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素数の原始根

素数の原始根

位数について復習しておきます。位数とは
ak1(modm)
となるような最小の正整数 k であり、
k=ordm(a)
と表しました。ここで素数 p についてはフェルマーの小定理
ap11(modp)
が成り立っています。このとき、もし p1 が上の合同式を満たす最小のベキ指数であるならば、位数は p1 となります。このような条件を満たす正整数 a=gp原始根(primitive root)とよびます:
p1=ordp(g)
すなわち原始根 g とは g1,g2, とべき乗をつくっていったときに、ベキ指数が p1 のときに初めて
gp11(modp)
となるような正整数のことです。

【定義E2】ordp(g)=p1 を満たす gp の原始根と定義する。

たとえば p=7 においては p1=6 乗で初めて 1 と合同になる数が原始根です。具体的に調べてみると …
313(mod7)3292(mod7)336(mod7)34184(mod7)35125(mod7)36151(mod7)
となるので 37 の原始根です。また、
515(mod7)52254(mod7)53206(mod7)54302(mod7)55103(mod7)56151(mod7)
となるので 57 の原始根です。このように原始根は複数存在することもあります。そうすると、g=3,5 で原始根を取りつくしたかどうか心配になりますが、ここで前回学んだ定理E5を参照します:

【定理E5】素数 p を法として、p1 の任意の正の約数 d に等しい位数をもつ整数 a、すなわち
ordp(a)=dを満たす整数 a は必ず存在し、
1,2,,p1のなかに φ(d) 個ある。

今は p1 の最大の約数である p1 を考えればいいので、

【定理E6】素数 p の原始根は φ(p1) 個あります。

p=7 のときは
φ(6)=φ(2)φ(3)=12=2
なので全部で 2 個です。つまり g=3,5 で原始根を取りつくしていることがわかります。素数 mod7 のベキ乗表でも、これ以外に原始根が存在しないことを確認しておいてください。

Excel 数論 mod7の表で位数を調べる

原始根の一般的な定義

必ずしも素数ではない m について、原始根を次のように定義します。

【定義E3】ordm(g)=φ(m) を満たす gm の原始根と定義します。

すなわち m の原始根とは、ベキ乗して φ(m) で初めて
gφ(m)1(modp)
となるような正整数 g のことです。ただし本講座では当面の間は素数の原始根を扱いますので、一般の原始根についてはあまり気にする必要はありません。

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