条件式をみたす素数 p と正の整数 a, b は存在しません

[問題 NT-25] 条件式をみたす素数 p と正の整数 a, b は存在しません

 $a^3+b^3=p^3$ を満たす素数 $p$ と正の整数 $a,\:b$ が存在しないことを示してください。
 (早大 一部改)

問題 NT-25 のヒント

 実際の入試問題では小問 (1) と (2) がありました。
 (1) が大きなヒントになっていて、あまり難しくない問題だったので、思いきってカットしてみました。するとかなりの難問となりました。解法の手掛かりを見つけることができればスムーズに解けるのですが ......

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問題 NT-24 の解答

 とりあえず
 
\[a^3+b^3=p^3 \tag{1}\]
が成り立つと仮定して左辺を因数分解します。
 
\[(a+b)(a^2-ab+b^2)=p^3 \tag{2}\]
 こういう式が現れると $a+b=p,\:a^2-ab+b^2=p^2$ の場合は ... と定石通りに進めたくなってしまいますが、これが罠で、いきなりその方向に進むとかなり面倒なことになってしまいます。ではどうするかといえば、$a+b$ と $a^2-ab+b^2$ の大小関係によって上手く $a,\:b$ を絞り込んでゆくことを考えます。やや突飛な発想に思えるかもしれませんが、整数問題では自身で不等式を設定するという手法が有効な場合があるのです。

[case 1] $a+b \geq a^2-ab+b^2$ の場合

 両辺を見比べると、この不等式が成り立つのはレアケースであると予測できます。これは絞り込みやすいはずだと期待しながら式を $a$ について整理しましょう。
 
\[a^2-(b+1)a+b^2-b \leq 0 \tag{3}\]
 この不等式が成立するためには、判別式によって
 
\[(b+1)^2-4(b^2-b) \geq 0\]
を満たすことが条件となります( a についての 2 次関数グラフが a 軸と交点をもつ条件です)。すなわち
 
\[(b-1)^2 \leq \frac{4}{3}\]
となります。この不等式をみたす $b$ は $b=1,\:2$ だけです。

[case 1-a] $b=1$ のとき (3) より
 
\[a(a-2) \leq 0\]
となって、 $a=1,\:2$ だけがこの不等式を満たします。

[case 1-b] $b=2$ のときは
 
\[(a-1)(a-2) \leq 0\]
となり、 $a=1,\:2$ 。

 1-a, 1-b を合わせると
 
\[(a,\:b)=(1,\:1),\quad (1,\:2),\quad (2,\:1),\quad (2,\:2)\]
が候補となりますが、これを (1) に代入すると
 
\[p^3=2,\:9,\:16\]
となって、この式を満たす素数 $p$ は存在しません。

[case 2] $a+b \lt a^2-ab+b^2$ の場合

 $a,\:b$ は正の整数なので $a+b \geq 2$ 。つまり $a+b$ は 1 ではないので (1) は
 
\[a+b=p,\quad a^2-ab+b^2=p^2\]
という分け方しかありません。右の式を変形すると
 
\[(a+b)^2-3ab=p^2\]
 $a+b=p$ を代入すると $ab=0$ となりますが、これは $a,\:b$ が正の整数であるという条件に反します。

 以上より (1) を満たす $a,\:b,\:p$ は存在しないことが示されました。

 ≫ [問題26] x^2+y^2=3 を満たす有理数は存在する? ≫ 数学演習問題

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