数学よもやま話です。今回は「0は0の約数」なのかというテーマを扱ってみます。まずは約数の定義を再確認しておきましょう。
【約数の定義①】整数 N, a に対して、ある整数 b が存在して N = ab が成り立つとき、a を N の約数とする。
この定義において、a に 0 も含めていいのかどうか、というのが今回の主題です。
0は0の約数?
上の定義式の a に 0 を入れてみると、
0 = 0 × b
となります。この式をみると、0 は 0 の約数であることになります。これはこれで特に問題なさそうですが、「うーむ。どうもなあ」と違和感を覚える人もおられるかもしれません。そこでやはり 0 だけは例外にして、つまり a ≠ 0 という条件をつけて、
[約数の定義②] 整数 N, a (a ≠ 0) に対して、ある整数 b が存在して、N = ab が成り立つとき、a を N の約数とする。
とする方法もありそうです。実は … 約数の定義はどちらでも正解なのです。それは数学者それぞれの流儀のようなもので、本によって定義が違っていたりします。でもやはり「0 はどの数の約数にもならない」という ② のほうが主流のようです。このあたりは好みが別れるところだと思いますけど、私個人としては ① のほうが好きです。なるべく条件をつけないほうが定義として美しいと思うからです。皆さんはどちらが良いと思いますか? 記事の一番下にあるコメントフォームから意見をお寄せください。コメント欄を掲示板代わりに使って皆さんで活発に議論してもらえると嬉しいです。
エクセルや数学に関するコメントをお寄せください