漸近線付近で正負に発散します
x を logx で割った関数を扱います。
分母が logx ですから、定義される範囲は x > 0 かつ x ≠ 1 です。
今回はいきなりグラフから見てみましょう:
x = e で極小値をとることを f を微分して確認してみましょう。
\[f'(x)=\frac{logx-1}{(logx)^{2}}\]
ですから、f'(x) = 0 とおくと x = e となります。
f'(2) < 0, f'(3) > 0 ですから、f(e) = e は極小値です。
f(x) は分母が logx ですから、x = 1 付近の取り扱いに注意が必要です。
logx は x = 1 を境に符号が入れ替わることに注意して
\[\lim_{x\rightarrow 1+0}logx=+0,\;\; \lim_{x\rightarrow 1-0}logx=-0\]
となりますから、
\[\lim_{x\rightarrow 1+0}f(x)=+\infty ,\;\; \lim_{x\rightarrow 1-0}f(x)=-\infty \]
すなわち 漸近線付近で正負に発散 します。
先ほどの関数に sinx を掛けて振動させます。
それほど複雑な関数ではなさそうですが、この程度であっても手計算で極値を求めることはすでに困難です。試しに微分してみると、
\[f'(x)=\frac{(sinx+xcosx)logx-sinx}{(logx)^{2}}\]
となり、f'(x) = 0 とおいて、
(sinx + xcosx)logx - sinx = 0
という方程式を解かなくてはなりません。どういじってみても、これはちょっと無理です。ちなみに Excel は
f(4.80) = - 3.048, f(7.85) = 3.810, f(11.05) = - 4.593
という極値を出力しています。
原点で急激に立ち上がります
次は対数関数の平方に色々な関数 f(x) を乗じてみます。
まずは基本となる y = (logx)2 のグラフを描いてみます。
y = logx が負となる部分 (x < 1) が正になり、x = 1 で極小値となっています。
念のために微分して確認しておきましょう。
y' = 2logx /x = 0
より logx = 0 となる点、すなわち x = 1 で極値をとりますね。次は cosx を乗じて
y = (logx)2cosx
という関数を作ってみます。
0 < x < 4 のあたりでやや複雑な挙動を見せますが、4 < x からは増幅振動関数となっています。導出は省略しますが、極値を決定する方程式は
x logx tanx = 2
というかなり複雑な形をしています(数値計算でないと解けません)。
続いて y = (logx)2 に√x を掛けて
y = (logx)2√x
という関数を作ってみます。
x = 0 で √x = 0 ですから、原点で急激に立ち上がり、また急速に減衰して極小値を形成します。立ち上がりの様子を知りたいので、原点付近を拡大してみます。
x = 0.02 付近に極大値がありますね。
実際に y を微分して y’ = 0 とおくと
logx (logx + 4) = 0
という方程式が得られます。logx = 0 すなわち x = 1 は極小値を与える x であり、今調べている極大値は logx = 4 すなわち
x = exp(-4) = 0.01832
という極めて原点に近い値となります。
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