(10 a + 1) (10 b + 1) 型掛け算
以前に 1 の位が 1 である数の平方計算を扱いましたが、今回は平方以外の次のような末位の数が 1 の数同士の掛け算を解説します。
訓練課程では図のように “/” で 3 つに区切ると計算しやすいです。
① 左側の数同士を掛けた数を一番左側に書きます。
② 左側の数同士を足した数を真ん中に書きます。
③ 1 の位はいつでも 1 となります。
④ 真ん中が 2 桁の数なら左側に繰り上がらせます。
このように計算できる根拠は、
(10 a + 1) (10 b + 1) = 100 a² + 10 (a + b) + 1
と展開できることにあります。さっそくいくつかの例で試してみましょう。
11 × 31 = 3/4/1 = 341 21 × 51 = 10/7/1 = 1071 41 × 71 = 28/11/1 = 2911
問題① 次の式を計算してください
(1) 31 × 61 (2) 21 × 91 (3) 61 × 91 (4) 81 × 91
問題①の解答
(1) 31 × 61 = 18/9/1 = 1891
(2) 21 × 91 = 18/11/1 = 1911
(3) 61 × 91 = 54/15/1 = 5551
(4) 81 × 91 = 72/17/1 = 7371
3 桁 × 2 桁の計算への応用
上の計算ができれば次のような計算も簡単です。
121 × 41 = 4100 + 21 × 41 = 4100 + 861 = 4961 141 × 51 = 5100 + 41 × 51 = 5100 + 2091 = 7191 191 × 91 = 9100 + 91 × 91 = 9100 + 8281 = 17381
問題② 次の式を計算してください
(1) 131 × 21 (2) 151 × 71 (3) 161 × 31 (4) 171 × 81
問題②の解答
(1) 131 × 21 = 2100 + 31 × 21 = 2100 + 651 = 2751
(2) 151 × 71 = 7100 + 51 × 71 = 7100 + 3621 = 10721
(3) 161 × 31 = 3100 + 61 × 31 = 3100 + 1891 = 4991
(4) 171 × 81 = 8100 + 71 × 81 = 8100 + 5751 = 13851
速算が最も効果を発揮する科目は?
速算術が威力を発揮するのはやはり大学入試(数学・物理・化学)や資格試験(数学検定・簿記)など各種試験でしょう。試験には制限時間がありますから、やはり計算が速ければそれだけ時間を節約できるのでかなり有利になることは間違いありません。
ところで大学入試の科目の中で速算がもっとも役立つ科目は何でしょう? え? そりゃ数学でしょ? うーん。どうでしょうね。意外にもそうとは言い切れないかもしれませんよ。数学はスマートな解法が思いつけば、さほど計算力が問われない問題も多いですからね。私としては濃度や比の計算などで四則演算を多用する「化学」で最も有効なのではないかと思ったりするのですが …… 皆さんからも「こういう場面で役立ったよ」というような声をお聞かせいただけると嬉しいです。
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