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素数の原始根
位数について復習しておきます。位数とは
となるような最小の正整数 であり、
と表しました。ここで素数 についてはフェルマーの小定理
が成り立っています。このとき、もし が上の合同式を満たす最小のベキ指数であるならば、位数は となります。このような条件を満たす正整数 を の原始根(primitive root)とよびます:
すなわち原始根 とは とべき乗をつくっていったときに、ベキ指数が のときに初めて
となるような正整数のことです。
【定義E2】 を満たす を の原始根と定義する。
たとえば においては 乗で初めて と合同になる数が原始根です。具体的に調べてみると …
となるので は の原始根です。また、
となるので も の原始根です。このように原始根は複数存在することもあります。そうすると、 で原始根を取りつくしたかどうか心配になりますが、ここで前回学んだ定理E5を参照します:
【定理E5】素数 を法として、 の任意の正の約数 に等しい位数をもつ整数 、すなわち
を満たす整数 は必ず存在し、
のなかに 個ある。
今は の最大の約数である を考えればいいので、
【定理E6】素数 の原始根は 個あります。
のときは
なので全部で 2 個です。つまり で原始根を取りつくしていることがわかります。素数 のベキ乗表でも、これ以外に原始根が存在しないことを確認しておいてください。

原始根の一般的な定義
必ずしも素数ではない について、原始根を次のように定義します。
【定義E3】 を満たす を の原始根と定義します。
すなわち の原始根とは、ベキ乗して で初めて
となるような正整数 のことです。ただし本講座では当面の間は素数の原始根を扱いますので、一般の原始根についてはあまり気にする必要はありません。
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