整数の合同と不合同

整数の合同と不合同

 1 に 7 を加えながら数字を並べてみます。
 
\[1,\:8,\:15,\:22,\:29,\:36,\:43,\:50,\:\cdots\]
 並べた数字はいずれも 7 で割ると 1 余ります。そこで、これらは同じ種類の数であると考えて $\equiv$ という記号で結ぶことにします。
 
\[1\equiv 8\equiv 15\equiv 22\equiv 29\equiv 36\equiv 43\equiv 50\equiv \cdots\quad (\mathrm{mod}\;7)\]
 このように $\equiv$ で結ばれた数を「 7 を法として合同である」といいます。$\mathrm{mod}\;7$ は 7 を法とすることを明示する記号です。しかしたとえば 18 という数は上のグループに含まれていないので (7 で割ると 4 余ります) 、
 
\[18\not\equiv 29\quad (\mathrm{mod}\;7)\]
のように書いて、18 と 29 は「 7 を法として不合同である」といいます。一般に整数 $a,\:b$ をそれぞれ $m$ で割ったときに余りが等しければ、$a$ と $b$ は $m$ を法 (modulus) として合同 (congruent) である といい、
 
\[a\equiv b\quad (\mathrm{mod}\;m)\]
と書きます。ここで $a,\:b$ はそれぞれ整数 $s,\:t,\:r$ を用いて
 
\[a=ms+r,\quad b=mt+r\]
のように書くことができます。$r$ は $a,\:b$ を $m$ で割ったときの余りです。すると
 
\[a-b=m(s-t)\]
となるので、$a-b$ は $m$ で割り切れます。逆に $a-b$ は $m$ で割り切れるのなら、
 
\[a-b=mk\]
なので、
 
\[b=mq+r,\:\: a=m(k+q)+r\quad (0\leq r\lt m)\]
となって、$a,\:b$ を $m$ で割ったときの余りは等しくなります。これを用いて合同の定義をまとめると次のようになります。

[定義 C1] $a,\:b$ を整数、$m$ を自然数とします。
 $a-b$ が $m$ で割り切れるとき、$a$ と $b$ は法 $m$ について合同であるといい、
\[a\equiv b\quad (\mathrm{mod}\;m)\]と表します。$a-b$ が $m$ で割り切れないとき、$a$ と $b$ は法 $m$ について不合同であるといい、
\[a\not\equiv b\quad (\mathrm{mod}\;m)\]と表します。

 記号を使って手短に書くと次のようになります。

[定義 C1] $a,\:b\in\mathbb{Z},\quad m\in\mathbb{N}$
  $a\equiv b\quad (\mathrm{mod}\;m)\quad\Longleftrightarrow\quad m\:|\:a-b$
  $a\not\equiv b\quad (\mathrm{mod}\;m)\quad\Longleftrightarrow\quad m\mid \hspace{-.67em}/\:a-b$

 具体例を載せておくので、実際に $a-b$ が $m$ で割り切れるか確認してみてください。
 
\[\begin{align*}&11\equiv 19\quad (\mathrm{mod}\;2)\\[6pt]
&7\equiv 32\quad (\mathrm{mod}\;5)\\[6pt]
&130\equiv 200\quad (\mathrm{mod}\;10)\\[6pt]\end{align*}\]
 ≫ 同値関係(反射率、対称律、推移律)  ≫ 初等整数論入門講座

スポンサーリンク
スポンサーリンク
末尾広告
末尾広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください