\]
$3^k=729$ を代入すると
 \[T_6=\frac{730\cdot 728}{8}=730\cdot 91=66430\]
となります。

【SQ14】等比級数で定義される関数

$x$ を実数、$n$ を正整数とし、関数 $f_n(x)$ を
\[f_n(x)=1+x+x^2+x^3+\:\cdots\:+x^n\]と定義します。$f_9(\sqrt{5})$ を計算してください。
 
【ヒント】単に数列和を求める問題ですが、項数には注意してください。あと、分母は有理化するなどして、なるべく簡単な形にしてください。

【解答の準備】特に難しい問題ではないのですが、$f_n(x)$ の項数が $n$ 個だと勘違いしてしまうケアレスミスには要注意です。たとえば $n=3$ のときは、
 \[f_3(x)=1+x+x^2+x^3\]
となるので項数は $3+1=4$ 個です。$f_n(x)$ の項数は $n+1$ 個です。

1冊でマスター 大学の統計学

新品価格
¥2,728から
(2022/7/15 14:37時点)


【解答】$f_n(x)$ は初項 $1$、公比 $x$、項数 $n+1$ の等比数列とみなすことができるので、
 \[f_n(x)=\frac{x^{n+1}-1}{x-1}\quad (x\neq 1)\]
と表すことができます。$x=\sqrt{5}$ を代入すると
 \[f_n (\sqrt{5})=\frac{\sqrt{5}^{n+1}-1}{\sqrt{5}-1}=\frac{5^{\frac{n+1}{2}}-1}{\sqrt{5}-1}\]
$n=9$ を代入すると
 \[f_9(\sqrt{5})=\frac{5^5-1}{\sqrt{5}-1}=\frac{3125}{\sqrt{5}-1}\]
分母と分子に $\sqrt{5}+1$を掛けて有理化すると
 \[f_9(\sqrt{5})=781(1+\sqrt{5})\]
となります。

【SQ15】規則にしたがって新しい数列をつくります

初項 $1$、公比 $3$ の等比数列を $\{a_k\}$ とおき、自然数 $n$ に対して $a_k\leq n$ を満たす最大の $a_k$ を $b_n$ とします。
(1) $b_{10}$ を求めてください。
(2) $b_n=27$ となる自然数 $n$ は何個ありますか。
(3) 数列 $\{b_n\}$ の初項から第 $30$ 項までの和を求めてください。(センター試験一部改)

【ヒント】$\{a_k\}$ を並べてみると
 \[1,\:3,\:9,\:27,\:81,\:243,\:\cdots\]
となります。たとえば $n=5$ のとき、$a_k\leq 5$ をみたすのは $a_1=1$ と $a_2=3$ なので、$b_5=a_2=3$ と定めることができます。

ガウスの和 ポアンカレの和―数論の最前線から

中古価格
¥2,250から
(2017/9/1 13:22時点)


【解答】規則にしたがって数列をつくっていくと
 \[\begin{align*}&b_1=b_2=2\\[6pt]&b_3=b_4=\:\cdots\:=b_8=3\\[6pt]&b_9=b_{10}=\:\cdots\:=b_{26}=9\\[6pt]&b_{27}=b_{28}=\:\cdots\:=b_{80}=27\\[6pt]&\,\cdots\cdots\cdots\cdots\end{align*}\]
のようになるので、
(1) $b_{10}=9$ です。
(2) $b_n=27$ となる $n$ は $80-27+1=54$ 個です。
(3) 数列 $\{b_n\}$ の初項から第 $30$ 項までの和をとると
\[2\times 2+3\times 6+18\times 9+27\times 4=290\]となります。

エクセルや数学に関するコメントをお寄せください