久しぶりになんとなくの数学日記です。つまり私のブログです。「数学日記」といいながら、このコーナーでは普段ほとんど数学の話をしないのですけど、今回は真面目に数学の話をします。
大学入学共通テスト【数学ⅠA】プレテスト
2020 年からセンター試験に代わって導入予定の大学入学共通テストの試行調査(プレテスト)が実施されました。私もネットで数学ⅠA の問題をダウンロードしてざっと見渡してみました。第1問ではソフトを使って 2 次関数の係数を変えながら、グラフの変化する様子を見るという設定の問題が出題されました。個人的には
「これは面白い問題だね! グッジョブ!」
と感心しました(普段私がExcelでやっているようなことです)。
新しい試験方式には色々と首を傾げざるをえない点も多々あるのですが(別に予備校の講師などをしているわけでもないので、そんなことで悩まなくてもいいですが)、こと数学に関しては全体的に見て
「センター試験のときよりも断然いい! でも難しくなってる! 私が受験生の時に出題されなくてよかった!」
という感想を抱きました。自分勝手な感想だなと思われるかもしれませんが、それはさておいて、太郎君と花子さんがあれこれ相談しながら正解に近づいていくというスタイルも斬新でいいですね。花子さんはとても優秀な学生さんで正しい解答へと導いてくれますが、太郎君はかなりぶっとんだキャラです。たとえば第 2 問は ∠A が 60° の三角形 ABC について
X = 4 cos2B + 4 sinC - 4√3 cosB sinC
の値を求めるのですが、太郎君は
「B = 13° を代入すると、ぴったりではないけど、四捨五入して X = 1 になる。だから A = 60°, B = 13° のときは X = 1 になるということが言える」
というような結論を出します。私は問題を読みながら思わず
「…いえ、太郎君、そりゃあまりに無茶でしょ。なってないよね? X = 1 になってないよね? 勝手に端数を落としたよね? 自分でそう言ったよね? それってほとんど小春ちゃん的発言だよね?」
と心の中でツッコミました。しかも太郎君は続けて
「A = 60° ならば X = 1 という命題が真であると証明できた」
というトンデモ発言です。
「…いや、そんなに自信満々に断言されても…なんで A だけで決まる? B はどこにいった? ていうかさっき、B = 13° のときを自分で計算したよね? もしかしてウケを狙ってわざと言ってる?」
太郎君は、かなり困ったキャラです。
この自信満々な態度に惑わされると解答を誤りますのでご注意ください。
ところで、このサイトで対話形式の問題といえば、こばとちゃんと(小さい頃の)マリちゃんの算数問題です。これからは、この二人が登場する問題をもうちょっと増やしてみようかとも思っています。「マリちゃんて誰?」と思う人は、こばとの英語ノートも読んでください(← しつこい)
あ、そうそう、最後にひとつだけ。選択問題の1つに整数を扱ったものがありましたけど、これはまさに現在連載中の整数論入門講座で扱っている内容が背景にあります。1次合同方程式の定理を上手く背後に隠して、高校生が理解できるような問題に仕上げています。とはいえ、やはり背景も知っておいたほうがいっそう理解が深まると思うので、ぜひ講座のほうもよろしくです(という宣伝)。
大学入学共通テストとセンター試験の違い
Google Bard に大学入学共通テストとセンター試験の数学科目の違いについて尋ねてみました。
[Bard] 大学入学共通テストの数学は、センター試験と比べて以下の点で大きく変化しています。
出題範囲が拡大:センター試験では、数学I・数学Aと数学II・数学Bの2科目で出題されていましたが、共通テストでは数学ⅠA・ⅡA・ⅡB・Ⅲの4科目で出題されるようになりました。これにより、応用的な問題や発展的な問題が出題される可能性が高くなりました。
問題の傾向が変化:センター試験では、知識や計算能力を問う問題が中心でしたが、共通テストでは思考力や判断力、表現力を問う問題が増えています。具体的には、以下の問題が増えています。
* 文章題や図形問題など、問題文の文章量が多い問題
* 複数の知識や技能を組み合わせて解く問題
* 論理的に考えながら解答する必要がある問題
試験時間が変更:センター試験では、数学I・数学Aは60分、数学II・数学Bは60分で試験が行われていましたが、共通テストでは数学ⅠAは70分、数学ⅡA・ⅡB・Ⅲは60分で試験が行われています。これにより、数学ⅠAではセンター試験よりも10分長い時間で試験を受けることができます。
これらの変化により、大学入学共通テストの数学では、単に知識や計算能力を身につけるだけでなく、思考力や判断力、表現力も身につけておくことが重要になっています。具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
・基礎的な知識や計算力をしっかりと身につける
・文章題や図形問題などの問題演習を増やす
・複数の知識や技能を組み合わせて解く問題や、論理的に考えながら解答する必要がある問題を解く練習をする
また、共通テストの数学では、時間配分も重要です。長文の問題や難易度の高い問題が増えているため、時間配分を計画的に行う必要があります。
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