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【Excel VBA】絶対値を計算する

x を実数とするとき、x から正負の符号を取り去った値を x の絶対値と定義し、|x| と書きます。 || を絶対値記号とよびます。言い換えると、|x|x が正のときは値をそのまま返し、x が負のときには x を正の値に変える関数です:
(1)|x|={x(x0)x(x<0)
たとえば、x=5 のとき、x の絶対値は |5|=5 となります。x=5 のときは絶対値をとっても元の値を変えません (|5|=5)。

x が複素数のときは、絶対値は拡張定義されます(虚数単位 i の絶対値は |i|=i ではありません!)。x=a+bi で表したとき、x の絶対値は
(2)|x|=a2+b2
として定義されます。この定義にしたがうと、虚数単位は i=0+1i なので、a=0, b=1 として、
(3)|i|=02+12=1
となります。同様の計算で |i|=1 であることもわかります。

この記事では、Exel の ABS や VBA の Abs 関数で絶対値を計算する方法について解説します。 

【Excel】ABS関数で絶対値を計算する

ExcelABS 関数は引数の絶対値を返します。たとえば、適当なセルに

=ABS(-35)

と入力すると、-35 の絶対値 35 を返します。ただし、引数に複素数を渡すことはできません。複素数の絶対値を計算する場合は IMABS 関数 を使ってください (≫ IMABS 関数の使い方は、こちらの記事で説明しています

ABS関数を使って、sinx の絶対値、y=|sinx| のグラフをワークシートに表示してみましょう。下図を参照にデータを作成してください。

Excelのワークシートにy=abs(sinx)のデータ作成

変数 x の刻み幅は Δx=π/32 とします。セル G4 に

=PI()/32

と入力します。x のマイナス側の端点は 2π とします。セル C5 には

2*PI()

と入力してください。セル C6 には 2π に刻み幅を δx を加えた値を入れます。セル G4 を相対参照して

=C5+$G$4

と入力します。あとはオートフィルで x が 6.283 … になるまでデータを埋めてください。C 列と D 列のデータを使って散布図を作成すると次のようなグラフが表示されます。

Excel sinx の絶対値のグラフ

【VBA】Abs関数で絶対値を計算する

VBA の Abs() は引数の 絶対値 を返します。戻り値は引数と同じ型になります。Abs は絶対値を意味する Absolute Value の略です。

以下のコードは InputBox に任意の数値を入力して、その絶対値を返すマクロです。

'[VBA] Absolute Value

'InputBoxに入力された数値の絶対値を返すプロシージャ
Sub Absolute()
  Dim x As Double, a As Double
  x = InputBox("数値を入力してください")
  a = Abs(x)
  MsgBox (a)
End Sub

Absolute() を実行すると数値を入力するように促されるます。
たとえば「-10」を入力すると絶対値「10」が返ってきます。

一次関数の絶対値 y = |x| のデータをシートに揃えるマクロを載せておきます。

'[VBA] xとxの絶対値のデータを出力するプロシージャ

Sub Absolute_x()

  Dim i As Double
  i = -8
  Range("A1") = "x"
  Range("B1") = "y=|x|"
  Range("A2").Select

  Do While i <= 8.01
    ActiveCell.Value = i
    ActiveCell.Offset(, 1).Value = Abs(i)
    ActiveCell.Offset(1).Select
    i = i + 0.2
  Loop

End Sub

Absolute_x() によって得られたデータを使うと、次のような絶対値付一次関数のグラフを描けます。

VBA絶対値

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