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【確率】くじ引きの順番

【PS26】条件付き確率

XY2 つの箱があります。
X には 赤い球 4 個 と 青い球 3 個 が入っています。
Y には 赤い球 2 個 と 青い球 5 個 が入っています。

Excel グラフィック 箱の中に赤玉・青玉
抽選によって 1 つの箱を選び、その箱から 1 つの球を取り出すものとします。次の各問に答えてください。
(1) 取り出した球が赤色である確率 p を求めてください。
(2) 取り出した球が青色である確率 q を求めてください。
(3) 取り出した球が青色であったとき、その球が Y の箱から取り出されたものである確率を求めてください。

【ヒント】(3) が少し難しい問題です。確率の乗法定理を上手く活用します。

【考え方】事象 A が起こったときに事象 B が起きる条件付き確率を PA(B) と表すと、
P(AB)=P(A)PA(B)
が成り立ちます。これを確率の乗法定理とよびます。事象 A と事象 B時間経過の順序は問わない ということに注意してください。つまり「取り出した球が青色である」事象 A が起こったときに、「球が Y の箱から取り出される」事象 B が起こる確率を計算する、というように時間を遡るようにして考えることもできるのです。
 
【解答】(1) X の箱を選んで、赤い球を取り出す確率は
12×47=27
であり、Y の箱を選んで、赤い球を取り出す確率は
12×27=17
なので、求める確率 p
p=27+17=37
となります。

(2)「取り出した球が青色である」という事象は「取り出した球が赤色である」事象の余事象なので、(1) の結果を用いて
q=1p=137=47
(3)「取り出した球が青色である」事象を A とし、「球が Y の箱から取り出される」事象を B とします。それぞれの事象が起こる確率を P(A), P(B)、事象 A が起こったときに事象 B が起こる条件付き確率を PA(B) で表すと、次の乗法定理が成り立ちます。
P(AB)=P(A)PA(B)
ここに、P(AB) は事象 AB がともに起こる確率、すなわち「球が Y から取り出され、かつ青色である」確率を表し、次のように計算できます。
P(AB)=12×47=27
また、P(A) は (2) で求めた q のことです:
P(A)=q=47
したがって、乗法定理より
PA(B)=P(AB)P(A)=2/74/7=12
となります。

【PS27】くじ引きの順番

N 本のくじがあって、その中に k 本の当たりくじが入っているものとします。ただし、N2, k<N とします。小夜子(さよこ)さんと路子(みちこ)さんの 2 人が、この順にくじを引きます。

(1) 小夜子さんが当たりくじを引く確率を求めてください。

(2) 小夜子さんが引いたくじを元に戻さない場合、路子さんが当たりを引く確率 P(N, k) を求めてください。また、P(10, 3) を計算してください。

(3) 小夜子さんがハズレを引いたときだけ、そのくじを元に戻すようにした場合、路子さんが当たりを引く確率 Q(N, k) を求めてください。また、Q(10, 3) を計算してください。

(4) R(N, k)=P(N, k)Q(N, k) を求めて、k=N/5 のときの R を計算してください。

【ヒント】(1) と (2) は くじ引きは引く順番によらず公平である という有名な法則の確認問題です。(3) は少しだけ条件を変えるので、この法則は当てはまりません(ハズレが戻されてしまうので、路子さんは少しだけ不利になります)。(4) では (2) と (3) それぞれの条件において、路子さんの当たる確率にどれぐらいの差があるかを確認します。
 
【解答】(1) N 本のくじの中に k 本の当たりが入っているので、小夜子さんがが当たりを引く確率は kN です。

(2) 小夜子さんが当たりを引いた場合、全体の数 N が1つ減って、当たりくじの数 k も1つ減るので、路子さんが当たりを引く確率は、
(B1)kN×k1N1=k(k1)N(N1)
となります。また、小夜子さんがハズレを引くと、全体の数 N は1つ減りますが、当たりくじの数 k はそのままなので、路子さんが当たりを引く確率は、
(B2)NkN×kN1=k(Nk)N(N1)
となります。「小夜子さんが当たりを引いて路子さんが当たりを引く」という事象と「小夜子さんがハズレを引いて路子さんが当たりを引く」という事象は互いに独立なので、求める確率は (B1) と (B2) を足し合わせて
P(N, k)=k(k1)N(N1)+k(Nk)N(N1)=kN
となります(くじ引きは引く順番によらず当たる確率が変わらない という法則が証明されました)。N=10, k=3 とすると、
P(10, 3)=310
となります。

(3) 小夜子さんが当たりを引いた場合、それは戻さないので、全体の数 N が1つ減って、当たりくじの数 k も1つ減るので、路子さんが当たりを引く確率は、
(B3)kN×k1N1=k(k1)N(N1)
となります。小夜子さんがハズレを引くと、それを元に戻すので、全体の数 N は変わらず、当たりくじの数 k もそのままなので、路子さんが当たりを引く確率は、
(B4)NkN×kN=k(Nk)N2
となります。したがって、求める確率は (B3) と (B4) を加えて
Q(N, k)=k(k1)N(N1)+k(Nk)N2=kNN22N+kN1
で与えられます。N=10, k=3 とすると、
Q(10, 3)=83300
となります(これは (2) で計算した P(10, 3)=90/300 よりも僅かに小さな値となっています)。

(4) (2) と (3) の結果を用いて R(N, k)=P(N, k)Q(N, k) を計算すると、
R(N, k)=kNkNk(N22N+k)N1=kNNkN(N1)
となります。k=N/5 を代入すると、
R(N, N5)=425(N1)
が得られます (RN に反比例します)。

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