[DE04] yy’=xe^(x^2+y^2)
微分方程式 $yy’=x\,e^{x^2+y^2}$ を解いてください。
【ヒント】方程式を眺めていると、とりあえず、ある部分を別の変数で置き換えてみたくなりますね。それで変数分離はできるのですが、そのあとで、さらにもう1回変数変換して解きます。もしかすると他にもっと上手い解き方があるのかもしれないので、見つけたらコメントよろしくお願いします。
解答DE04
与えられた微分方程式
\[y\frac{dy}{dx}=xe^{x^2+y^2}\tag{A}\]
において $z=x^2+y^2$ とおくと $z’=2x+2yy’$ なので上の式は
\[\frac{dz}{dx}=(1+e^z)2x\]
となります。これは変数分離できて
\[\frac{dz}{1+e^z}=2xdx\]
さらに $1+e^z=t$ とおくと $dz=e^{-z}dt$ なので
\[\frac{dt}{t(t-1)}=2xdx\]
左辺の分数を分解すると
\[\frac{1}{t-1}-\frac{1}{t}=2xdx\]
両辺を積分すると
\[\log\,\left|\frac{t-1}{t}\right|=x^2+c\]
変数を $t$ から $z$ に戻すと
\[\log\,\left|\frac{e^z}{1+e^z}\right|=x^2+c\]
$A=\pm e^c$ とおくと
\[\frac{e^z}{1+e^z}=Ae^{x^2}\]
変数を $z$ から $x^2+y^2$ に戻すと
\[e^{x^2+y^2}=Ae^{x^2}(1+e^{x^2+y^2})\]
式を整理すると
\[1=A(e^{-y^2}+e^{x^2})\]
$B=1/A$ とおくと
\[e^{x^2}+e^{-y^2}=B\]
という解が得られます。
[DE05] 曲線族に直交する曲線族
$C$ をパラメータとする双曲線族
\[(x-2y)(2x-y)=C\]
に直交する曲線族を求めてください。
【ヒント】2つの曲線が直交する条件は接線の傾きの積が -1 となることです。
解答DE05
与えられた双曲線族の方程式
\[(x-2y)(2x-y)=C\]
の両辺を微分すると
\[(1-2y’)(2x-y)+(x-2y)(2-y’)=0\]
$y’$ について解くと
\[y’=\frac{4x-5y}{5x-4y}\]
双曲線族に直交する曲線を $y=f(x)$ とすると
\[f’y’=-1\]
という関係が成り立つので
\[f’=-\frac{5x-4y}{4x-5y}\]
ここで $y=ux$ とおくと $y’=u+xu’$ より
\[u+x\frac{du}{dx}=-\frac{5x-4y}{4x-5y}\]
式を整理すると
\[x\frac{du}{dx}=-\frac{5(u^2-1)}{5u-4}\]
変数分離すると
\[\frac{5u-4}{u^2-1}du=-5\frac{dx}{x}\]
左辺の分数を分解すると
\[\left(\frac{9}{u+1}+\frac{1}{u-1}\right)du=-10\frac{dx}{x}\]
両辺を積分すると
\[\log|(u+1)^9(u-1)x^{10}|=c\]
変数を戻して $A=\pm e^c$ とおくと
\[(y+x)^9(y-x)=A\]
という、与えられた双曲線族に直交する曲線の方程式が得られます。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください