【Excel】対数計算
対数関数 (logarithm) は指数関数の逆関数として定義され、
\[y=\log_a{x}\]
のように書き表します。このとき、$x$ と $y$ は
\[x=a^y\]
の関係を満たします。$a$ を「底」とよびます。少しわかりにくいかもしれませんが、「$a$ を何乗したら $x$ になるか」を考えると、$y$ を計算できます。具体例で考えてみましょう。$a=2,\ x=8$ とすると、
\[y=\log_{2}8\]
と表せます。指数関数の形に書き直すと、
\[8=2^y\]
となります。「$2$ を何乗したら $8$ になるか」を考えると、$y=3$ であることがわかります ($2^3=8$)。
特に底 $a$ を $10$ とする
\[y=\log_{10}x\]
を常用対数 (common logarithm) 、底 $a$ を ネイピア数 $e$ とする
\[y=\log_e x\]
を自然対数 (natural logarithm) とよびます。ネイピア数 $e$ は
\[e = 2.7182818\cdots\]
という無理数です。Excel の EXP関数を用いて
=EXP(1)
と入力すると、ネイピア数の 15 桁までの値を知ることができます。
エクセルには対数を計算するために、LOG, LN, LOG10 が用意されています。それぞれ「ログ」、「ログナチュラル」、「ログテン」と読みます。LOG 関数を使って、$\log_3 100$ を計算してみましょう。LOG 関数の引数は (真数, 底) の順に指定します。適当なセルに
=LOG(100,3)
を入力すると「4.191806549」を返します。
【Excel】LOG
LOG は第2引数を底とする第1引数の対数の値を計算します。
=LOG(数値, 底)
数値、底ともに正の値を指定します。たとえば
=LOG(8,2)
と入力すると $\log_2 8$ を計算して「 3 」を返します。
【Excel】LOG10
LOG10 は $10$ を底とする常用対数の値を計算します。
=LOG(数値)
引数に 0 または負の値を指定すると「 #NUM! 」のエラーが返ります。たとえば
=LOG10(10)
と入力すると $\log_{10} 10$ を計算して「 1 」を返します。
【Excel】LN
LN は指定した数値の自然対数の値を計算します。
=LN(数値)
たとえば
=LN(10)
と入力すると $\log_e 10$ を計算して「 2.302 … 」を返します。 $e$ のべき乗を計算する EXP関数を用いて
=LN(EXP(1))
と入力すると $\log_e e$ を計算して「 1 」を得ます。引数に 0 または負の値を指定するとエラーとなります。
他にも Excel には、複素数の対数を計算するために、IMLN, IMLOG10, IMLOG2 が用意されています。これらの関数を使う機会はあまりないかもしれませんが、一応載せておきます。
【Excel】IMLN
IMLN は渡した引数の自然対数を計算します。
=IMLN(複素数)
たとえば、複素数 $1+i$ の自然対数 $\log_e(1+i)$ を計算するときは、
=IMLN("1+i")
と入力します(複素数は文字列形式で渡すことに注意してください)。実数も複素数に含まれるので、IMLN に普通の数値を渡しても構いません。たとえば、
=IMLN(3)
と入力すると、$\log_e 3$ を計算して「1.0986 …」が返ります。
【Excel】IMLOG10
IMLOG10 は受け取った複素数の常用対数を計算します。
=IMLOG10(複素数)
たとえば、複素数 $5+19i$ の常用対数 $\log_{10}(5+19i)$ を計算したい場合、
=IMLOG10("5+19i")
と記述します。整数や有理数の常用対数を IMLOG10 で計算することもできます。たとえば、
と入力すると、$\log_{10}100$ を計算して「 2 」を返します。
【Excel】IMLOG2
IMLOG2 は複素数の二進対数を計算します。
たとえば、複素数 $7+2i$ の二進対数を計算するときは、
と記述します。数値を IMLOG2 に渡して二進対数を計算することもできます。たとえば、
と入力すると、$512$ の二進対数 $\log_{2}512$ を計算して「 9 」を返します。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください
ChatGPT に Excel で自然対数を計算する方法について尋ねました
[Q] Excel で自然対数を計算する関数を、予備校で授業するように教えてください。
[ChatGPT] Excelで自然対数を計算する関数は、「LN」です。自然対数とは、底がネイピア数(e)である対数のことを指します。Excelで自然対数を計算する場合は、「LN(引数)」という形式で関数を使用します。引数には自然対数を計算したい数値を指定します。たとえば、「LN(10)」という式は、底がeである10の自然対数を計算します。また、Excelで自然対数の底であるネイピア数を使用する場合、「EXP(1)」という関数を使用することができます。これは、eを表す特別な数値であり、自然対数を計算する際に非常に便利です。例えば、「LN(EXP(1))」という式は、ネイピア数の自然対数を計算します。Excelの自然対数を計算する関数は、数学や統計学などの科学的な分野でよく使用されます。予備校でExcelを学ぶ際には、自然対数の計算方法をしっかりと理解し、応用問題にも対応できるようになることが大切です。