【CL13】ガウス関数の接線
曲線 \(y=e^{-x^2}\) にたった1本の接線が引けるような座標 $(a,\:0)$ を求めて、曲線の概形と接線を図示してください。
【ヒント】曲線 \(y=e^{-x^2}\) には 1本だけ接線が引ける 不思議な(?)点がいくつかあります。何はともあれ、まずは \(y=e^{-x^2}\) のグラフを描いてみましょう。そのときにグラフの「対称性」に着目すると作業が楽になります。変曲点も忘れずに。今回はやさしい問題です。
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【解答】曲線 \(f(x)=e^{-x^2}\) は偶関数ですから $y$ 軸に関して対称です。よって $x\geq 0$ だけ考えれば充分です。まず $y=f(x)$ の基本的な情報として $f(0) = 1$ 、$x\rightarrow\infty$ において $f(x)\rightarrow 0$ はすぐにわかります。さらに1階微分と2階微分を計算すると
\[y’=-2xe^{-x^2},\quad y^{\prime\prime}=(4x^2-2)e^{-x^2}\]
したがって、$y^{\prime}=0$ となる点(極値)は $x = 0,\ y^{\prime\prime}=0$ となる点(変曲点)は
\[x= \pm \sqrt{2}/2\]
となります。増減表は次のようになります。
今度は接線を求めます。曲線上の点 \((t,\:e^{-t^2})\) を通る接線の方程式は
\[y-e^{-t^2}=-2te^{-t^2}(x-t)\]
と書けます。この直線が \((a,\:0)\) を通るので、
\[-e^{-t^2}=-2t-e^{-t^2}(a-t)\]
指数部分は正ですから落としてしまって整理すると
\[2t^2-2at+1=0\]
という2次方程式を得られます。接線が1本ということは、この方程式が1つの解をもつということなので、判別式が 0 になるということです。
\[D/4=a^2-2=0\]
よって \(a= \pm \sqrt{2}\) と定まります。接点の座標は \((-\sqrt{2},\:e^{-1/2})\) および \((\sqrt{2},\:e^{-1/2})\) です。つまり \((\pm \sqrt{2},\:0)\) の2点から引ける接線は1本であり、接点は変曲点に一致します。
ちなみに判別式から \(a \lt -\sqrt{2},\:0 \gt \sqrt{2}\) においては2本の接線が引けること、また \(-\sqrt{2} \gt a \lt \sqrt{2}\) においては1本の接線も引けないことがわかります。以上のことを図示すると次のようになります。
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