小さなピークと大きなピーク
微分積分ではおなじみのカテナリー曲線
\[y=\frac{a(e^{x/a}+e^{-x/a})}{2}\]
において $a=1$ とし、$\sin x$ を入れ子にした合成関数
\[f(x)=\frac{1}{2}\{\exp(\sin x)+\exp(-\sin x)\}\tag{1}\]
を考えてみます。この関数は周期に関して面白い性質があります。合成関数の微分公式を使って導関数を求めると、
\[\begin{align*}f'(x)&=\frac{1}{2}\{\cos x\exp(\sin x)-\cos x\exp(-\sin x)\}\\[6pt]
&=\frac{1}{2}\{\exp(\sin x)-\exp(-\sin x)\}\cos x\end{align*}\]
$y’=0$ とおくと、極値を求める方程式
\[\begin{align*}&\cos x=0&\quad (2)\\[6pt]
&\exp(2\sin x)=0&\quad (3)\end{align*}\]
が得られます。(3) から $\sin x=0$ なので、$y=f(x)$ は $\sin x=0$ または $\cos x=0$ となる点、すなわち
\[x=\cdots,\ -\pi,\ -\frac{\pi}{2},\ 0,\ \frac{\pi}{2},\ \pi\, \cdots\]
で極値をとることになります。実際に Excel でグラフを描いてみると、次のようになります。
$x=n\pi$ で極大値、$x=1/2+n\pi\ (n=0,\ \pm 1,\ \pm 2\, ……)$ で極小値となっています 。(3) を一般化して、
\[p(x)=\frac{1}{2}\left\{\exp(q(x))+\exp(-q(x))\right\}\]
という合成関数を定義して、色々な $q(x)$ を選んでグラフを Excel で描いてみます。$q(x)=\cos 2x+\sin x$ としてみると ……
小さなピーク が 2 回続いたあとに、大きなピーク が 1 回現れるという周期をもつ関数です。次は
\[q(x)=\frac{\cos x}{x^2+1}\]
としてみます。
原点にピークを1つだけもつグラフです。これを少し変形して
\[q(x)=\frac{x\cos x}{x^2+1}\]
としてみると ……
原点付近で大きく振動し、両端に向かって減衰していくグラフです。
$q(x)$ の $\cos x$ を $\sin x$ に変えて
\[q(x)=\frac{x\sin x}{x^2+1}\]
としてみると、次のようなグラフが描かれます。
【数学日記】WordPressではトップページを固定できます
一般的にブログは最新記事が常にトップページ (ホーム) に表示される仕様になっています。しかし、サイトはトップページが固定されていて、そこに各ページへのメニューリンクが並ぶのが普通です。当サイト「 Excel VBA 数学教室」のトップページも常に固定されています。そこにはサイトの趣旨などが説明されていて、いわゆる案内板の役目を果たしているのです。実は WordPress では
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のどちらかを簡単な操作で選択できます。私が WordPress を使うことに決めたのは、この点が非常に魅力的に感じられたからです。姉妹ブログである「Excel VBA 数学実験室」では、「面白い問題を作りましたよ」とか「こんなグラフをエクセルで書いてみましたよ」など、気の向くままに記事を書くというスタイルで、一方の「数学教室」では「 Excel 数学講座」や「数値解析」、「類型別問題研究」など、複数のメニューを系統的に組み立てる方針で運営しています。そして相互にリンクを貼ることで、「実験室」と「教室」を行き来できるようになっているのです。
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