水星 (Mercury) は太陽系で一番小さな惑星です

 前回は太陽系最大の惑星である木星について書きましたけど、今回は一番小さな惑星のお話です。水星がどのくらい小さいのか実感するために、地球と並べてみましょう。

 水星と地球の比較

 小さいですねー! 赤道半径で比較すると地球が 6400 km であるのに対して 水星の半径は 2400 km しかありません。実は木星の衛星ガニメデや土星の衛星タイタンよりも小さいのです。でも地球の月 (1700 km) よりは少し大きいですよ。
 

暑かったり寒かったり

 学校で「水金地火木土天海」と習いますね。水星は太陽にいちばん近い惑星なんです。なので「さぞや暑い所なんだろうなー」と想像しますよね。昼間はまさにその通り。その最高温度は 400 ℃ に達します! 思わず「うぎゃああ!」と叫びたくなるほどの暑さです。
 ところが、夜間にはなんと氷点下 160 ℃ まで下がってしまいます! 水星には大気がほとんどないので、熱をかき混ぜることができずに、こういう昼夜の極端な温度差になってしまうのです。
 

1日がとっても長いのです

 水星の自転周期は 58 日です。とてもゆっくりですよね。でもこれは水星の1昼夜の長さではありません。ちょっと難しいのですけど、下図を見てください(面倒だと思ったらこのへんは読み飛ばしてね)。

 水星の自転と公転説明図

 仮に惑星が自転をしていないと仮定します(最初の図)。緑の矢印は自転の目印です。自転していない場合は矢印の向きは変わりません。実のところ、惑星は自転していなくても昼夜が移り変わるのです。真昼のところに居た人からすると、しばらく公転した後では太陽の位置は変わってしまいますね。
 そして図にあるように、自転は公転による昼夜の交代と打ち消すような効果をおよぼします。水星は約 88 日かけて太陽の周りをめぐっています。つまり水星は太陽の周りを 2 回めぐっている間に間に 3 回自転していることになり、その兼ね合いを計算すると1日の長さは 176 地球日となります。つまり 88 地球日の間は猛烈に暑い昼が続き、そのあと 88 地球日の間は凍えるように寒い夜が続くのです。
 

いざ水星へ!

 さて、水星を探査しようとなると色々と難しい問題があります。探査機は水星のまわりを周回させなければいけないので、昼間の部分に入ると機器が猛烈な暑さに晒されることになります。加えて太陽の強大な重力が探査機を引張るので、周回軌道に戻してやるためにたくさんの燃料を使って減速させなくてはなりません。もう大変です。だからといって
「こりゃ無理だな。諦めよう ...... 」
なんてことは微塵も思わないのがアメリカ人のフロンティア・スピリッツ(開拓精神)なのです!
「なにい!? そんな危険な場所なのか! よし行ってやろう!」
というように未知の領域へどんどん挑んでいく精神は日本人も見習いたいところですね。そんなわけで、NASA は 2004 年に水星探査機メッセンジャー (Mercury surface space environment geochemistry and ranging) を打ち上げ、2011 年には軌道投入に成功しました。

 水星探査機メッセンジャー

 そして 2015 年まで水星を観測し続けていたのです。
 大したもんですね、本当に。
 そしてメッセンジャーが撮影した水星の最新画像がこれです!

 メッセンジャーが撮影した水星写真
 

氷を発見しました!

 こういう探査はいつも常識を覆すような報告をもたらしてくれます。科学は机上で理屈ばかりこねていても前に進みません。どんな現象もその目で直接確かめなくてはならないのです。
 先程も説明したように、水星の表面は昼間には猛烈な陽射しに晒されますから、
「水なんてすぐに蒸発してなくなっちゃうよね」
と考えるのが普通です。
「まあ仮に陽射しの当たらないような地形に隠れて氷があったとしても、真空に近い状態だから、やっぱり昇華しちゃうよね」
と考えるのが科学的にも常識です。ところがメッセンジャーはなんと
「氷を見つけたよ」
と報告してきたのです! しかも大量に! 極地で昼間にも太陽に晒されない場所にあり、しかもレゴリス(細かい砂)が氷を覆っていたので、昇華を免れていたようなのです。この氷がいったいどこからやってきたのかはよくわかっていません。「彗星(氷のかたまり)が衝突したにちがいない」とか「水星内部から沸きだしたにちがいない」など色々と議論になっていますが、結論が出るのはもう少し先になるでしょう。

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