チェビシェフの不等式
分散または標準偏差は分布のばらつきを表していますが、それが具体的にどの程度なのかということを、チェビシェフの不等式 (Chebyshev’s inequality)
によって知ることができます。ここで、
不等式(A) の意味するところを具体的に書き並べてみると
のようになります。
チェビシェフの不等式の証明
チェビシェフの不等式を証明しておきます。最初に不等式(A)について、
【離散確率変数の場合】確率変数が離散変数であるときの分散は
と定義されています。ここで右辺の和の各項は全て正なので、
という不等式が成り立ちます。
すなわち
となります。
【連続確率変数の場合】確率変数が連続変数であるときの分散は
という積分で定義されます。被積分関数は常に正なので、
という不等式をつくります。
となって、やはり同じ不等式
を得ることができます。
次に不等式(B)を証明します。(A) の左辺は
と書き換えられるので、
が成り立つことがわかります。
【Excel】チェビシェフの不等式
例として平均値
上の図は正規分布の確率密度
NORM.DIST(x,平均,標準偏差,関数形式)
において関数形式を 1 として、正規分布の累積確率分布関数を計算することができます。平均値
=2*NORM.DIST(50,60,5,1)
として 0.0455 という値を得るので、確かに
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