小さな工学生命体こばとちゃんには、かばねちゃんというお姉さんがいます。こばとちゃんよりちょっぴり背が高くて、うんと大人っぽくて、とっても美人の人工生命体です。今から 30 年ほど前のことですが、こばとちゃんとかばねちゃんは ジグソーパズル にはまっていたことがありました。 2 羽で一緒に綺麗な景色や名画のジグソーパズルをたくさん作って部屋に飾っていましたよ。ということで、こんな問題をひとつ。
【算数問題20】ジグソーパズルは何日で完成する?
こばとちゃんとかばねちゃんがジグソーパズルを作ることにしました。仮にこばとちゃんだけで作ると完成まで 8 日かかり、かばねちゃんだけで作ると 6 日かかります。 2 羽で一緒に作ると何日で完成しますか。
【ヒント】仕事算 とよばれる種類の有名な問題です。1 日にどれだけ仕事をするのか ということを考えながら解きます。
これは解説用の図ですから丁寧に描いてありますが、全体のイメージさえ掴めれば、もっと簡単でいいですよ。こばとちゃん 1 羽で作業した場合は 8 日で終えるのですから、図にあるように 1 日の仕事量は全体を 8 等分したものになっているはずです。かばねちゃんは 6 日で終えられるので 6 等分ですね。では 2 羽で力を合わせると …
こういう感じの図になりますね。この段階ではまだ答えがわかっていないので、このようにイメージ図ですませます。こういう大雑把なイメージ図が描けるかどうかが、算数では重要になってきます。
「仕事算」の解き方でよく説明されるのは、「全体の仕事量を 1 とおく」というやり方です。必ずしもその解き方が最良でないこともありますけど、基本を知っておくことは大切なので、まずそのやり方でやってみましょう。
【解き方①】全体の仕事量を 1 とおくと、図の比例関係から
こばとちゃんの 1 日の仕事量 = 1 / 8 かばねちゃんの 1 日の仕事量 = 1 / 6
となりますね。そこで 2 羽で力を合わせると
2 羽で力を合わせたときの 1 日の仕事量 = 1 / 8 + 1 / 6 = 7 / 24
となります。全体の仕事量 1 を 7 / 24 で割ると
完成までの日数 = 1 ÷ 7 / 12 = 24 / 7
となりますが、ここで最後の詰めを怠らないように! 24 / 7 を計算すると
24 / 7 = 3 + 3 / 7
となって余りが出ます。この余りは最後の日もちょっとだけ作業するという意味ですね。問題文には「何日で完成しますか」と書かれているのですから、答えは
3 + 1 = 4 日
と答えなくてはなりません。
【解き方②】しかし「 1 を 1 より大きい数字で割るというのも、何だか嫌だなあ」と言う人もいるかもしれません。やはり全体の量は大きめにとっておいたほうが、私たちの実際の感覚にも合いますね。実はこの全体の仕事量は比例計算に使うだけですから、好きな数字を入れて構わないのです。
そこで全体の仕事量 6 と 8 の最小公倍数である 24 とおいてみます。
すると図の比例関係から
こばとちゃんの 1 日の仕事量 = 24 / 8 = 3 かばねちゃんの 1 日の仕事量 = 24 / 6 = 4
というように 1 日の仕事量がすっきりと整数で表せます。 2 羽で力を合わせると
2 羽で力を合わせたときの 1 日の仕事量 = 3 + 4 = 7
となります。全体の仕事量 24 を 7 で割ると
24 / 7 = 3 + 3 / 7
ですから、答えは
3 + 1 = 4 日
となります。
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