条件付き確率/くじ引きの順番

 

PS-26 条件付き確率

 $X$ と $Y$ の $2$ つの箱があります。
 $X$ には 赤い球 $4$ 個 と 青い球 $3$ 個 が入っています。
 $Y$ には 赤い球 $2$ 個 と 青い球 $5$ 個 が入っています。

 Excel グラフィック 箱の中に赤玉・青玉

 抽選によって $1$ つの箱を選び、その箱から $1$ つの球を取り出すものとします。
 次の各問に答えてください。
 
(1) 取り出した球が赤色である確率 $p$ を求めてください。
(2) 取り出した球が青色である確率 $q$ を求めてください。
(3) 取り出した球が青色であったとき、その球が $Y$ の箱から取り出されたものである確率を求めてください。
 

PS-26 のヒント(確率の乗法定理を使います)

 (3) が少し難しい問題です。確率の乗法定理を上手く活用します。
 

PS-26 の考え方

 事象 $A$ が起こったときに事象 $B$ が起きる 条件付き確率 を $P_{A}(B)$ と表すと、
 
\[P(A\cap B)=P(A)P_{A}(B)\]
が成り立ちます。これを確率の乗法定理とよびます。事象 $A$ と事象 $B$ の 時間経過の順序は問わない ということに注意してください。つまり、「取り出した球が青色である」事象 $A$ が起こったときに、「球が $Y$ の箱から取り出される」事象 $B$ が起こる確率を計算する、というように時間を遡るようにして考えることもできるのです。
 

PS-26 の解答

(1) $X$ の箱を選んで、赤い球を取り出す確率は
 
\[\frac{1}{2}\times\frac{4}{7}=\frac{2}{7}\]
であり、$Y$ の箱を選んで、赤い球を取り出す確率は
 
\[\frac{1}{2}\times\frac{2}{7}=\frac{1}{7}\]
なので、求める確率 $p$ は
 
\[p=\frac{2}{7}+\frac{1}{7}=\frac{3}{7}\]
となります。

(2)「取り出した球が青色である」という事象は「取り出した球が赤色である」事象の余事象なので、(1) の結果を用いて
 
\[q=1-p=1-\frac{3}{7}=\frac{4}{7}\]
 
(3)「取り出した球が青色である」事象を $A$ とし、「球が $Y$ の箱から取り出される」事象を $B$ とします。それぞれの事象が起こる確率を $P(A),\ P(B)$、事象 $A$ が起こったときに事象 $B$ が起こる条件付き確率を $P_{A}(B)$ で表すと、次の乗法定理が成り立ちます。
 
\[P(A\cap B)=P(A)P_{A}(B)\]
 ここに、$P(A\cap B)$ は事象 $A$ と $B$ がともに起こる確率、すなわち「球が $Y$ から取り出され、かつ青色である」確率を表し、次のように計算できます。
 
\[P(A\cap B)=\frac{1}{2}\times\frac{4}{7}=\frac{2}{7}\]
 また、$P(A)$ は (2) で求めた $q$ のことです:
 
\[P(A)=q=\frac{4}{7}\]
 したがって、乗法定理より
 
\[P_{A}(B)=\frac{P(A\cap B)}{P(A)}=\frac{2/7}{4/7}=\frac{1}{2}\]
となります。
 
 

PS-27 くじ引きの順番

 $N$ 本のくじがあって、その中に $k$ 本の当たりくじが入っているものとします。ただし、$N\geq 2,\ k\lt N$ とします。小夜子(さよこ)さんと路子(みちこ)さんの $2$ 人が、この順にくじを引きます。

(1) 小夜子さんが当たりを引く確率を求めてください。

(2) 小夜子さんが引いたくじを元に戻さない場合、路子さんが当たりを引く確率 $P(N,\ k)$ を求めてください。また、$P(10,\ 3)$ を計算してください。

(3) 小夜子さんがハズレを引いたときだけ、そのくじを元に戻すようにした場合、路子さんが当たりを引く確率 $Q(N,\ k)$ を求めてください。また、$Q(10,\ 3)$ を計算してください。

(4) $R(N,\ k)=P(N,\ k)-Q(N,\ k)$ を求めて、$k=N/5$ のときの $R$ を計算してください。
 

PS-27 のヒント(くじ引きは引く順番によらず公平です)

(1) と (2) は くじ引きは引く順番によらず公平である という有名な法則の確認問題です。(3) は少しだけ条件を変えるので、この法則は当てはまりません(ハズレが戻されてしまうので、路子さんは少しだけ不利になります)。(4) では (2) と (3) それぞれの条件において、路子さんの当たる確率にどれぐらいの差があるかを確認します。
 

PS-27 の解答

(1) $N$ 本のくじの中に $k$ 本の当たりが入っているので、小夜子さんがが当たりを引く確率は $\cfrac{k}{N}$ です。

(2) 小夜子さんが当たりを引いた場合、全体の数 $N$ が1つ減って、当たりくじの数 $k$ も1つ減るので、路子さんが当たりを引く確率は、
 
\[\frac{k}{N}\times \frac{k-1}{N-1}=\frac{k(k-1)}{N(N-1)}\tag{B1}\]
となります。また、小夜子さんがハズレを引くと、全体の数 $N$ は1つ減りますが、当たりくじの数 $k$ はそのままなので、路子さんが当たりを引く確率は、
 
\[\frac{N-k}{N}\times \frac{k}{N-1}=\frac{k(N-k)}{N(N-1)}\tag{B2}\]
となります。「小夜子さんが当たりを引いて路子さんが当たりを引く」という事象と「小夜子さんがハズレを引いて路子さんが当たりを引く」という事象は互いに独立なので、求める確率は (B1) と (B2) を足し合わせて
 
\[P(N,\ k)=\frac{k(k-1)}{N(N-1)}+\frac{k(N-k)}{N(N-1)}=\frac{k}{N}\]
となります(くじ引きは引く順番によらず当たる確率が変わらない という法則が証明されました)。$N=10,\ k=3$ とすると、

\[P(10,\ 3)=\frac{3}{10}\]
となります。

(3) 小夜子さんが当たりを引いた場合、それは戻さないので、全体の数 $N$ が1つ減って、当たりくじの数 $k$ も1つ減るので、路子さんが当たりを引く確率は、
 
\[\frac{k}{N}\times \frac{k-1}{N-1}=\frac{k(k-1)}{N(N-1)}\tag{B3}\]
となります。小夜子さんがハズレを引くと、それを元に戻すので、全体の数 $N$ は変わらず、当たりくじの数 $k$ もそのままなので、路子さんが当たりを引く確率は、
 
\[\frac{N-k}{N}\times \frac{k}{N}=\frac{k(N-k)}{N^2}\tag{B4}\]
となります。したがって、求める確率は (B3) と (B4) を加えて
 
\[Q(N,\ k)=\frac{k(k-1)}{N(N-1)}+\frac{k(N-k)}{N^2}=\frac{k}{N}\,\frac{N^2-2N+k}{N-1}\]
で与えられます。$N=10,\ k=3$ とすると、
 
\[Q(10,\ 3)=\frac{83}{300}\]
となります(これは (2) で計算した $P(10,\ 3)=90/300$ よりも僅かに小さな値となっています)。

(4) (2) と (3) の結果を用いて $R(N,\ k)=P(N,\ k)-Q(N,\ k)$ を計算すると、
 
\[R(N,\ k)=\frac{k}{N}-\frac{k}{N}\,\frac{k(N^2-2N+k)}{N-1}=\frac{k}{N}\,\frac{N-k}{N(N-1)}\]
となります。$k=N/5$ を代入すると、
 
\[R\left(N,\ \cfrac{N}{5}\right)=\frac{4}{25(N-1)}\]
が得られます ($R$ は $N$ に反比例します)。 ≫ 確率統計演習問題

スポンサーリンク
スポンサーリンク
末尾広告
末尾広告

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください