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2乗して5の倍数となる数nは5の倍数です

【NT11】平方して5の倍数となる数

自然数 $n$ について、$n^2$ が $5$ の倍数であれば、$n$ もまた $5$ の倍数であることを証明してください。
 
【ヒント】ほとんど自明のことに思えますが、すっきり証明するには命題を「書き換えて」みることが必要になります。

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【解答】与えられた命題「$n^2$ が $5$ の倍数 ⇒ $n$ が $5$ の倍数」を直接証明するのは難しいので、対偶をとって「$n$ が $5$ の倍数ではない ⇒ $n^2$ が $5$ の倍数ではない」を証明します。$5$ の倍数ではない自然数は正の整数 $k$ を使って、
 \[n=5k\pm 1,\ 5k\pm 2\]
と表すことができます。それぞれの平方数をつくると
 \[\begin{align*}(5k\pm 1)^2=25k^2\pm 10k+1=5k(5k\pm 2)+1\\[6pt]
(5k\pm 2)^2=25k^2\pm 20k+4=5k(5k\pm 4)+4\end{align*}\]
となって確かに 5 の倍数とはなっていません。(証明終)

下に $p\rightarrow q$ が成り立つための集合図を載せておきました。
対偶関係を確認しておいてください。
 
Excel命題の対偶

【NT12】x(x-a)(x-b)-5をx-cで割って余りが0となる正整数a,b,c

次のように定義される $x$ の整式
 \[f(x)=x(x-a)(x-b)-5\]
が $x-c$ で割り切れるような正の整数 $a,\ b,\ c$ を全て求めてください。
 
【ヒント】$5$ が素数なので、とりうる値はかなり制限されます。

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【解答】$x-c$ で割り切れるということは、因数定理によって $f(c)=0$ が成り立つということです。すなわち
 \[f(c)=x(c-a)(c-b)-5=0\]
この式を整理すると
 \[c(c-a)(c-b)=5\]
上の式は $a,\ b$ に関して対称ですから、とりあえず勝手に $a\leq b$ という制限をかけます(あとで外します)。すると
 \[c-b\leq c-a\leq c\]
という不等式が成り立ちます。右辺の $5$ は素数ですから、 3 つの数の積は小さいほうから並べて
 \[(c-b,\ c-a,\ c)=(-1,\ -1,\ 5),\ (1,\ 1\ 5),\ (-5,\ -1,\ 1)\]
の 3 通りしかありません。それぞれの場合について $a,\ b,\ c$ を求めると、
 \[(a,\ b,\ c)=(6,\ 6,\ 5),\ (4,\ 4,\ 5),\ (2,\ 6,\ 1)\]
となります。ここで $a\leq b$ の条件を外すと $a,\ b$ について交換可能ですから、$(6,\ 2,\ 1)$ という組合せが加わります。以上より求める正整数 $a,\ b,\ c$ は
 \[(a,\ b,\ c)=(6,\ 6,\ 5),\ (4,\ 4,\ 5),\ (2,\ 6,\ 1),\ (6,\ 2,\ 1)\]
となります。

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