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親和数(自身を除いた約数の和が互いに等しくなる数)

【NT20】親和数(友愛数)

ある自然数 $N$ について約数の和を $S(N)$ と書くことにします。いま異なる2つの自然数 $m,\ n$ があって、
\[S(m)-m=S(n)-n\]が成り立つとき、$(m,\;n)$ は親和数(amicable numbers)とよばれています。
(1) $220$ と $284$ が親和数であることを示してください。
(2) $1184$ と $1210$ が親和数であることを示してください。
 
【ヒント】全ての約数を求める必要はありません。「約数の和」が分かればいいのです。

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【解答】(1) $220$ を素因数分解すると
 \[220=2^2\cdot 5\cdot 11\]
となります。その約数の総和は次のような展開式で計算できます。
 \[S(220)=(1+2+2^2)(1+5)(1+11)=504\]
この数字から $220$ 自身を差し引くと
 \[S(220)-220=504-220=284\]
となっています。また $284$ を素因数分解すると
 \[284=2^2\cdot 71\]
なので、約数の総和は
 \[S(284)=(1+2+2^2)(1+71)=504\]
となり、$284$ を引くと
 \[S(284)-284=220\]
となっています。よって
 \[S(220)-220=S(284)-284\]
が成立しているので、$(220, 284)$ は親和数です。

(2) $1184$ を素因数分解すると
 \[1184=2^5\cdot 37\]
となるので、その約数の和は
 \[S(1184)=(1+2+2^2+2^3+2^4+2^5)(1+37)=2394\]
となり、自身の数を引くと
 \[S(1184)-1184=1210\]
となります。また $1210$ を素因数分解すると
 \[1210=2\cdot 5\cdot 11^2\]
となるので、その約数の和は
 \[S(1210)=(1+2)(1+5)(1+11+11^2=2394\]
となるので、自身の数 $1210$ を差し引くと
 \[S(1210)-1210=1184\]
よって、
 \[S(1184)-1184=S(1210)-1210\]
が成立し、$(1184, 1210)$ は親和数であることが示されました。

【補足】自身を除いた約数の和が互いに等しくなる数のことを親和数または友愛数といいます。親和数(友愛数)については、ピタゴラスの時代から知られていましたが、その組合せはとても珍しいものです。問題文にある (220, 284) と (1184, 1210) は最小および2番目に小さい組合せです。その次は (2620, 2924) です。手計算で親和数を見つけるのは大変ですけど、VBA などでプログラミングを組んで、しらみつぶしに探せば、大数学者オイラーが苦心して見つけた 60 個ぐらいなら簡単に超えることができます。気になる人は挑戦してみてください。現在までに知られている親和数は必ず偶数同士、奇数同士のペアになっていますが、まだ一般的には証明されていないようです。

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